校長室だより

校長室だより

五行の心がけ

 先日、ふと手にした小冊子に、田中善六(ぜんろく)氏の記事を見つけました。スポーツ衣料等の繊維製品製造・販売メーカーである株式会社クラロン(福島県)の創業者。「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で厚生労働大臣賞を受賞しました。障がい者の正規雇用に取り組み、高齢者雇用にも積極的な会社として評価されています。妻、須美子さんは

「夫が亡くなったあと、机を片づけていたらメモが出てきたんです。
 ○笑顔を絶やすな。
 ○あいさつしたか。
 ○感謝したか。
 ○油断はないか。
 ○満足の一日だったか。
その五行が書かれていました。夫がいつも口にしていたことでしたが、メモに書いて、自分にも問いかけていたのでしょうね。私も、この五行を守るための人生になりました。障害のある人々や女性・高齢者と共に、生きる喜び、働く楽しさを身につけ、未来に希望と夢をもって働く姿には感動いたします。これらの働く障がい者から学んだ美しい心は、私共の人生をもかえて、人が人を育て、一人を疎(おろそ)かにしない教育の大切さを教えられ、今や企業内にしっかり根を下ろしていることが何よりありがたいことです。草花が太陽に向けて花を咲かすように、私達も人の温かさにふれたとき、固く閉じていた心がやさしく和みます。ちょっとした思いやりが人の心を感動させ、小さな労(いたわ)りが、人と人とを結び付ける絆となってゆくことでしょう。こんな心掛けで一枚一枚に健康であるよう祈りをこめ、思いやりと真心をもって、スポーツウェアづくりに励んでいきたい。」と語られています。

 姫戸小学校には、心得としての「4つのあたりまえ」という合言葉があります。
○あいさつ(こちらから、誰にでも、心を込めて挨拶をする)
○あつまり(チャイムで始めて、チャイムで終わる/時間を守る)
○あとしまつ(次に使う人のことを考えて後始末をする/見届ける)
○ありがとう(相手の心づかいに気づき、素直にお礼を言う)
 田中善六氏の五行の心がけと相通じる部分も多いと感じました。「ちょっとした思いやり」と「小さな労り」が、お互いに、ごく自然にできるよう、児童も、職員も、育っていきたいと思います。

瑞気集門

 坂田家の定例行事「しめ縄」作り。早朝から本家に集まり、三人一組で「よいしょ、よいしょ」と声を合わせて編み込みます。玄関、神棚、荒神様等、5~6家族分を一気に仕上げます。しめ縄を編むのには、編み手3人、藁の配り手1人、くるくる回らないように上部を支える握り手1人の、最低5人が必要になります。今年は男手が足りないとのことで、大学生の次男がデビューすることになりました。初めての割には皆と呼吸を合わせて上手に編み込むことができ、辛口の従兄からは珍しく「上手やっか。来年もヨロシク。」と誉められていました。

 私のデビューも大学時代でした。地元の久玉は一年中、玄関にしめ縄を飾る家が多いので、その見た目や風雨に耐えうる強度はとても重要になります。また、5人の呼吸がうまく合わないと、しっかりしたしめ縄にはなりません。親父や伯父、伯母達から「息の合っとらんなぁ」「力は入っとっとかい」と冷やかされてばかりでしたが、そのあとの打ち上げも盛り上がり、親戚一同集まって賑やかなものでした。

 親父や伯父達の楽しい掛け声や笑顔を思い出せる、年の瀬の大切な定例行事です。

止まって、左右確認!


 上の写真は、学校の正門前にあるオレンジ色の「停止線」です。毎日、子ども達の登下校の見守りをしていただいている 田中 道範 さん(上天草市社会教育委員長・子供会連絡協議会長)が、お忙しい中にペンキで丁寧に描いてくださいました。
 皆さま、お車で来校の際、正門から出るときには、まず白線の「止まれ」で停止。左右確認。そしてオレンジ停止線で停止。左右確認。の二段階確認をお願いします。オレンジ停止線で止まらないと、トンネル側からの自転車に気づけません。下り坂になっていますのでスピードが出ています。
 特に登校時は要注意です。
 どうぞよろしくお願いします。

よーい、どん! 最後まで頑張った小中合同持久走大会

 12月4日(土)、前夜に降った雨の影響もなく、むしろ少し肌寒いくらいの絶好のマラソン日和。青空の下で姫戸小中合同の持久走大会が盛大に開催されました。
 朝から「なんか、わくわくします。」「今日は自己ベストを出します。」と意欲満々の子ども達の一方で、「おはようございましゅ。」「おなかが痛いような気がします。」と緊張感なのか、走るのが嫌なのか、どことなく浮かぬ顔の子ども達も、ちらほら。
 しかし、開会式が終わりスタートラインに立った子ども達は「もう、やるしかない」と踏ん切った表情で、号砲の合図とともに一斉に駆け出しました。

持久走は何故やるのか?
それは、あと一歩、もう一歩と頑張ることができる「自分」にするため。
挑戦するのは、自分自身。ライバルも、自分自身。
おうちの方、地域の方、交通指導員の方々の、あたたかい声援に感謝して、
その声援に背中を押してもらって、
自分のペースで、最後まで、「あと一歩」「もう一歩」と頑張ってください。

 これは、開会式の大会会長挨拶で私が話したことです。
 子ども達は、たくさんの保護者・地域の皆さん、交通指導員の方々の温かい声援を受けて、「あと一歩」「もう一歩」と全員が最後まで力走しました。普段の体育の授業より遙かに早いタイムでゴールした子も、目標とする設定タイムぴったりでゴールした子もいました。いつもは途中で歩いていた子も、本番では、一度も立ち止まらずに走り抜きました。中学生のお兄さん、お姉さんが何人も一緒に伴走してくれました。誰かに指示されたり頼まれたりしたわけではないのに、「頑張れ。」「もっと手を振って。」「もう少しだよ。」と小学生を勇気づけながら、自然と走り出した中学生の姿には、大きな感動を覚えました。中学生は長い距離を走り終わったあとで、息も上がり疲れていたはずです。小学生高学年の区間をゴールまでずっと、声を掛け続け伴走してくれた中学生もいました。保護者の方も一緒に走られました。

「姫戸って、すごいな」と、正直、驚きました。
 皆さま(小中学校の子どもたち・保護者・地域の方々・交通指導員の方々・駐在さん・小中学校の先生方・前日までグランドの除草と整備に尽力いただいた堀川先生・姫戸町の先人方‥)のお陰で、子どもたち一人一人に、自信と自己肯定感、共感的人間関係を育む「感動」の持久走大会になりました。

 ありがとうございましたm(_ _)m。

二間戸の朝焼け

 出勤しようと、二間戸の校長住宅を出て駐車場に向かう瞬間に、目に飛び込んできた風景です。朝日が、靄(もや)にかすむ海に映って、なんと美しい。「朝から幸せだ。」と、いつもよりちょっと早く起きたことを言い訳に、しばらく眺めていました。下は、もみじ。これも美しい。

自分と同じように友だちを大切にする

 11月15日(月)~26日(金)は人権旬間です。以下の3つを目的に取組を進めます。

◯かけがえのない自分自身を自覚し、お互いの違いを認め合うことができるようにする
◯相手の気持ちになって考えることの大切さを知り、助け合うことができるようにする
◯人権の尊さが分かり、身の回りにある不合理や矛盾に気づくことができるようにする

 同時に我々職員も、この人権旬間を、自分自身の人権感覚や人権教育に対する認識をあらためて問い直す場として捉え、真摯に自己研鑽に努めてまいります。
 11月18日の校長人権講話では、

①「自分」の命を守る
②「自分」をほめる
③「自分」のいいところが分かる
④「自分」の気持ち(心)を受け入れる
この4つが「自分を大切にする」基本であり、日常の生活の中で「自分で」意識的に行ってほしいこと。その手助けをするのが家族、先生、地域、友だちであること。そして「自分」を「友だち」に置き換え、日頃の友だちの表情や行動に気を配り、「今日は調子が悪そうだな」「様子がどこか変だ」「なんか辛そう」と、友だちの気持ちを推し量ることの大切さを話しました。
 数年前、新聞に、ある女性からの投稿が載りました。女性の息子さんはクラスの「いじられキャラ」で、数人から本気なのか、冗談なのか分からない「いじり」を受けていました。
 周囲も本人が一緒に遊んでいるのか、嫌がっているのか、判断できない状況のなかで、ある大柄の男の子が「もういいやろ。やめろや。」「行こうぜ。」と手を引っ張ってくれたそうです。帰り道、息子さんが「ありがとう。」と言うと、男の子は「え? なんで?」と応えます。
 後日、授業参観で男の子のお母さんと会い、息子から聞いたいきさつを話すと、「それが正しいと思ったんでしょうね。」とだけ言われて、「男の子も、お母さんも、まっすぐだなぁ」と心から感服した、という内容でした。その大柄の男の子が、のちに大リーグのヤンキースで活躍する田中 将大(たなか まさひろ)投手です。
 彼は、「いじられている」友だちの表情から「あれは楽しく遊んでいる顔じゃない」「やめさせるのが『友だち』として当然のことだ」「それが正しい行動だ」と考えたのでしょう。彼にとっては当たり前の行動をとっただけだから、「ありがとう」と言われて「え? なんで?」となったのでしょう。「状況をよく見る」そして「自分が正しいと思うことを、勇気を持って行う」という心構えと行動力が、その後のメジャーでの大活躍につながっているのだと思います。
 学校では、①人権学習における学級目標・個人目標の設定・実践、②「心のアンケート」の実施、③全児童を対象とした教育相談、④なかよし集会(11月24日)、⑤振り返りチェックシートによる評価・改善策の立案、⑥人権をテーマとした授業参観の実施など、児童と職員が一緒に「学び」を深めていきます。ご家庭でもお子様の「いいところ」「努力の過程」「毎日元気でいてくれること」をしっかり誉めていただくと共に、「人権」や「差別」について話題を持っていただければ幸いです。

受け継ぐ伝統・巫女舞

 10月23日(土),24日(日)に姫戸町の姫浦神社、姫石神社、諏訪神社の秋の例大祭が催され、神事及び巫女による「浦安の舞」奉納が行われました。志水実子先生、橋本京子先生のご指導のもと、6年生の緒方采奈さん吉中亜海さん林田侑來さん山本佳歩さん浦本結愛さん、5年生の山本絵美梨さん川本みのりさんが巫女舞を披露しました。夏休みから稽古を積み重ねてきた成果が、神前の厳かな雰囲気の中で雅(みやび)やかで優美な舞として表れていました。素人目にも一つ一つの所作がとても難しい舞でしたが、背筋がぴっと伸び、指先やつま先まで意識を届かせた、とても素晴らしい巫女舞でした。
 神事のあと、子どもたち、職員一人一人の健康を祈念して、糀本先生と一緒に玉串をお供えさせていただきました。来年こそコロナも収束し、各地区で盛大に「子ども神輿」も行われることを祈るばかりです。

荘厳! 二間戸小学校跡地の大銀杏

 二間戸小学校跡地の大銀杏。昨日も学校帰りに立ち寄ってみました。樹齢推定300年、幹囲5.07m。樹高約21.5m。校庭の庭木として児童の成長と地区住民を見守ってきました。この小学校の敷地は旧二間戸庄屋(田中家)の跡地で、イチョウの木はその庄屋の庭先に植えられていたようです。 もともと樹高は40mだったのですが、平成3年の台風で幹が折れ現在の高さになったとのこと。今は地区の公民館敷地となり、イチョウの木は大切に保存されています。上天草市指定天然記念物です。

 夜はライトアップされて、川面に映る輝くような金色(こんじき)と相まって、息をのむような美しさです。 近くには、二間戸小学校之碑とともに入学児童の氏名が記載された記念板もあり、明治7年2月に開校、明治38年6月二間戸尋常小学校として独立(男子80名・女子68名・計148名)、昭和16年4月学制改革により二間戸国民学校と改称、昭和22年4月姫戸村立二間戸小学校と改称、昭和34年3月に姫戸小と統合のため閉校、という積み重ねられた永い歴史を感じさせます。

 昨夜はちょうどお月様が大銀杏の枝にかかっていて、1時間ほど、ぼんやりと眺めていました。散歩の途中に見上げに来られる方、本渡から大銀杏に逢いに来たという二人組、「今年もありがとう」と大木に声をかけていらっしゃる方、長い時間ずっとカメラを構えて撮影されている方など、それぞれが、それぞれの心を癒やされに大銀杏の袂に集います。 

単純に「きれいだなぁ」と思えるもの

 

 立冬を過ぎ、ひと雨毎に朝夕は冷え込み、日中の陽射しも弱まって来て、冬が近いことを感じさせます。今年は「暑-い晴れ」から「寒っ困る」まで、あまり期間がなかったように感じました。

 しかし、秋の青空は格別です。写真は11月3日に眺めた白嶽の山頂からの景色(登り坂が結構続いて息が上がりました)。「天高く馬肥ゆる秋」なんて言葉にもあるように、秋の空に目をやると高く感じるものです。実はこれ、気のせいではなく本当に高く見える理由があるとのことです。テレビ番組でもお馴染みの気象予報士、喜田 勝さんによると「晴天をもたらす高気圧は季節によって出身地が変わり、秋に日本列島を覆うのは、大陸からの高気圧。水蒸気が多いと空は白っぽく見えますが、大陸からの高気圧は乾燥しているため、スッキリした青空になるんです。春の高気圧も大陸出身ですが、この季節はまだ草木が生長しておらず、土や砂が舞い上がりやすいもの。これらが空気中に多く含まれるため、春の空はかすんで見えることが多くなります」とのこと。そして秋の空が高く見えるもうひとつの理由は、雲の種類。「秋は上空の高いところにできる雲が多く、青空の見える範囲が広くなるので、空がより高く見えるのだと思います。秋に多い雲は、ひつじ雲やうろこ雲。ハケでサッと書いたような雲などもよく見られますね」だとか。

 下の写真は金木犀(キンモクセイ)。十数年前に、ある公園で小山のような巨木を見つけて以来、毎年決まったように眺めに行きます。枝全体に黄金をちりばめたような金木犀が爽やかな秋の青空を背景にゆったりと繁り、辺りを包み込む甘い香りが心地よく、しばらくぼぉ-っと見上げていました。人間の目には「補色調和」という性質があって、補色同士だとより鮮やかに見えます。青の補色は黄色~オレンジ色。紅葉の山と青空という組み合わせは、絶好の被写体のようです。

 嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、苦しいこと…心の内にある様々な感情を一旦脇に置いて、あ-綺麗だなぁと単純に感動できる空や雲、花、星空といった風景は、ひとにとって、とても大切なものかも知れません。

 

大切な、大切な命を守るために

 10月27日夕方、上天草市の国道で道路を横断していた小学1年生の男子児童が軽貨物車にはねられ死亡するという大変痛ましい交通事故が発生しました。将来のある幼い命が失われたことは痛恨の極みです。
 悲報を受け、翌28日には臨時朝会を開き、事故の経緯や子ども達への交通安全指導について職員全員で共通理解を図りました。8時35分から龍ヶ岳町の方角を向いて全校で黙祷した後、各学級で、事故を防ぐためにはどうすればよいのか、自分の命を守るために何をすべきなのか、について考える時間をとりました。

◎道路を横断する際は横断歩道を利用し、左右の安全確認を必ず行うこと。
◎歩行者は、右側通行を遵守すること。
◎自転車に乗るときは左側通行を遵守し、ヘルメットを着用し、一時停止等の安全確認を行うこと。
◎朝や夕方、夜間は、車にはっきり分かるように、歩行者も自転車利用者も反射材用品を着用すること(休日も)。
◎危険予測・回避能力を身につけ、「自分の命は自分で守る」という意識で自ら交通環境に応じた適切な行動をとること。

 この5つの約束を肝に銘じて、このような悲劇は二度と繰り返してはなりません。事故現場で手を合わせながら強くそう思いました。ひとの命を一瞬にして奪ってしまうかもしれない交通事故。私たちはかけがえのない命を理不尽に失う危険と隣り合わせに生きています。交通事故を起こさないことはもちろん、不運な事故に遭わないために何ができるのか一緒に考えましょう。
 ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかとお察し申しあげます。
 心よりご冥福をお祈りいたします。

 

最近の豆柴チコちゃん

熊本市で、じいちゃんと次男と一緒に暮らしているチコちゃん。10月17日(日)に1歳の誕生日を迎えました。目の前の特性ケーキとハッピバースデーの合唱にキョトンとしながらも、早く食べたい素振りのチコちゃんでした。

ところが、一昨日、次男からの緊急LINE。(原文そのまま)

【ちこ脱走 昼過ぎに確保】今日昼過ぎ、白石町のアイドル・ちこちゃんが、おじいさんが畑仕事をしている最中に、ロープを引きちぎって脱走。同居している青年が「おーい、ちこちゃーん!ちこちゃーん!」と藁にもすがる想いで捜索していたところ、その声を聞いたのか、田んぼの茂みからヒョコっと顔を出した。身柄を拘束された脱走犯は後に、次のように釈明した。「ちょっと困らせてみたかっただけ。ワタシがいないと、みんな生きていけないでしょ?」

最近は、散歩に行けばカメをくわえて放さなかったり、ドッグランで自分の3倍はあろうかというワンちゃんを追い回したりと、おてんばが過ぎるチコちゃん。下の写真は身柄拘束後の反省のポーズです。

熊本地震とたくさんの自然を学ぶ旅!

 6年生18名は10月13日(水)~14日(木)の1泊2日の日程で、熊本・阿蘇方面へ修学旅行に行ってきました。本来は長崎での平和学習を計画しておりましたが、コロナウィルスの感染状況と県外移動の影響を鑑み熊本県内へ変更しました。

 コロナ感染対策として2人掛けシートを1人占めという大型バスで学校を出発し、まず訪れたのは熊本城です。平成28年4月14日夜及び16日未明に発生した熊本地震(6年生は姫戸小に入学した直後でした)。気象庁震度階級では最も大きい「震度7」を観測しました。城内に13棟ある国重要文化財全てが被災し、石垣は約3割が被害を受けました。「復興のシンボル」として最優先に工事を進めた天守閣は「よみがえれ熊本城」を合言葉に全国から集結した職人さん達の懸命な努力で復旧が完了し、今年6月に天守閣内部の一般公開が5年ぶりに再開されました。
 新しい展示では、天守閣の歴史だけでなく、地震の被災状況や復興の様子を取り上げ、大天守の最上階に当たる6階部分からは、復旧作業が進む城内と熊本市の街並みを一望できました。完全復旧は令和19年ごろの見込みだそうです。

 昼食は新阿蘇大橋を渡って南阿蘇・白水乃森の「赤うし丼」。赤身の牛肉の上に温泉卵をかけて食べました。ご飯のお代わり4杯の強者も。 
 お腹いっぱいになった後は、雄大な阿蘇の景色を車窓に見ながら阿蘇中岳へ。残念ながらガスが出て火口はのぞけませんでしたが、火山博物館を見学しました(その後20日に阿蘇山は噴火‥)。バイク野郎のメッカと呼ばれる大観望にも登り、眼下に広がる絶景を眺めました。

 宿泊場所は、内牧温泉で創業半世紀余の老舗、阿蘇プラザホテル。湯けむりの向こうに広がる壮大な阿蘇の景色を眺めながら、貸切の大浴場でゆったり。お待ちかねの夕ご飯は赤牛の陶板焼きやエビフライ&ハンバーグと豪華。はしゃぎ疲れたのか、消灯後は皆グッスリ。通常1部屋7~8人を、3~4人で使用してコロナ対策。
 翌14日は旧東海大学阿蘇校舎の震災遺構を見学しました。地面の隆起や亀裂、横ずれ、外壁の亀裂や階段の損傷など、地震の凄まじさを感じました。 
 次に訪れた阿蘇ミルク牧場では、最初に堀田直孝(ほりた なおたか)さんから熊本地震講話をいただきました。堀田さんは地震発生当時は役場にお勤めで、西原村川原地区の小学校の体育館で避難者745人の避難所の運営に尽力されました。弱者、高齢者、障がい者、女性、子ども等を含めた「実生活の場」としての避難所運営には様々なハードルがあったことを話されました。「トイレは命を奪う」という言葉は特に印象に残りました。断水の中、如何にトイレ環境を整え、健康被害を最小に押さえるかは大きな課題であり、「自分たち一人一人が役割を果たして生き抜きましょう」の呼びかけで募ったトイレ掃除のボランティアと、使用後は水(近くの川からペットボトルに汲んだ水)をタンクに入れるという「ルール」の励行が功を奏したそうです。 日頃から「備える」こと、「避難者の気持ちに寄り添う」ことが大切であると話されました。
 昼食(バイキング)のあとは、お待ちかねの体験活動。搾乳とアイス作りをしました。みんなとっても上手でした。コスモスが咲き乱れる牧場で牛や馬、山羊、羊、モルモット、犬などたくさんの動物と触れ合うことができました。
 1泊2日の短い修学旅行でしたが、姫っ子達の誠実さ、優しさ、仲間意識、実直さ、可愛らしさなど、たくさん見つけることができた2日間でした。楽しかったね。

秋桜

 

『コスモスのうた』   まど・みちお

だれかに 一りん
あげたいのだけれど
コスモス
コスモス
ともだちが すき
ともだちと みんなで
てを つないで 遊んでる

グラスに 一りん
さしたいのだけれど
コスモス
コスモス
あおぞらが すき
あおぞらを みあげて
みな はればれと うたってる

 まど・みちおさんは、「存在の詩人」と称された日本を代表する詩人です。「ぞうさん」「ふしぎなポケット」「一年生になったら」など、その大らかでユーモラスな作品は童謡としても親しまれています。

 コスモスは明治の初め頃に渡来した外来種で、秋に桜のようなピンク色の花を咲かせることから「秋桜(あきざくら)」と名付けられました。コスモスと呼ばれるようになったのは、山口百恵さんの「秋桜」という曲が大ヒットしたことがきっかけだと言われています。この曲を作詞作曲したさだまさしさんが、「秋桜」をコスモスと読ませ、歌謡曲がヒットしたため、その読みが一般的になったのだそうです。

 ピンクや白、赤、黄色など色鮮やかな花を咲かせるコスモス。早いところでは7月下旬から見頃を迎え、最も遅いところでは11月中旬までと長期にわたりコスモス畑を楽しめるようです。暑さが和らぎ始めるこれからの季節、早速出掛けてみたいものです。

早寝 早起き 朝ご飯

 夜更かしせず早めに寝る。その分、早めに起きて朝ご飯をしっかり食べる。この「早寝、早起き、朝ご飯」の国民運動は、平成18年から文部科学省が中心となって全国で展開されています。
 熊本大学大学院医学薬学研究部発達小児科の上土井貴子(じょうどい たかこ)医師によると、人が、人として生活する上で最も大切なものは、「安心・安定という脳」だそうです。
 人は、成長の過程で「感情(本能)」→「情動(喜びや悲しみ、驚きなどの人間としての感情)」→「情操(社会的価値を持つ複雑な感情)」といった「脳」の発達段階をたどるわけですが、その際に必要不可欠なのが、脳が「安定している」ということ。つまり、脳は安心や安定を感じていないと正常な発達をしない。「キレる」といった現象の大きな原因は、成長段階における脳の不安定感にあり、小学生までの時期に十分な脳の形成ができていないことに起因するということです。
 では、どうしたら「安心・安定という脳」をつくれるのか? どうやったら脳を正常な情操域まで発達させることができるのか? 上土井先生が提唱される「是が非でも必要なもの」は、次の2点。

①「抱き上げる」「さわる」「言葉をかける」「誉める」「認める」という、親や周囲の愛着
②安心のホルモン「セロトニン」

 セロトニンは「癒し」の神経伝達物質で、このホルモンが脳内で分泌されると平常心・安心感・満足感という感情が促進され、「がんばるときに、がんばれる力」や「失敗しても立て直す力」を生み出すそうです。そして、セロトニンを分泌させるのに必要なものは、次の2つ。

①よい睡眠(午後8時~午前6時)     ②バナナや乳製品といった食品

 午後10時~午前2時の間に「脳を休め疲れを取るホルモン」が、逆に午前6時には「活動するホルモン」が脳から分泌されるそうです。それらのホルモンが規則正しく分泌されることで、セロトニンの分泌が促される。また、目の裏に「起きる脳」があり、朝陽の光(約3万ルクス)が直接「起きる脳」に作用して「活動するホルモン」の分泌を促す。逆に夕陽の光は「休める光」で、「脳を休め疲れを取るホルモン」の分泌を促す。つまり「光」がホルモンの分泌に大きく影響するから、寝る前のゲームやメールの光は強すぎて脳を起こそうとするし、朝にカーテンが閉まっていて朝陽を遮断してしまうと、なかなか脳を起こすホルモンが出にくいというような悪影響を及ぼしてしまうわけです。それから、バナナや乳製品には、セロトニンがたくさん含まれており吸収も早いので、特に朝食に摂取するのが有効であるとも聞きました。
 子どもの身体的・精神的な発育・成長に、睡眠や食事は多大な影響を与えることは周知のこと。睡眠時間や排便、朝食は、子どもの体調や学力、精神状態と密接な関係があります。「寝る子は育つ」だけでなく、「寝る子は落ち着く」「寝る子は学力も伸びる」ということです。

 以下に紹介する標語は、6年生の田原伸輝(たばらしんき)さんの作品です。1学期に給食委員会が行った「朝ご飯って大事だね! 朝食標語」の募集で、見事「校長先生賞」に輝きました。おばあちゃん手作りのふわふわホクホク食パンを、美味しそうに頬張る伸輝さんの可愛い頬っぺが想像できます。心温まる素晴らしい作品ですね。

「 縁 」

     この夏、校長室には雨空を吹き飛ばすようなサプライズの来客が、3組ありました。
 1人目は牛深小学校の卒業生。他県の全寮制高校に進学し、知り合いも少ない中でホームシックにも打ち克って、この春に卒業。海運会社に就職し、貨物船で遠く東北まで航海するとのこと。「3ヶ月ぶりに帰ってきました。」と元気な顔を見せてくれました。担任をした小学4年生の頃のあどけない表情は残しつつもキリッとした顔で、初心者マークをつけた車を運転する姿に、ただただ感動しながら見送りました。
 次は30年来の教え子二人組。私の教職最初の赴任校である東海第二高校(現熊本星翔高校)の卒業生。今年で46歳になるとのこと。私が転勤する度に、ハーレーとビッグスクーターでツーリングがてら顔を見せてくれます。上の写真は、10年程前に天草町の大江小学校に遊びに来てくれた時のもの。190㎝近くの巨人(!?)を当時の子ども達も目を丸くして見上げていました。
 3人目は、その大江小学校の卒業生。写真の赤いビッグスクーターに跨がっている女の子。現在は県北の病院で看護師として頑張っています。小中高とソフトテニスに打ち込み、九州でも名の知れた選手でした。東海二人組と一日違いの来訪で、「お兄ちゃん達と会いたかった」と悔しがっていました。
 教師も30年もやっていますと、いろんな所に教え子がいて、彼ら(彼女ら)が年齢や場所を超えて不思議な縁で結びつき、関わり合っていることがたくさんあります。同じ会社の上司と部下、会社員と取引先、先生と生徒という関係もあるようで、それぞれの「縁」の不可思議さに驚くばかりです。
 それらの「縁」をつなぐ役割を少なからず果たせていることを、とても嬉しく思います。30年近く経った今も「先生」と言ってくれる子ども達に感謝するとともに、暇を見つけては、遠くから車を飛ばして顔を見せてくれることを、本当に有り難く思います。早いもので、初代の教え子達は来年50歳(うわ-!!)になりますので「子ども達」というのは語弊がありますが、私にとっては、姫戸小学校の子ども達と同じように、いつまでもやんちゃで可愛い子ども達。私の掛け替えのない「宝もの」であり、毎日毎日を生きていく上での心の支えとなるものです。
 先日も別の教え子から「先生、独り暮らしは初めてでしょう。ご飯つくりに行きましょうか」って電話がありました。白髪は増えるばかりですが、教え子達に心配をかけないよう、炊事・洗濯はもちろんのこと、今、目の前にいる姫っ子一人一人のために、校長としてやるべきことをしっかり頑張ろうと、決意を新たにしたサプライズになりました。

やっぱり、子どもたちの笑顔が一番!

 2学期が始まり一週間余りが経ちました。長く降り続いた大雨とコロナウィルス感染症の拡大により、外で思いっきり遊んだり、家族でどこかにお出掛けしたりといったことは、ほとんどできない夏休みになってしまいました。熊本県のまん延防止等重点措置も延期される見通しです。学校といたしましても、ご家庭や地域と協力しながらコロナ感染拡大防止対策にしっかり取り組んでまいります。
 始業式は密集を避けて放送で行いましたが、各教室から子どもたちの元気な挨拶の声や、問いかけに対する溌剌とした返事が放送室まで届きました。休み中はあんなにガラ~ンとしていた校舎が、一気に生気を取り戻したかのようです。昨年に引き続くコロナ禍で「夏休みを十分に楽しめただろうか」という我々の心配を吹き飛ばすように響き渡る笑い声。やっぱり、子どもたちの笑顔が一番!

豆柴のチコちゃん

 昨年末、風の強い夜でした。あんなに元気だった義母を病気で亡くしました。義母は料理が得意でお世話好き、陽気な性格で踊ったり歌ったりが上手な地域の人気者でした。数年前にはNHKのど自慢熊本大会に出場し、おてもやんの衣装で箒(ほうき)をギター代わりに「ダンシングオールナイト」を熱唱して「特別賞」をもらいました。後日、妻の実家にTV局が取材に来たくらいです。 
 実直で太陽のような存在の義母でしたから、家は灯が消えたようにしんと静まり、二人暮らしだった義父は周囲には気丈に振る舞っていましたが、寂しさは隠しきれません。四十九日の法要を無事に終えた義父が、突然、「豆柴を飼いたい」と言いだし、菊陽町まで出掛けて求めたのが生後三ヶ月の「チコちゃん」でした。 
 写真は、ベランダで義父の帰りを待つ豆柴のチコちゃんです。クーンクーンと鳴きながら待っています。義父の足音がすると、ぴょんぴょん跳んで喜びを表現します。義父の「孫達のためにも、チコちゃんのためにも、長生きせんば。」という言葉に、思わず涙が出そうになりました。現在は熊本市(旧飽田町)で義父とチコちゃん、大学生の次男の3人で暮らしています。

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「あなたが大切だ」

 

 7月は「命を大切にする心」を育む月間です。全校朝会の校長講話で「命を大切にするって、どうすればいいの?」と子供たちに問いかけました。いろいろと意見が出ましたが、以下の5点を「命を大切にする5カ条」として子供たちみんなで確認しました。

基本は「自分の命は、自分で守る」 
 それを基盤として、
 ①よく食べ、よく運動して、健康な体をつくる
 ②危険なところには、絶対に近づかない
 ③事件や災害から身を守る(危険予測能力と危機回避能力を育む)
 ④交通事故から身を守る(周りをよく見る、車は止まってくれるとは限らない)
 ⑤自分の命と同じように、他の人や動物・植物の命を守る

 先般、文部科学省から「児童生徒の自殺予防について」(通知)が届きました。警察庁・厚生労働省の自殺統計によると、令和2年における児童生徒の自殺者数は499人で、前年(399人)と比較して大きく増加しており、そのうち、女子高校生の自殺者数は209人で、前年(127人)と比較して、特に大きく増加しています。全国における18歳以下の自殺は、8月下旬から9月上旬等の長期休業明けにかけて急増する傾向があります。また、人の目の届きにくいSNSを利用し、自殺願望を投稿するなどした高校生等の心の叫びに付け込んで、言葉巧みに誘い出し殺害するという極めて卑劣な事件も発生しています。学校における早期発見、保護者による見守りの促進が求められています。
 特に「SOSの出し方に関する教育」を含めた自殺予防教育を実施するなどにより、児童生徒自身が心の危機に気づき、身近な信頼できる大人に相談できる力を培うとともに、児童生徒からの悩みや相談を広く受け止めることができるようにすることが大切になります。
  

 上のポスターは、2005年に女優の栗山千明さんを起用し「命の大切さ・コミュニケーションを通して」をテーマとしたポスターで、学校にも掲示されていました。CMでも流れていました。人間は誰しも相互の「関係性」の中で生きています。それを回りくどく表現するのではなく、静かな、しかし確かな心の叫びとしてずばりと表現しています。

 命の尊(とうと)さを
 何千何万回 言われるよりも
 「あなたが大切だ あなたが必要だ」
 と 近くにいる あの人が
 ただ1回 言ってくれるだけでいい
 ただそれだけで
 今日を 明日を 生きていける

 この「誰かに必要とされている」「大切に思われている」という認識は、人が、人として「生きていく」土台となるものです。子供も、大人も、誰でもそうです。
 子供たちには「あなたたち一人一人が、かけがえのない大切な存在です。家族や友だち、先生達、地域の方々を初め、動物や植物からも『あなたが大切だ、必要だ』と思われているんですよ」ということを伝えました。

交通事故から守る

 6月28日、千葉県八街市で下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込んで児童5人が死傷するという痛ましい事故がありました。
 事故現場に花を供えに来た人たちは「すれ違う時に道幅がだいぶ狭いので車が寄ってきて、いつ歩行者に接触してもおかしくないと感じていた。危ないけれどそれが当たり前になっていた。ガードレールを設けるなど安全対策を取ってほしいし、亡くなった児童と親が本当に不憫だ」「子供たちには痛かったねというお悔やみの言葉しかない。この道はスピードを出す車が多い。運転者のモラルが改善するようになってほしい」「自分にも2歳の子供がいるので残された親の気持ちがよくわかる。幼い子供たちの未来が奪われて悔しい気持ちだ」と涙ながらに話されていました。

 「道路が狭い」「交通量が多い」「スピードを出す車が多い」「見通しが悪い」という事故が起こりやすい道路(危険箇所)は姫戸町にもあります。学校でも交通指導員の方々や保護者の皆様と協力して、通学路の安全管理を促進するとともに、危険箇所については市に依頼し早急な対応をお願いしていきます。「危険だ」と思われる箇所に関しては、すぐに学校までご連絡ください。

おかげさま

 日曜日の明け方、久しぶりに祖母の夢を見ました。
 私には、百歳の天寿を全うした祖母がいました。若くして連れ合い(祖父)を病気でなくし、女手一つで子ども二人(母と叔父)を育て上げた肝っ玉ばあちゃんです。

 教師だった祖母の影響を受けて、私も同じ道を選びました。
 ばあちゃん子だった私は、祖母の布団に潜り込んで聞く「昔話」を楽しみにしていました。愉快な話、訓話、不思議な話、怖~い話などいろんな話をしてくれるのですが、どんな話も最後は決まって「神様、仏様、世間様のお陰さまで」で締めくくります。

「おかげさま」    上所(かみどころ) 重助

夏が来ると 冬がいいという

冬になると 夏がいいという

ふとると やせたいという

やせると ふとりたいという

忙しいと 閑(ひま)になりたいといい

閑になると 忙しいほうがいいという

自分の都合のいい人は よい人だとほめ

自分に都合が悪くなると 悪い人だと貶(けな)

借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる

世帯を持てば 親さえも邪魔になる

衣食住は昔に比べりゃ天国だが 

上を見て不平不満に明け暮れ

隣を眺めて愚痴ばかり
 
どうして自分を見つめないのか

静かに自分を見るがよい

一体 自分とは何なのか

親のおかげ 先生のおかげ

世間様のおかげの塊(かたまり)が自分ではないか

つまらぬ自我妄執(もうしゅう)を捨てて

得手勝手を慎んだら 

世の中きっと明るくなるだろう

おれが おれが を捨てて

おかげで おかげで と暮らしたい     ※一部省略
     

     ※妄執(心の迷いによる執念) 
     ※得手勝手(他人のことは構わず、自分の都合のよいことばかり考えること)

 ふと目にとまった詩です。祖母の昔話と「お陰様で」という口癖を思い出しました。
 スイカを切っても、いつも切れ端しか手に取らない祖母でした。熊本の病院に見舞いに行っても、すぐに「はよ帰らんな」と帰りの道中を心配する祖母でした。
 思い通りにならないのが世の中。身勝手は人の常。十人十色、いろんな考えの人がいて、いろんな価値観が混在しているのも当然のこと。周囲に対しての不平不満を口にするよりも「お陰様で」と感謝しながら日々を生きる方が、自分の心も楽になるし、周囲にも迷惑がかからない。祖母の昔話と同じように、この詩もそんなことを告げているのかも知れません。

 柔らかい祖母の手を、また触りたいと願った日曜日でした。

姫戸の誇り! 登校見守り隊

 姫戸小に赴任してまず驚いたのは、交通指導員の方々の存在です。雨の日も、風の日も毎日、子供たちの登校を見守っていただいています。「○○ちゃんが来ていない」「○○くんが元気ないな」とすぐに気づいて子供たちに声を掛けてくださいます。私も多くの学校を回ってきましたが、「地域の子供は地域で育てる」という気概に満ちた活動を地道に継続されている地域は、他にそうありません。 

  そんな郷里の子供たちを心から大事にされている交通指導員の皆様に対して、学校と保護者・児童の全員で、以下の3点をしっかりお約束できたらと思います。

①真心は、真心で返す。心を込めて「おはようございます。」「ありがとうございます。」 

②決められた通学路を通る。トンネルを通る場合は、横断歩道等で立ってらっしゃる指導員さんに一声、連絡する。

③大雨、暴風、病気、怪我等以外は、できるだけ自分の足で登校する。

 10年後、20年後、30年後の「ふるさと姫戸」の姿を描きながら、いまの私たちの感謝の気持ちを「カタチ」にしましょう。 

星の話を、一つ

     

夏の夜、頭の真上に近いところに明るい星が3つ見えます。

こと座のベガ、わし座のアルタイル、白鳥座のデネブです。

この3つの星を結ぶと、大きな三角形ができます。これを「夏の大三角」といい、この三角形の中を天の川が流れています。

七夕の夜に、「おりひめ」が天の川を渡って、「ひこ星」と一年に一度だけ会うことができるという伝説がありますが、「おりひめ」はベガ、「ひこ星」はアルタイルのことです。

雨のために天の川が氾濫し、会うことができない2人の前に、かささぎ(鳥)の群れが飛んできて、翼と翼をつなげて橋を作り、「おりひめ」を「ひこ星」の待つ向こう岸に渡したという結末は、とてもロマンティックですね。

ご家族で星空を眺めてみてください。

いじめは絶対に許さない

 県教育委員会が児童生徒に向けて行う「心のアンケート調査」も、最近は様変わりしました。質問内容に「自由に使えるスマートフォンやパソコンを持っていますか?」「裏サイトって聞いたことがありますか?」「裏サイトを読んだり、書き込んだりしたことがありますか?」という質問が付け加わっています。
 裏サイトというのは、ネットがつながるパソコンやスマホで利用できるホームページのことで、「○○学校の○○ちゃん、ムカつくよね。」「その子、知ってる。なんかフザケンなって感じよね。」といった悪口がびっしり書き込んであるそうです。世も末です。
 このような個人名をあげた誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)の書き込みなど、最近の「いじめ」は以前にも増して陰湿になりました。匿名性を悪用した「顔の見えない悪口」の言いたい放題。言われた方はたまりません。怒りをどこへももって行けない分、傷口はより深く広がります。まともな神経では生きにくい世の中になりました。
 いじめを苦に、子供が自ら命を絶つという痛ましい事件は、依然として後を絶ちません。一連の報道に心を暗くされると同時に、「我が子は大丈夫だろうか」と危機感を感じていらっしゃる保護者も多いことと思います。
 「いじめ」の定義は、「①自分より弱いものに対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの」とされていますが、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた子供の立場に立って行うことに留意する必要があります。また、いじめは、どの子にも、どの学校でも起こり得るものという認識を持ち、子ども達の心のサインを見逃すことなく、早期発見早期対応に努めることがとても大切になります。
 姫戸小学校でも「いじめを絶対に許さない」という共通理解のもと、担任をはじめ全職員で、子供たちの生活の様子を観察し、情報交換し、対応を図るという組織的な指導を行っています。また、いじめを受けた子供が「誰かに話す」という行動がとれるように、信頼関係の構築と共感的人間関係づくりに努めているところです。
 ただ、このような学校の取組も、家庭との「連携」なくしては、その効果も十分には期待できません。家庭教育は、善悪の判断や正義感、道徳心、他人への思いやりなどを育むための「基盤」です。まず何よりも、親と子が深い愛情と信頼で結ばれていること。その絆こそが、子供の明日への元気を築くものです。食事をしながら、買い物に行く車の中で、お風呂で背中を流しながら、綺麗な星空を一緒に眺めながら、お子様にいろいろ尋ねてみてください。学校のこと、友達のこと、勉強のこと、ハマっているゲームのこと、楽しいと思っていること、嫌だなと思っていること‥。
 そして、ちょっとでも心配に思われることがありましたら、すぐに担任までご連絡ください。互いの情報を交換し、知恵を出し合い、力を合わせて問題解決に向けて取り組んでいきましょう。保護者と学校は、その子の幸せを願う「最高のパートナー」です。

あったかい気持ち

 先日、帰り道に二間戸のスーパーに立ち寄りました。今晩のおかず何にしようかなと店内を歩いていると、可愛い一年生の女の子とパッと目が合って、お互いに手を振りました。

 すると、しばらくして 「恥ずかしかったようで、校長先生にきちんと挨拶ができなかったみたいです」 と、お父さんが笑顔で娘さんの手を引いて声をかけてくださいました。 
 ヘルメット姿でしたので、親子でサイクリングの途中だったのでしょう。心の通った暖かい親子関係と、その中にもいっぽん、筋が通ったご家庭の躾(しつけ)を垣間見て、「さすがだな」と感心するとともに、心がほんわりとあったかくなりました。

   ※写真は姫戸町二間戸の竹本健朗さんが育てられている「花菖蒲」。きれいですね。

第一回学校運営協議会(ひめっ子すくすく会議)を開催しました!

 姫戸地区の保・小・中で設置しています「学校運営協議会」(ひめっ子すくすく会議)を、先日6月16日(水)に姫戸小学校を会場に開催しました。

 学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)は、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める法律(地教行法第47条の5)に基づいた仕組みです。姫戸地区は何年も前からこの制度に取り組まれている、全国でも例を見ない先進地域です。学校運営協議会の主な役割として、

 ○ 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する

 ○ 学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる

 ○ 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる

の三つがあります。学校運営協議会では、子供たちがどのような課題を抱えているのかという実態を共有するとともに、地域でどのような子供を育てたいのか、何を実現したいのかという目標・ビジョンを共有するために「熟議(熟慮と議論)」を重ねることが大切になります。熟議により、子供たちに関わるより多くの方の意見を取り上げることができます。本年度は会長に深谷千惠様(姫戸ひかり保育園長)を、副会長に田中道範様(子供会連絡協議会長)を推薦いただき、上天草市教育委員会から委嘱された委員20名で活動を進めて参ります。

 「まなび部会」では、①コロナウィルス感染症拡大防止を徹底しながら、地域と子供の交流の場を創造する。②地域学校協働活動推進員のコーディネートにより学校行事等への協力も含め、普段の授業への地域住民の参加・サポートを図る。

 「こころ部会」では、①親も、子も、地域も一体となった「あいさつ運動」を展開する。②地域の文化継承の場を確保する。

 「からだ部会」では、①肥満にならない体づくりを、家庭・地域に啓発する。②家庭と連携して、子供にメディアコントロール力を育成する。

など、それぞれの部会の活動の方向性が示されました。今後、「熟議」を重ねながら、具体的な活動を推し進めていきたいと思います。

 

その気持ちをカタチに

 

行為の意味
          宮澤 章二

あなたの心はどんな形ですかと
人に聞かれても答えようがない
自分にも 他人にも心は見えない
けれど
ほんとうに見えないのであろうか

確かに心はだれにも見えないけれど
心づかいは見えるのだ
それは
人に対する積極的な行為だから

同じように
胸の中の思いは見えないけれど
思いやりは見えるのだ
それは
人に対する積極的な行為なのだから

あたたかい心が
あたたかい行為になり
やさしい思いが
やさしい行為になるとき
「心」も「思い」も 
初めて美しく生きる
それは
人が人として生きることだ

 

 今年は熊本地震から5年、東日本大震災から10年といった節目が重なりました。熊日新聞の「取材前線」のコラムで、阪神大震災発生から26年間取材を続けているというベテラン記者の「5年以降は急速に風化が進む。取り残される被災者や目の届かない苦しみにどう光を当てるか、報道の力量が試される」という言葉が載っていました。災害の多発する今、我々学校現場でも、災害の「教訓」を学び直し、防災や避難行動、心のケア、記憶の伝承など幅広く取り組んでいく必要があります。
 

 心はだれにも見えないけれど

 心づかいは見える

 思いは見えないけれど

 思いやりはだれにでも見える

 その気持ちをカタチに

 2011年3月11日の東日本大震災が発生以降、 ACジャパンのCMで流れていました。これは詩人で作詞家でもある 宮澤章二(みやざわ しょうじ)さんの「行為の意味」という詩から引用されたものです。
 姫っ子の一人一人が、純粋で誠実な心や思いを持っています。日頃の学校生活の様子や、保護者や地域の方との関わりを見ていても、それが分かります。その心や思いを行動に表すことで「心づかい」や「思いやり」という目に見える「カタチ」になります。自分から真心込めて挨拶をすること、友達の大切な名前に「さん」をつけること、後に使う人のためにトイレのスリッパを並べること、困っている人に声をかけること、決して意地悪をしないこと‥。 

 6月は「心のきずなを深める月間」です。相手の気持ちになって考えることの大切さに気づき、どうしたら「心づかい」や「思いやり」といった目に見える積極的な「行為」がとれるようになるのかを、一緒に学んでいきましょう。

大きな、大きな感動をありがとう!!

 心配された雨も子ども達の情熱で吹き飛ばし、予定通り5月16日(日)に姫戸小中学校合同体育大会を開催することができました。PTA体育委員さんを中心に、早朝から児童生徒・保護者・職員総出でグランドの水抜きを行い、運動靴を泥だらけにしながらも、予定より僅か10分遅れの開会式でした。 
 気迫のこもった赤白応援合戦をスタートに、徒走、リレー、表現、綱引きと、あっという間の3時間でした。子ども達は、まさに「全身全霊」(体育大会スローガン)の大活躍でした。短い練習期間にもかかわらず、朝夕と寸暇を惜しんで練習を重ねた応援演舞、鬼滅の刃ダンス、よさこいソーラン節等々、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

 姫っ子はすごい!!

 

体育大会に向けて、みんな頑張ってます!

6年生をお手本に、1年生もぴしっと!

 来る5月16日(日)の姫戸小中学校合同体育大会に向けて、暑さにも負けず、風にも負けず(今日は砂埃を巻き上げる強風でした)、みんな真剣に練習に取り組んでいます。さすが「姫っ子」。

 でも心配なのは、明日から始まるゴールデンウィーク。新型コロナウィルス感染症拡大をどう防ぐかです。若者にも感染しやすいとされる変異株が、熊本でも猛威をふるっています。子ども達にとっても「我慢」のゴールデンウィークになりそうですが、以下の4点に気をつけて過ごしてもらいたいと思います。

ア 換気の徹底

 可能な限り常時換気に努める。こまめに(30分に1回以上数分間程度)窓を全開にすること。

イ 身体的距離の確保

 人との間隔はできるだけ2m(最低1m)を基本とし、身体的距離を確保すること。

ウ マスクの着用

 マスク等の飛沫対策を講じる。また、近距離での会話や大声での発声をできるだけ控えること。

エ 手洗い・うがいの励行 石鹸での手洗いやアルコールを含んだ手指消毒を励行すること。

 

みんな元気な顔で、5月6日にまた会いましょう喜ぶ・デレ興奮・ヤッター!

 

 

児童用の消毒液の寄贈

1月14日(木)姫戸郵便局長・黒木洋治様より、児童用の消毒液を寄贈していただきました。先の見えない苦しいコロナ禍にあり、地域の方からの温かいご支援に、感謝するばかりです。

いきいき芸術体験の実施

転回社の代表である小松野希海さんが来校され、校長室にていきいき芸術体験の見所等を紹介していただきました。実は、小松野さんは私と髙須賀教頭の友人の長女という縁もあり、以前から交流を希望していたのです。校長室では挨拶がわりに、こんな3ショットでお迎えしました。

10月30日 モリンガ茶の寄贈

(株)アマーサの四方田(よもだ)徹 様よりモリンガ茶をいただきました。量にして、本校児童5ヶ月分です。インド産の薬用植物であるモリンガをこの天草の地で拡げたいという強い思いで、14年前から姫戸町で栽培されています。県内でも珍しい薬用茶で美容や健康等多くの効用が期待されています。コロナやインフルエンザへの予防にも効果が期待でき、大変喜んでいます。

10月22日 EM菌の寄贈

パールライオンズクラブの 山口 卓 様よりEM菌を寄贈していただきました。毎年環境浄化活動の一環として、上天草市内の学校に配付され、プール掃除や環境整備等に活用しているところです。ありがとうございました。

PTA愛校作業のお礼

8月23日(日)にPTA愛校作業が行われました。体育大会に向けて、運動場がきれいに整備され、8月25日からの練習が気持ちよく実施できることを大変嬉しく思います。ありがとうございました。

ザリガニの部屋の設置

6月1日の学校再開に併せて、1階の踊り場に「ザリガニの飼育コーナー」を設けました。1・2年生が休み時間に観察しに来てくれます。今は校長が面倒を見ていますが、いずれは子どもたちがお世話してくれるでしょう。ザリガニのへや

児童玄関の【夢】ギャラリー

児童玄関には、子どもたちの夢を育む掲示コーナーを設けています。私の手作りです。題して、姫戸小【夢】ギャラリー。今年の合い言葉はもちろんのこと、【夢】に関する本や資料、知能アップのクイズ等を置いてあります。いつでも手にとって見ることができます。【夢】ギャラリー

感謝! 心温まる「EM菌」の寄贈

パールライオンズクラブの 山口 卓 様が来校され、EM菌を寄贈していただきました。環境問題が大きく叫ばれる中、環境浄化活動の一環として注目されているEM菌。壁についたヘドロやアオサを取り除いてくれる優れもの。プール掃除が楽になります。