御船小ニュース

御船小学校 こどもたちの活動の様子

スタートは子どものうち

「2018年といえば?」と問われ、「尋常ではなかった夏の暑さ」を思い浮かべる人は少なくないと思います。そんな今年も残すところあと2か月です。御船小学校では、以前にも増して、休み時間や放課後に外遊びをする児童が多くなりました。過ごしやすい気候になったとも受け取れますね。中でも、特に人気が高い遊びが「一輪車」です。乗っては転び、を繰り返す児童たちですが、あきらめる子を見かけることは滅多にありません。「怖い気持ち」と「乗れるようになりたいという気持ち」を半分ずつかかえ、練習を積み重ねています。いつの間にか乗れるようになり、行きたい場所へ笑顔で向かったり、友達と手をつなぎながら2台で進んだりする姿は見ものです。

実際のところ、一輪車に乗れるようにならなくても、大人になって特に困ることはありません。ですが、大人になってから一輪車にチャレンジしても、なぜか子どもたちのように上手くはいかず、「子どもの頃にやっておけば良かった」と思ってしまうので、不思議です。

ところで、日没が早くなってきました。御船小では10月以降の帰宅時間は17時となっており、児童と約束しています。景色が薄暗いと、車や障害物に気づきにくくなり、事故に巻き込まれる可能性が一気に高まることは言うまでもありません。「約束を守ることの大切さ」、このことは一輪車の話とも似ています。子どものうちから約束を守ることを常態化することで、大人になってから「きちんとやっていてよかった」と、思える日がきっとくるはずです。

集団宿泊学習のご報告☆

本校5年生が行った2泊3日の集団宿泊学習の様子についてご紹介します。今年も例年通り、あしきた青少年の家(葦北郡)、環境センター(水俣市)、水俣病資料館(水俣市)を中心に活動しました。1日目はあしきた青少年の家にて、ペーロン船の体験やナイトハイクをしました。ペーロン船体験では一つの学級で一隻のペーロン船に乗り、声を揃えて精一杯漕ぎました。出だしは好調ですが、疲労は確実に蓄積し、少しずつ掛け声が減っていきます。そんな時、励まし合ったり、元気が残っている児童が友達の分まで声を出したりするなど、個々の学級の絆が見られました。

2日目は他の小学校の児童と、レクリエーションを通して交流しました。「5人のグループを作りましょう。」という指示に対し、はじめは同じ小学校の友達としかグループが作れなかった児童たち。徐々に、勇気を振り絞ってお互いのグループに誘うようになり、終盤になると、多くの児童が「心の垣根」を取り払い、交流を楽しむことができました。

3日目は水俣病について学習をしました。水俣病についての正しい認識を図り、差別の現状に触れました。語り部の方による「生」の声を聞いたことで、自分のすぐそばに差別が存在していることを実感した児童たち。「自分に何ができるか」、「自分の心にある差別」等、自身の在り方を見直す機会となりました。

今回の集団宿泊の中で特に大事にしたことが“5分前行動”です。5年生の全児童が、徹底しようと3日間努めていました。「人の資質は、自らの中にある基準に現れる」という言葉があります。集団宿泊の前後で、「自らの基準」がグンと高まった5年生でした。


 

深まる“自分らしさ”

「なかまはたから」(矢野あきら作詞・作曲)という歌の中にこんなフレーズがあります。

“もしも君の友達が笑顔をなくしてしまったら”

この後に続くフレーズは、どんな言葉だと思いますか。

10月4、5日に「なかよしキャンプ」がありました。なかよしキャンプとは、上益城郡の小学校特別支援学級に在籍する児童を対象として行われる宿泊学習の呼称です。主な内容として、山都町の通潤橋周辺を探索したり、夜のつどいやハイキングを通して他校の友達と交流をしたりします。何よりも大きな特徴は、二日間の活動班が別の小学校の児童と「混ぜてある」という点です。ほとんど話をしたことのない友達と、寝食を共にする他、時間やルールについてお互いに声を掛け合ったり、何気ない話で盛り上がったりします。その積み重ねの中で、自然と仲が深まる様子が見て取れます。相手に対する心の隔たりを払うことは、大人よりも子どもの方が上手なのかもしれない、とさえ感じます。

なかよしキャンプで児童が学ぶことは、大きく2つあります。1つは、身の回りの準備や片付け等の基本的生活についてのスキルとノウハウとです。そしてもう1つは、自分に合ったコミュニケーションの仕方です。他者とのやりとりに“決まったパターン”は存在しません。自分の性格や経験を素地として、言葉や話題を選んだり、無理なく相手の意見に賛同したりするものだと思います。今回のなかよしキャンプで、上記のことを身につけ、多くの仲間を得た子どもたち。

“もしも君の友達が笑顔をなくしてしまったら”

この後に続くフレーズは、子どもたちによって様々であり、これからも少しずつ広がることでしょう。

 

修学旅行へ!

6年生の修学旅行の様子をご報告します。今年も1泊2日で向かった長崎。1日目は熊本港からフェリーに乗り、島原港へと向かいました。乗船中はほとんどの児童がデッキで過ごし、遠くの島を指さしたり、すれ違う別の船を見つけて手を振ったりするなど、ウキウキしている気持ちが伝わりました。

午後は長崎市で平和学習をしました。具体的には、平和公園周辺を「さるくガイド」の方とともに歩き、戦争当時の町の様子について説明を受けました。如己堂、山里小学校、浦上天主堂等を歩く中で、戦争の悲惨さと平和の尊さを各々で感じ取った子ども達。原爆落下中心地のもとで行った平和集会の中で、平和への誓いを新たにしました。

 無窮洞(佐世保市)の見学からスタートした2日目。無窮洞とは、戦時中に官村国民学校の教師と子どもたちが彫った巨大な防空壕のことです。生徒500人が入るという広さの防空壕の中には、教室や書類庫があります。「空襲の中で、命を守りながらも勉強を続けたい」という強い気持ちが実現させたものであり、本校の児童はただただ驚くばかりでした。

いよいよ最後は、待ちに待ったハウステンボス。班の仲間とともにたくさんのアトラクションを回り、大満足の子どもたちでした。事前に、それぞれが体験したいアトラクションについて意見を出し、話し合って決めたことが、楽しさの秘訣だったようです。お土産もたくさん買って、楽しい思い出を胸に、無事に修学旅行は終了しました。

「平和の原点は、相手の痛みがわかること」これは、原爆資料館の中で、語り部の方が講話の中で強調された言葉です。生きていれば、自分と考え方の違う相手と出会うことは自然なことです。そんな時、いがみ合うのか、お互いの考えを尊重した上で、両方が納得できる答えを探すのか。これからの6年生の姿にご期待ください。

 

がんばっています!1年生!

1年生の道徳の授業の様子を紹介します。御船小学校は道徳教育の研究校に指定されており、今年度はその3年目に当たります。毎回児童の実態をもとに、育てたい児童の心や姿を具体的に設定し、様々な手立てを工夫しながら授業を組み立てています。

この日の授業では「ダメ」(出典「あたらしい道徳」東京書籍)という教材を使って学習しました。目指した姿・心は「嫌だった気持ちを、勇気をもって伝える子ども」です。教材の中には「自分よりも強そうな相手に対し、思い切って自分の気持ちを伝える場面」があり、「実際に伝えた後の自分の気持ち」に着目することで、勇気をもって行動することの大切さについて考えました。

1年生からは「気持ちを伝えたから相手がわかってくれた。頑張って伝えて良かったと思う。」という意見が多く出ました。道徳教育は、日常生活の中で生かされてこそ意味があります。本時で学んだことが、今後の児童の姿として表れることを期待しています。