御船小ニュース

カテゴリ:なかよし

今年もしました「暮れの町」

人は「経験」をするからこそ「発見」があり、その積み重ねによって「予想、予測する力」更には「状況を変えようとする力」へと広がるように思います。「こんな言葉を掛けてしまうと、相手の心を傷つけるかもしれない。」「ルールを守らなければ、自分も周りの人も困る。」など、今日も知らず知らずのうちに、私たちは身の周りの情報をもとに、たくさんの予測と判断をしています。

それならばまずは「経験」を、ということで、本校の「なかよし学級」は今月の11日に「暮れの町探検」に行きました。毎年、バスに乗り、熊本市の中心街へ移動し、施設の見学やレストランでの食事、買い物学習をしており、児童から人気の高い学校行事の一つです。

特に今年はNHK熊本放送局を見学しました。大河ドラマをはじめ、人気番組のPR映像や看板を目の当たりにした時に初めて「テレビ局に来たんだ。」という実感が湧いた様子の児童達。それまでの寒さも吹き飛び、大興奮でした。他にも、220インチマルチモニターや公開ライブラリー(過去の番組を自由に見ることのできるブース)など、子どもが喜ぶコーナーがたくさんありました。様々な機器に触れ、感動を友達と共有する時間は、大変有意義であったと言えます。

今回の経験で得られた「発見」とは何か。それは「知っているようで知らない世界が、まだまだ沢山あること」ではないでしょうか。それが今後「もっと知らない世界があるはず」と予想したり、「自分に合う仕事を自分で探してみたい。」と行動したりする力に広がると嬉しいですね。ひょっとすると、今回の経験をきっかけに、「将来テレビ局で働いてみたい。」と考えた児童もいるかもしれません。


深まる“自分らしさ”

「なかまはたから」(矢野あきら作詞・作曲)という歌の中にこんなフレーズがあります。

“もしも君の友達が笑顔をなくしてしまったら”

この後に続くフレーズは、どんな言葉だと思いますか。

10月4、5日に「なかよしキャンプ」がありました。なかよしキャンプとは、上益城郡の小学校特別支援学級に在籍する児童を対象として行われる宿泊学習の呼称です。主な内容として、山都町の通潤橋周辺を探索したり、夜のつどいやハイキングを通して他校の友達と交流をしたりします。何よりも大きな特徴は、二日間の活動班が別の小学校の児童と「混ぜてある」という点です。ほとんど話をしたことのない友達と、寝食を共にする他、時間やルールについてお互いに声を掛け合ったり、何気ない話で盛り上がったりします。その積み重ねの中で、自然と仲が深まる様子が見て取れます。相手に対する心の隔たりを払うことは、大人よりも子どもの方が上手なのかもしれない、とさえ感じます。

なかよしキャンプで児童が学ぶことは、大きく2つあります。1つは、身の回りの準備や片付け等の基本的生活についてのスキルとノウハウとです。そしてもう1つは、自分に合ったコミュニケーションの仕方です。他者とのやりとりに“決まったパターン”は存在しません。自分の性格や経験を素地として、言葉や話題を選んだり、無理なく相手の意見に賛同したりするものだと思います。今回のなかよしキャンプで、上記のことを身につけ、多くの仲間を得た子どもたち。

“もしも君の友達が笑顔をなくしてしまったら”

この後に続くフレーズは、子どもたちによって様々であり、これからも少しずつ広がることでしょう。

 

お祝い会をしました

御船町特別支援学級合同授業「お祝い会」について紹介します。お祝い会は、「御船町の小中学校特別支援学級に在籍する児童生徒の親睦と集団行動の向上を図ること」、「卒業生を励ますとともに、今年度のまとめの会をすること」、「保護者同士で情報を交換し合い、親睦を図ること」の3つを目的として行われる、毎年の恒例行事です。

今年度は2月27日に行われ、主な活動として「御船小3年生との交流及び協同学習」「調理活動」「卒業生を祝う会」「保護者向けの研修会」等がありました。交流及び共同学習ではペアをつくり、自己紹介や風船運びゲームをしました。活動の中で、互いの好きなことや学校の紹介をし合う等、両者とも交流を楽しむ様子が見られました。卒業生を送る会では、卒業生が全体の前に出て、一人ずつ友達や家族への感謝の気持ちを伝えるとともに、今後の抱負を述べました。

これから卒業生たちは、自分の将来に向けてそれぞれの進路先へと進みます。在校生にとって、仲間とのお別れは寂しいですが、今後も活躍していく先輩の姿を見ることで「自分もがんばろう」という気持ちが高まるのではないかと期待しているところです。

 

音訓カルタ

「音訓カルタ」を知っていますか。例えば読み手が「遠い山に遠足に行く」読むと、取り手は「遠』が書かれた取り札を取るというカルタ遊びです。読み句には漢字の音読みと訓読みの両方が含まれていることが大きな特徴であり、遊びながら学習できる側面を持ちます。

先日、なかよしでは3年生を中心にカルタ大会をしました。ただし、この日のカルタ大会は、通常よりも難易度の高いものでした。何と、音訓カルタと九九カルタ(読み手が式、取り手が答え)、ことわざカルタ(読み手が文、取り手が絵)の3つのカルタが融合しているのです。音訓カルタが得意な児童もいれば、ことわざカルタが得意な児童もいます。しかし、「音訓」「九九」「ことわざ」の全ての分野を網羅していなければ、勝利は難しく、取り手の児童は札を逃すと、とても悔しそうにしていました。もしも次回があるならば、それまでに更に力を蓄えて、再び集まることでしょう。

暮れの町探検

毎年12月はじめは「暮れの町探検」があります。暮れの町探検とは、御船町の小中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒を対象にした行事です。主な活動として、公共バスを使った移動、レストランで昼食、買い物学習になります。学校を離れ、クリスマスの飾りで彩られた街中を歩いたり、移動中の景色を眺めたり、子どもたちからの人気は高いです。

 今年と去年までの暮れの町探検を比べて、大きな違いが一つあります。それは活動ごとのめあてを各々で立てたことです。例えばバスの中でのめあてとして「小さな声で話をする」「15分間座ったら、立っている友達に譲る」、レストランでのめあてとして「自分ではっきり注文する」「食べ終わったらトレーの上を整理する」等々。児童を見ていると、自分のめあてを達成するために意識的に行動している様子が多く伝わりました。

 街中を歩いていると「大人になったら、自分だけでここに来て、いろいろな店で買い物をしたいな」と話す児童がいました。「余暇時間の過ごし方こそ、働く意味である」という考え方があるように、今回の行事で得られたこの一言が、今後のキャリア教育にも大きな意味を果たすものになればと願っています。


なかよし畑にて

6月19日、なかよし学級の子どもたちが完成させた「なかよし畑」。それから約半年の月日を重ね、いよいよ、待望の「芋掘り」をしました。土の中に豪快に手を突っ込んではかき分け、サツマイモを探します。それでもサツマイモを傷つけないようにと慎重さも垣間見せた子どもたち。「ありました!ここにもさつまいもが!来て!来て!」「虫の幼虫がおった!こんなところで寝てるんだ!」等、色々な場面に遭遇する度に感動していました。

さて、次回は待望の調理です。サツマイモのビタミンCはリンゴの4~10倍、食物繊維はじゃがいもの2倍と言われています。子どもたちは「焼き芋にしたいです!」「いやいや、今までにないスイーツを開発したいな!」と話しており、心が弾んでいる様子でした。自分たちが育てたサツマイモを、どのような姿に変身させるのでしょうか。なかよし学級の食育は続きます。

やっぱりいいな!なかよしキャンプ!

新たな出会いの度に、これまで知らなかった自分自身の一面に気付くものなのかもしれません。そして、人と交わる度に「人」を知り、自身の在り方を振り返るのではないでしょうか。このことは、先日の「なかよしキャンプ」で目の当たりにした、子ども達の姿から感じたことです。

なかよしキャンプとは、上益城小中学校の特別支援学級に在籍する小4~中3までの児童生徒を対象とした宿泊行事です。山都町の通潤橋周辺を町探検したり、宿泊した「通潤山荘」ではみんなで食事や温泉を楽しんだりしました。

当初、子どもたちから「知らない友達と同じ活動班や部屋班になって、果たして仲良く過ごせるのかな。」「(同じ班が)御船小のメンバーだったら安心するのに。」と不安な様子が見受けられました。それは、他校の児童生徒も同じであったと思います。しかし、なかよしキャンプが始まると、徐々に自分から他校の友達に優しい声調で話しかけたり、相手の話に興味をもって聞いたりする様子が増えました。「どんな話題ならば、多くの友達に楽しんでもらえるか」「身の回りのことを自分できちんとすれば、班活動もうまくいくんだ」等、子どもなりに数多くの工夫や気づきがあったように思います。

気がつけば、色々な学校に多くの友達ができました。終わりの会で寂しそうな表情の子どもたちが印象的でした。なかよしキャンプを終えて、よりたくましくなった子どもたち。来年度のなかよしキャンプが早速楽しみであるようです。


 

あなたはどう映ってる?

メタ認知と言う言葉を知っていますか。簡単に言えば、「自分自身を客観視し、行動や発言をコントロールすること」を意味します。次期学習指導要領においても、要となっている資質・能力の一つです。

本校の特別支援学級「なかよし2組」では、このメタ認知を高めることを視野に入れた自立活動の実践を行っています。例えば、朝の会や掃除など、日常生活の自分自身の様子を録画し、視聴します。すると、見えてくるのは自分自身の課題です。初めは「名前を呼ばれて返事ができていない。」という姿に気づき、学習を深めるうちに「その行動は、相手に対して頼りない印象を与えてしまうかもしれない。」という発見につながります。2~3つの課題を自分で挙げた後は、友達から5つ程「良いところ」を挙げてもらい、自尊心を高めることも、忘れてはいけないポイントです。

「今の自分の発言は、相手にどんな印象を与えるか」「一つ一つの行動を、相手はどう捉えているか」これらのメタ認知は、子ども、大人に関わらず、重要な資質・能力です。様々なアプローチによって、じっくりと力を高めているところです。


さわやかさんサン運動会に向けて

運動会が終わり、特別支援学級「なかよし」では、次の行事に向けた事前学習が始まっています。さわやかさんサン運動会です。さわやかさんサン運動会は、上益城管内の小中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒を対象とした運動会です。参加者が約200人という大規模な行事であり、今年度は、6月9日に甲佐小学校にて行われます。

御船小学校の「なかよし」では、毎日、朝の会の時間に、目標や日程の確認・ダンスの練習などを行い、期待感を高めています。多くの人との交流を深めるとともに、自分のよさを生かして活躍できる貴重な機会です。「初対面の相手との関わり方」「友達の成功を喜ぶ心」「自分自身の得意・不得意の理解」等、多くの学びを得てほしいと思います。

win-win

この日、1年生は学級で1つの、大きなこいのぼりを作りました。しかし、いつもの図工とは違います。それは、作り方の説明や、制作の手助けをなかよし教室の児童2~6年生が担った点です。相手が1年生であることを気遣い、大きな声でゆっくりと説明したり、優しく言葉かけをしたりする姿がありました。そのような姿は、自立活動の6領域のうち、「人間関係の形成」や「コミュニケーション」の視点において、成長につながったと言えるのではないでしょうか。これからも、様々な活動の中で、自分から他者に働きかける力を高めてほしいと思います。