御船小ニュース

2018年11月の記事一覧

ポッと咲く心の花

ボランティアをしたことがありますか。しようと思ったきっかけは、何でしたか。

御船小にも、ボランティアで活躍する児童がいます。この日の昼休みには、黙々と中庭で掃除をする4年生が数人いました。タイルとタイルの間に詰まった土やコケを取り除こうと、膝をつきながら真剣な表情で作業をする子ども達。昼休みなので、友達と遊んだり、読書をしたりするなど、過ごし方は自由です。それにもかかわらず、学校のために時間と労力を注ぐ姿に感心しました。

「どうしてボランティアをしようと思ったのか」を尋ねると、「学校をきれいにしたいからです。」「ボランティアに興味があります。」「友達がやっていたので、ボクもしたくなりました。」など、動機は様々でした。

「誰かがやらなければならない場面」は必ずあります。ですが、何かしらの犠牲を自分が受けるとしたら、思いとどまってしまう経験は誰しもあるはずです。御船小の中庭で一生懸命に手を動かす彼らは、御船小の誇りです。


小さな社会、ここにあり。

写真は全校集会の様子です。この日は図書委員会の児童が前に立ち、図書室の使い方や委員会主体の取組の紹介をしました。主な工夫点は、すべての学年の児童が理解できるように、あらかじめ動画を撮影し、上映しながら解説したことです。一つ一つの場面を細かく劇にしており、楽しみながらマナーやルールの確認ができるようになっていました。「図書室をこんな使い方していませんか。」と問い掛けた上で、「自分の手元に複数の本を確保しながら読書する姿」「自分の都合に合わせてイスを移動させる姿」「おしゃべりをして過ごす姿」などを提示していきます。子どもらしい可愛らしい演技を披露しつつも、選んだ場面は「あるある」と納得できるものばかりでした。

学校は小さな社会です。そして、誰もが社会を構成する大切な要素といえます。その意味では、図書室は絶好の経験の場ではないでしょうか。「できていますか。」と自分自身に問い掛けることから、既に練習は始まっています。

ここでちょっと振り返り

御船小で9月、10月といえば、見学旅行のシーズンに当たります。見学旅行が、児童の学びにとって貴重な機会であることは、言うまでもありません。例えば、日頃の授業で学習したことを、実際の体験や見学によって更に深めることができます。また、集団行動の基礎・基本を会得できることも、見学旅行の醍醐味ではないでしょうか。さて、今年の見学旅行で御船小の児童はどんな力を身につけることができたのか。1~4年生の見学旅行の様子を簡単に紹介します。

1年生は、カントリーパーク(合志市)の食農体験塾でピザやバームクーヘンを作りました。自分が作ったピザを、昼食として食し、「これはおいしい!」「もし食べない人がいたら、ボクにちょうだい!」と、すべての児童が大喜びでした。

2年生は、ミルク牧場(阿蘇郡西原村)にて、動物との触れ合い体験や乳牛の乳搾り体験をしました。犬や馬に触れることが初めての児童もおり、おそるおそる触れ、初めての感覚に出会った瞬間の表情が印象的でした。また、ここでもアイスクリーム作りを体験し、格別の味だったようです。

3年生は、「仕事調べ」の一環として、フードパル(北区貢町)にてウインナー作りの見学、更に、河地町では、みかん狩りを体験しました。ウインナー作りにも、みかん狩りにも、それぞれにコツや豆知識があり、多くの知識や技能を身につけることができました。学校に帰ってからも、異学年の友達に対して、誇らしげに話す3年生です。

4年生は、清和文楽館(清和町)や通潤橋(山都町)を訪れました。「郷土愛」をテーマとして、じっくりと事前学習を重ねてきた4年生。写真でしか見たことがなかった「実物」が目の前に表れると、どの児童も感動していました。それぞれの場所で、職員の方々から丁寧な説明をして頂き、充実した一日を送ることができました。

「見学旅行での出来事や感想を、是非お家の人に話してください。」本校の学校長が、児童に必ず掛ける言葉です。自分の言葉で話すことで、体験したことと、自分の考えが整理されます。また、家族の「真ん中」となって話すことで、心も育ちます。学校と家庭とで、見学旅行を120%生かせたら、素敵ですね。

《 カントリーパークhttp://www.country-park.jp/ 》
《 ミルク牧場 
http://aso-milk.jp/ 》
《 フードパル 
http://www.foodpal-kumamoto.jp/ 》
《 清和文楽館 
http://seiwabunraku.hinokuni-net.jp/ 》



スタートは子どものうち

「2018年といえば?」と問われ、「尋常ではなかった夏の暑さ」を思い浮かべる人は少なくないと思います。そんな今年も残すところあと2か月です。御船小学校では、以前にも増して、休み時間や放課後に外遊びをする児童が多くなりました。過ごしやすい気候になったとも受け取れますね。中でも、特に人気が高い遊びが「一輪車」です。乗っては転び、を繰り返す児童たちですが、あきらめる子を見かけることは滅多にありません。「怖い気持ち」と「乗れるようになりたいという気持ち」を半分ずつかかえ、練習を積み重ねています。いつの間にか乗れるようになり、行きたい場所へ笑顔で向かったり、友達と手をつなぎながら2台で進んだりする姿は見ものです。

実際のところ、一輪車に乗れるようにならなくても、大人になって特に困ることはありません。ですが、大人になってから一輪車にチャレンジしても、なぜか子どもたちのように上手くはいかず、「子どもの頃にやっておけば良かった」と思ってしまうので、不思議です。

ところで、日没が早くなってきました。御船小では10月以降の帰宅時間は17時となっており、児童と約束しています。景色が薄暗いと、車や障害物に気づきにくくなり、事故に巻き込まれる可能性が一気に高まることは言うまでもありません。「約束を守ることの大切さ」、このことは一輪車の話とも似ています。子どものうちから約束を守ることを常態化することで、大人になってから「きちんとやっていてよかった」と、思える日がきっとくるはずです。

集団宿泊学習のご報告☆

本校5年生が行った2泊3日の集団宿泊学習の様子についてご紹介します。今年も例年通り、あしきた青少年の家(葦北郡)、環境センター(水俣市)、水俣病資料館(水俣市)を中心に活動しました。1日目はあしきた青少年の家にて、ペーロン船の体験やナイトハイクをしました。ペーロン船体験では一つの学級で一隻のペーロン船に乗り、声を揃えて精一杯漕ぎました。出だしは好調ですが、疲労は確実に蓄積し、少しずつ掛け声が減っていきます。そんな時、励まし合ったり、元気が残っている児童が友達の分まで声を出したりするなど、個々の学級の絆が見られました。

2日目は他の小学校の児童と、レクリエーションを通して交流しました。「5人のグループを作りましょう。」という指示に対し、はじめは同じ小学校の友達としかグループが作れなかった児童たち。徐々に、勇気を振り絞ってお互いのグループに誘うようになり、終盤になると、多くの児童が「心の垣根」を取り払い、交流を楽しむことができました。

3日目は水俣病について学習をしました。水俣病についての正しい認識を図り、差別の現状に触れました。語り部の方による「生」の声を聞いたことで、自分のすぐそばに差別が存在していることを実感した児童たち。「自分に何ができるか」、「自分の心にある差別」等、自身の在り方を見直す機会となりました。

今回の集団宿泊の中で特に大事にしたことが“5分前行動”です。5年生の全児童が、徹底しようと3日間努めていました。「人の資質は、自らの中にある基準に現れる」という言葉があります。集団宿泊の前後で、「自らの基準」がグンと高まった5年生でした。