学校だより

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スマホの向こう側

 熊日新聞に月1回掲載される「スマホの向こう側~子どもたちの今」。熊本市立帯山中学校教頭で公認心理師の田中慎一朗先生が執筆されています。
 SNSが普及してからネット上でのコミュニケーションが常識となった現代では、実際に直接顔を見合わせてコミュニケーションを取らなくてもSNSというプラットフォーム上で簡単に手軽に交流ができるのが、現在の「友人関係」の一つとなっています。しかし、その便利さの中に潜む「闇」「いじめ」「悩み」について、最近の若者達の実態や心理、大人として果たす役割等を具体的に、分かりやすく記載されています。 (最新は6月24日朝刊に掲載。是非ご一読ください。)
 みなさんは「リア友(とも)」「ネッ友(とも)」という言葉を聞いたことがありますか。リア友とは、実生活で交流がある友人で、ネッ友とは、インターネット上のメディアを通じて親交があるものの、現実世界では接点がなく交流を持たない友人だそうです。若者の間で広がったネット用語で、「今時」の人間関係を象徴しています。
「SNSが炎上」「Lineのグループで仲間外れにする」「写真をアップした結果、交友関係でトラブルが」など、ネット上でトラブルやいじめが頻発する昨今の状況に、以前に比べて「本音」を言うことに対して躊躇(ちゅうちょ)してしまう子どもが多くなったように思います。
 直接対面で攻撃されるより、ネット上で間接的に攻撃される方が「えっ、君も?」など信頼関係にダメージを受け、誹謗中傷が拡散していつまでも残り続けるなど、簡単には解決できない、後味の悪いものになります。
 その結果、自分のことを知らない、もしくは対面したことがあっても、ネット上でしかコミュニケーションを取らないような「ネッ友」の方が、気軽に「付き合いやすい」と感じる子どもが増えているようです。「すぐ返信してくれる」「同意してくれる」「自分に相談してくれる」「いつもつながっている」といった「安い共感」によって寂しさを埋める存在を、ネットで「漁っている」現状がうかがえます。
 親から「誰とでも仲よくしなさい」と言われて育った我々世代は、共感だけ得ても自己伸長できない、違った意見や異質なものを受け入れて「上手に」「うまく」付き合っていきなさい、という教えを叩き込まれたように思います。 
 しかし、メール・line・SNSのダイレクトメッセージ機能といったインターネットで、声を出さずに連絡がとれる社会となった現代は、言い換えれば「24時間、人とのコミュニケーションを強要される時代」(これはツラい!)とも言えます。真に人と人の絆を強くしていくためには、ネット社会に生きるためのルールやマナー、場合によっては厳罰化といった法整備が必要となります。  
 一緒に考えていきましょう。

外では、マスクをはずしましょう!

 熱中症防止の観点から、基本的に「外」での活動ではマスクをはずすように指導します。  

◯登校時、下校時はマスクをはずします。
(でも、顔を近づけて話さないことが大切!)
◯外で行うパワーアップタイム、体育の授業ではマスクをはずします。
◯外遊びや野外活動ではマスクをはずします。
◯単学級で活動する場合は、体育館でもマスクをはずします。

 まずは職員が、外ではマスクをはずしてみせることで周知を図ってまいります。しかし、コロナ感染症への恐怖感から、マスクをはずすことに抵抗感がある児童に関しては、十分に配慮して支援いたします。

第1回学校運営協議会を開催しました!

 姫戸小・中学校で設置しています「学校運営協議会」を、6月15日(水)に中学校を会場に開催しました。学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)は、学校と保護者、地域の皆さんが共に知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子ども達の豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める法律(地教行法第47条5)に基づいた仕組みです。 姫戸地区は何年も前からこの制度に取り組まれている、全国でも例を見ない先進地域です。学校運営協議会の主な役割として、
○ 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する
○ 学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる
○ 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる
の3点があります。協議会では、子ども達の実態と、抱える課題を共有するとともに、地域でどのような子供を育てたいのか、何を実現したいのかという目標・ビジョンを共有するために「熟議(熟慮と議論)」を重ねることが大切になります。
 ここ2年間は、コロナにより授業参観や学校行事等への案内ができませんでしたが、感染対策を図り、少しずつ従来の姿に戻していこうと思います。
 会長に 深谷 千惠 様を、 副会長に 田中 道範 様を推薦いただき、計20名で活動を進めてまいります。

「声」をそろえる

 6月の校長人権講話のテーマは「あいさつ」。皆で「声」を揃えるということ。意識は向上してきましたが、なかなか揃わない「おはようございます」。

 子ども達によると、「地域の方や保護者の皆さんの見守りには、とても感謝している」「でも、自分が率先して大きな声はちょっと‥‥恥ずかしい」「班の誰かが大きな挨拶をしてくれれば、自分も言える」という素直な本音が聞かれました。

 この「あいさつ」のことは、先日開催した学校運営協議会でも話題になり、委員の皆様からは「子どもの明るい挨拶や笑顔は、私たちの元気の源です」「大人から先に挨拶するようにしている」「下校時は、おかえりって声をかける」
「次第に挨拶の声が大きくなってきています」というご意見をいただきました。
 子ども達に今後どうしたいのかを尋ねると、登校班毎の話し合いの結果、「もっと元気よく挨拶したい!」ということで意見がまとまり、各班の担当職員も交えて、4月の交通安全教室で行った横断の訓練を、今回は「あいさつ」や「声を揃える」を意識して再度、練習し直すことになりました。

 高学年だから率先して大きな挨拶をしなければ、ということではありません。学年にかかわらず、一人一人に「もうちょっとの勇気」「自分を変えるチャンス」「想いは、言葉や態度で伝える」という意識の高揚をねらいとしました。
 6年生のみんなが自主的に、「あいさつ、あつまり、あとしまつ、ありがとう」の「4つのあたりまえ」の大切さを訴える動画を制作してくれました。随所に「自分たちがまず実践しよう」「しっかり後輩たちに伝えよう」という意欲と工夫が溢れています。姫戸小学校HPに掲載しております。6年生や大谷先生の熱き想い、真剣さ、誠実さがひしひしと伝わる素晴らしい動画です。姫小の宝物が、また一つ増えました。ありがとうございます。皆さん、是非ご覧ください。(←メニューの「動画」をクリックして下さい。)

みどりのそよ風

 「みどりのそよ風」   清水かつら

みどりのそよ風 いい日だね
蝶ちょもひらひら 豆の花
七色畑に 妹の
つまみ菜つむ手が 可愛いな

みどりのそよ風 いい日だね
ぶらんこゆりましょ うたいましょ
巣箱の丸窓 ねんね鳥
ときどきおつむが のぞいてる

 日本を代表する童謡詩人である清水かつらは、明治31年に東京都で生まれ、関東大震災後、埼玉県和光市に移り生涯を送りました。東武東上線・和光市駅前には、清水かつらが作詞を手掛けた『叱られて』、『靴が鳴る』、『みどりのそよ風』の歌詞が刻まれた歌碑が建立されています。武蔵野の自然と子どもの純真さを愛して作詩した数々の童謡は、今も変わらず人々に親しまれています。
「叱られて」(あの子は町まで お使いに この子は坊やを ねんねしな)
「あした」(おかあさま 泣かずにねんね いたしましょ)
「靴が鳴る」(おててつないで 野道を行けば)
「雀の学校」(チイチイパッパ チイパッパ♪)
「おむすびころりん」(おむすび ころりん すっとんとん♪)  など、多くの作品を世に出しました。

 木々の緑が、一層鮮やかさを増してまいりました。木立の中にいますと、朝の透き通った木漏れ日に様々な野鳥のさえずりが響き渡ります。
 5月21日は二十四節気でいう小満(しょうまん)。小満とは自然界のすべてのものが次第に満ちてくることをいいます。生き物が成長し万物に生気が満ち、果実は実り、草木は繁るという時期を意味するといいます。6月6日は芒種(ぼうしゅ)。イネなどの芒(のぎ)のある作物の種をまく時節というところから芒種といわれます。現在の田植えの時期は随分早まりましたが、昔の田植えの時期はこの頃であったようです。

 ところで、この青葉の今の時期を呼ぶ名に「麦の秋」という言葉があります。「麦秋(ばくしゅう)」「麦秋(むぎあき)」などともいわれます。麦という植物が黄金の穂をたわわにつけ収穫の時期を迎えるのが5月下旬~6月初旬の初夏であるため、麦にとっての「秋」(=麦の収穫時期)という意味から「麦秋」という季節の呼び方が生まれたようです。青葉が盛んに繁り、稲の苗代に若い苗が育つこの時期、麦は早くも収穫の時期を迎えます。日に輝く黄金色の穂は美しく、麦畑を風がわたるときの乾いた音は耳に心地よいですね。

 麦の秋あからあからと日はくれぬ  正岡子規 (まさおか・しき)

 正岡子規の故郷である愛媛県は裸麦の生産が盛んな地域です。青空の下に金色の穂が輝き、爽やかな風に揺れる光景は、見とれるほどの豊かな景色です。