学校だより

学校だより

新しき朝の光のさしそむる 荒野にひびけ 長崎の鐘

 長崎の被爆者の救済に身を尽くした永井隆博士の歌です。 

 6年生11名は10月13,14日長崎へ修学旅行に行きました。事前学習として、富国強兵から日清・日露戦争へとつながる近代日本の歩み、日中・太平洋戦争へ突入していく歴史的背景について学びました。
 1945年8月9日、午前11時2分、アメリカ軍の爆撃機B29より投下され長崎上空で炸裂した原爆。その熾烈な熱線や爆風、放射能は、人間の想像を超えた甚大な被害をもたらしました。
 生きのこった人でも時が経つにつれてさまざまな病気になり、今でも苦しんでいる人がいます。「原爆病は感染する」との根拠もない噂や、火傷によるケロイドで冷酷な差別に苦しんだ人もたくさんいます。語り部さんが話される「あの瞬間から続く悲惨な現実」に子ども達も一様に押し黙り、真剣な表情で耳を傾けました。そして、被爆を体験した長崎市民が共に支え合い、「平和は長崎から」を合言葉に国際文化都市として復興した様子も、その純粋な瞳でしっかりと見てきました。
 何よりも嬉しかったのは、行く先々で子ども達の挨拶や返事、態度をたくさんの方から誉めていただいたことです。「返事が気持ちいい。もっと教えたくなる」「皆が話を聴こうとしている」「集団の雰囲気が温かい」「後ろに親や家族の笑顔が見える子ども達ですね」という言葉をいただきました。2日間、保護者の皆様には寂しい思いをさせましたが、素晴らしい学びの場になりました(*'-'*)。

 

3年ぶりの上天草部会陸上記録会 in アロマ

 9月29日(木)快晴。「上天草市の同級生達と精一杯競い合う場、健闘を称え合う場を是非つくってあげたい」という今津小学校の緒方校長先生をはじめ各校体育主任の熱き思いにより、コロナ感染防止対策を十分に図り、実に3年ぶりに陸上記録会が開催されました。

 5,6年生にとっては、もちろん初めての出場。先輩達の練習の風景もあまり記憶にない状況の中、短い期間でしたが懸命に練習に励み、上天草市内の同級生と全力で競いました。

 子ども達は、この体験を振り返って、「最後まで諦めないことの大切さを学んだ」「今までで一番速く走れた」「自分の課題や頑張ることが、まだたくさんあることに気づいた」等の思いを抱きました。この喜びや悔しさ、仲間との連帯感が、次の具体的な努力へとつながります。楽しみです。皆さん、大きな感動をありがとうございました。

「姫小スタイル」で学力向上!

 本校の最重要課題である「学力向上」に向けて、6月には教授法創造研究所の椿原正和先生を、先日は天草教育事務所の田中恵介指導主事をお迎えして助言指導をいただきながら、職員全員で
 ①児童(学級)の課題を分析・把握する
 ②課題を解決するための具体策を考える(授業で、学校生活で、家庭で)
 ③全員で「揃えて」実践することで効果があることを協議・決定する
 ④揃えて実践しながら、また、糀本由美先生から毎週ご提案いただく「学級づくりのいろは」を参考にしながら、私達の「姫小スタイル」を構築していく
という取組を、職員一人一人の知恵と経験を結集して進めています。

 写真は、研究主任である濱﨑先生の算数科の提案授業の様子です。このように授業展開を工夫してみたらどうか!?と提案していただきました。内容としては、

〇授業開始3分間の「鍛錬活動」
・本時の学習に活用する基礎技能の確認
・時間を意識させた百マス計算や計算問題
・漢字5問テストや本文の音読 など
〇全員が解決への見通しを持てる導入
・どんなことが分かり、できるようになったらいいのか、子ども達と単元終了時の姿を共有できる課題づくり
・「ん?」「なんか違う?」「できるかも」といった知的好奇心や興味・関心を高める導入
〇自分の考えをもてる自力解決の工夫
・発問を精選する
・数や単位に印をつけ、問われていることに線を引かせる(どのような条件で、何を問われているのかを把握させる)
・図や表、絵、数直線のいずれを活用すると解決できそうか、解法の見通しを持つ時間を設定する
・自分の考えを書く時間を確保する(限られた時間で、指示された字数で)
・自分の考えと友達の考えを比べたり、修正したりする時間を確保する
〇子どもと一緒に、学んだことを確認する「まとめ」
・「めあて」や「課題」と整合性のある「まとめ」となるよう、板書のキーワードをもとに子どもの言葉でまとめる
〇身に付いた力が自己評価できる「ふり返り」
・適用問題を解き(答えて)、自身の理解度を自己評価させ、家庭での自学へとつなげる(自分で計画を立てて学習に取り組む機会や経験を持たせる)
・市販のテスト問題(解き方が分かる)、アシストシート(短時間でできる)、県学調問題(いま求められている学力が分かる)等を活用する  などなど

授業以外でも、
〇毎朝のパワーアップタイム(走る・跳ぶ)と、全校読書(本を読む習慣)
〇漢字大会と計算大会の実施(目標を立てる、自分の努力を誉める)
〇上天草市教育委員会の辻川先生の指導による音韻トレーニング(ひとまとまりの言葉がいくつの音の塊に分かれていて、どの音がどの順に並んでいるかを理解する力「音韻認識力」の強化)←「読む」「聞く」「書く」の基本となる力

等に取り組んでいます。特に「読書習慣の形成」は学力向上へのキーワードです。「本を読む」「話を聞く」「考えを書く」の3つを大切にして、全職員で繰り返し指導・支援していきます。ご家庭にご協力いただきたいこともございます。各担任が学級通信等でご連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いします。

影参差(しんし) 松三本の 月夜かな (夏目漱石)

 昨年と同様にコロナ禍ではありましたが、たくさんの楽しい思い出を残して夏休みも終わりました。子ども達に話を聞くと「あ~あ~夏休み、もっと続けばいいのに」と嘆く子もいれば、「もうさすがに飽きた。学校がいい」と言う子も。
 それにしても暑いですね(>_<)。 お天気情報によると、東風のフェーン現象の影響で、九州の北西部を中心に予想最高気温は平年より5度前後も高く、この時季としては異例の猛暑だそうです。連日、熱中症警戒アラートが九州の広い範囲に発表され、学校でも、登下校や体育の授業、昼休みの遊び、陸上記録会の練習など、お昼の放送で注意を呼びかけ給水タイムを設定するなど熱中症対策を強化しています。
 台風も恐い。6日は台風11号接近により、大事をとって臨時休校にしました。台風14号は19日未明に九州に上陸しそうです。十分に対策を図りましょう。
 日中は相変わらずの暑さですが、白露を迎えて朝・晩は心地よい風が吹き、リーンリーン♪と鳴き始めた虫の音も、耳を楽しませてくれる季節になりました。
 中秋の名月も素敵でしたね。目映いほどの月光が、野山や海面を照らしました。「丸い団子をつくって、砂糖ときな粉をかけて食べました。とっても美味しかった」と教えてくれました。

スマホの「危険」を知る(つづき)

 SNSが「危険」なのは、スマホ画面の向こう側で正体の知れない者達が、ネットを通して「覗いている」ことです。
 個人的な画像のやり取りでも、もし相手が出入自由なサイトにアップしたら、その画像は全世界に拡散します。
 特定されない「覆面」をかぶった者達は、ネット上で言いたい放題、やりたい放題です。不特定多数の人が見ている空間で、個人に「死ね」「消えろ」って中傷する単語を発信しても原則犯罪にはならないのがSNSの世界です。
 また、SNSやオンラインゲームで常に誰かと「つながって」いなければ安心できないなど、スマホを使うことに心を奪われ、止めたくても自分の力では抜け出せなくなる「スマホ依存症」の子どもが急増しています。スマホがないと落ち着かない、イライラするという精神依存は、睡眠障害、集中力の低下、学業への悪影響が生じます。治療するには入院による管理があります。基本的には、うつ病、強迫性障害などの心の病気や発達障害がないかといった診断を受け、心理カウンセリングや薬物治療が行われるようです。
 夏休みは親や教師の目が届かず、子供一人で過ごす時間が長くなります。自由に使えるスマホやタブレットの「便利さ・楽しさ」の裏側に「危険」が潜んでいるのです。

12,「送ってはいけない写真」:自分の、または誰かの「裸の画像」を、送ったり、受け取ったりしないこと。笑い事ではないわ。どんなに賢い人でも、いつか、そういう画像を送ったりもらったりしたくなるときが来ます。それはとても危険な行為で、10代以降の人生を破滅させます。広大なネット空間に一度拡散した写真や悪い評判などの情報を消すことは、とても困難なの。これは将来、何歳になっても気をつけること。~簡単に自分や友達の写真を撮ることができ、発信したり交換することもできるため、熊本県内でも小中高生が安易に「裸の画像」を所有したり、発信するといったことが起きています。一度アップされたものは、どこそこでコピーされ世界中に拡散されます。全てを削除するのは不可能です。「どこの誰が見るか分からない」ということを肝に銘じておくこと。

13,「無駄に写真や動画を撮らない」:写真やビデオを撮りすぎないこと。何もかもをデジタルで記録する必要はないわ。あなた自身の経験そのものを、あなた自身の五感で感じ取りなさい。そうすれば、あなたの「記憶」の中に永久に記録されるから。

14,「使わない選択肢もある」:時々、ケータイを家において出かけてみてね。その時、ケータイに頼らずに自分がした「決断」に自信をもって。ケータイがなくても生活できるって学んでね。ケータイがないと不安になるのであれば、まだまだ弱いのだから、もっと強く成長しなくてはなりません。~一度ケータイ・スマホを持つと、何もかもを、ケータイやスマホでやってしまいがちです。それが極端になると「依存」してしまうことになります。そうならないように、「使わない」時間を定期的に持つことが大切である、というルール。

15,「音楽ダウンロード」:せっかくなら、今まで出会ったことがない音楽をダウンロードして聞いてみて。お母さん達の世代ではできなかった素敵な音楽に出会って、視野を広げてね。~ケータイがあることで、今まで触れることもなかったアートに出会うことができるのだから、それを活用しましょう、というルール。

16,「知能ゲームなど」:時には、ワードゲームやパズルゲーム、クイズゲームのような頭を使うゲームをプレイしてみてね。 ~ただし、長時間没頭してはダメだし、それらのゲームで頭が良くなるとは言えません。 また、別にゲームなんてしなくても構いません。 ですが、上の音楽の項目と同様に、ケータイ・スマホは何もかも悪いのではなくて「良い使い方」を提案しようとする項目です。

17,「ケータイを使わない選択肢・ケータイ以外の活動」:視線を上げてみなさい。周りの世界で起きている出来事を見てみなさい。窓から外をのぞいてごらんなさい。鳥の声を聞いてごらんなさい。散歩してみましょう。初めての人とお話してみましょう。すぐに検索サイトで調べるのではなく「何でだろう?」と自分の頭で考えてみましょう。 ~ケータイがなかった時には普通にしていたことが、ケータイを持つことで時間が無くなり、しなくなってしまいます。それではもったいない。それを思い出し実行しましょうというルール。

18,「万一、ルールを破った時は」:あなたは、いつかルールを破ってしまうでしょう。その時、私はあなたからケータイを取り上げます。そして、落ち着いて座って、話し合いましょう。また一から始めましょう。あなたと私は学び続けていて、私はあなたの味方だから一緒に解決しましょう。あなたが、これらの約束に同意してくれることを望んでいます。 (母より)

 読んでみて、どう思われましたか?

 スマホ機器、通信料、無線Wi-Fi等のインターネットサービスなど、月々の支払いもバカになりません。せっせとお金を出して、ネットトラブルや誹謗中傷、スマホ依存を「買って」いる状況では虚しいだけです。

 ホフマンさんのように、スマホの使い方を通して親子の「信頼関係」と子どもの「成長の方向性」を確認することは、とても素敵で、大切なことだと思います。私も、息子達にスマホを買い与えるときに、この「18項目の約束」を取りつけておくべきだったと、今更のように後悔しています(-_-)。

 子ども達にとって夏休みは、待ちに待った最高のイベントです。姫戸町の青い空と碧い海。入道雲と蝉の声。ワクワクを抑えきれない最高で安全な夏休みにするために、スマホやタブレット、通信ゲーム等のルールの確認と見守りをお願いします。