学校だより

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心の姿勢

 12月に受検しました「熊本県学力・学習状況調査」。 県教育委員会が作成し、国語、算数の2教科、3年生~6年生で実施しました。調査内容はお子様からお聞きかと思いますが、2月中には結果が出ますので、学級で、個別に、現在の学力の状況と改善への具体的なアドバイスを行っていきます。 
 出題傾向に関しましては、「文意を読み取る力」「考えを整理し文章で表す力」を問う問題が多くなりました。その傾向は、高校入試や大学受験、入社試験にも同様に表れています。単純な暗記力では歯が立ちません。暗記した上での文章力(暗記した内容を使いながら考えを組み立てる力)が必要とされています。
 それは、これまでの知識偏重主義の反省とともに、情報過多社会、更には人工知能(AI)を活用したSociety 5.0で実現する社会で生き抜くための知恵とスキルの習得を前提とした「自分の考えを持ち、整理し、それを他者に伝える力」の育成が急務とされているからです。知識だけでは何にもならない。備えた知識をその時その時の状況に応じて、必要な情報を得ながら自分なりの考えを持ち、他者に的確に伝えたりして臨機応変に対処する力。この混沌とした社会で「自分らしく」生き抜くには、そのような力が必要であると言われているのです。
 では、「そんな力を身につけるには、どうすればよいのか!?」 

 日頃の授業を真剣に効果的に受けることや、家庭学習、読書活動の充実はもちろんですが、ここでは、ご家庭で「ほんのちょっとだけ」意識し、実行していただきたいことを挙げてみます。まずは気軽に、親子で次の問題に答えてみてください。

Q1.なぞなぞです。いつも出かけて巣にいない鳥って、なーんだ?

Q2.いつも転んでばかりいる虫って、なーんだ?

Q3.( )の中に漢字一字をいれてください。 親 人 中 (?) 小

Q4.お年寄りがバスに乗ってきました。大きな荷物を重そうに持っています。しかし、だれも席をゆずりません。なぜでしょう?

Q5.池でカエルが、メス、オス、メス、メス、オスという順番で並んでいます。2番目のカエルは大人でしょうか?赤ちゃんでしょうか?

Q6.「ゆみこ」のお父さんには娘が4人います。 春子、夏子、秋子。あともう一人の名前はなんていうのでしょうか?

Q7.徒競走で3位を抜きました。今何位でしょう?        

Q8.橋を渡ろうとすると、大きな立て札が立っています。何か書いてありますよ。「このはし、渡るべからず(渡ってはいけません)」だって。あなたなら、どうします?また、これは誰の話でしょう?             

Q9.なぞなぞです。無人島に一軒の家がありました。島には誰も住んでいません。風もなく、動物などの生き物も一切いません。地震もありません。幽霊もいない。でも、どういうわけか、ドアがとじたりしまったりするのです。どうしてでしょう?   

Q10.次のような等式があります。数字や記号を2つ動かすだけで正しい等式になるようにしてください。(少々難)4+2-3=6-5+1

答えは以下に‥

Q1.カラス(空巣) Q2.テントウムシ(転倒虫) Q3.薬(指) Q4.誰も乗っていなかったから Q5.大人(赤ちゃんはオタマジャクシ) Q6.ゆみこ(冬子じゃありません) Q7.3位 Q8.真ん中を通る・一休さん(橋と端のとんち) Q9.閉じっぱなしだから問題ない(とじたりしまったり) Q10.4の次の「+」を動かして「×」に、「6」を回転させて「9」にする

 どうでしたか? 結構面白いでしょ。 
 たかが「なぞなぞ」「クイズ」ですが、算数の既習内容や国語の読解力を確認するとともに、お子様の問題(学習)に対する意欲や「心の姿勢」(課題にどう向き合おうとしているか)を把握し、支援することができます。 特に「心の姿勢」は、学習面のみならず、今後の生き方そのものに関わることですので、この時期にしっかりと正しておかなければなりません。また、我が家もお風呂でよくやっていましたが、「しりとり」も有用です。言葉や物の名前を覚える、とっさに考えて言う、語尾を聞き逃さない、「~の~」とつなげて誤魔化す等、遊びながら大切な力をつけることができます。
 脳医学者の瀧 靖之氏によれば、効率よく、そして楽しく勉強に取り組む第一歩は、「勉強を好きになること」だそうです。勉強を「好き」と感じると、感情に関わる脳の「偏桃体」と記憶に関わる「海馬」のつながりが強化され、記憶が定着しやすいと。反対に「嫌い」と感じると、ストレスホルモンが分泌されて海馬の脳細胞が萎縮してしまうとのこと。「好きこそものの上手なれ」ということわざは脳科学的に正しいのですね。
「勉強を好きになる」ための基盤は、「問題を解くことが好き!」という経験と、「知りたい!」という好奇心です。どうしても勉強を楽しめなければ、自分の好きなものと関連づけるのも手です。プログラミングを学ぶ場合、「いつも遊んでるゲームは、どんな仕組みで動いているんだろう?」と疑問をもつことで、好奇心がそそられるかもしれません。
 食後の団らんに、CMの合間に、車で移動中に‥なぞなぞやクイズ、童話や昔話、歴史もの、言い習わし、最近のニュースなどいろんな話題(問題形式じゃなくてもいいので)を投げかけてください。その一つ一つが、いま子ども達に求められている力の育成につながってきます。自分で問題を用意するのは難しいので、市販されているクイズ本を2~3冊購入されたら楽です。(『左脳を鍛える(主婦の友社) ¥619』から一部出題)
 最近はネットでも、様々な「脳トレ」がアップされています。どんどん活用しましょう。