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2019年9月の記事一覧

おすきなふくは ?

 いきなり何のことだろうと思われたかも知れません。実は、これ「秋の七草」の覚え方なのです。

 秋の七草は、春の七草に比べて知名度が低いと言われています。しかし、どれも美しい花なので、彼らの名誉のために、今回は秋の七草を紹介したいと思います。

 秋の七草は、おみなえし、すすき、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎの7種の植物です。秋の野山を飾る花々です。


  春の七草の知名度が高い理由は、七草がゆという風習があるためです。1月7日になるとスーパーの野菜コーナーに,パックに入った七草がならびます。

 つまり、春の七草は「食べる七草」なのですね。

 それに対して、秋の七草は食べません。(食べられる部分はありますが・・・)

 主に古くから薬草として利用されてきました。部分が形を変えて使われるので、あまり気づかれることなく、いわば「薬の七草」だったわけです。

 せっかくなので、どんな効き目があるのか調べてみました。

 

  おみなえし:解毒剤、利尿効果がある。

  すすき:薬効よりも生活用品の材料として利用。

  ききょう:咳止め、鎮痛剤として利用。

  なでしこ:利尿効果がある。

  ふじばかま:皮膚薬として利用。

  くず:解熱剤として利用。葛根湯(かっこんとう)は葛の根のこと。

  はぎ:めまいに効果があるとも。

 

 古人は、それぞれの花を愛でるとともに生活に利用していたのだなあと感心させられました。

 

塩害

 9月22日未明にかけての台風17号接近では、予想以上の風が吹き、びっくりさせられました。

 学校でも、少なからず被害がでました。倉庫の扉が外れたり、高木の枝が折れたり・・・。

 9月24日の朝は、高学年の子どもたちの自主的な活動で,後片付けが行われました。運動場のプール前には、積まれた落ち葉、枝等々がうずたかく積み上げられました。


 また、校舎の南側のガラス窓は、白く曇りました。よく見ると土ぼこりではなく塩がこびりついています。試しに指でこすって口に入れてみると、かすかにに塩の味がします。

 

 さらに、よく観察すると本校シンボルの「むくのき」をはじめ、たくさんの木々も南側の枝先の葉がすべて茶色く変色しています。

 もちろん原因は、海から運ばれた塩水が強風で吹き付けられたためです

 残念ながら、子どもたちが一生懸命に育てていた理科園のヘチマもかわいそうな姿になってしまいました。

 

 この学校に勤務して3年になりますが、初めての出来事でした。あらためて自然の力のおそろしさを実感しました。

 

 

彼岸花が咲いています

 稲が実り,少しずつ黄色くなる頃、田のあぜなどに赤いじゅうたんが広がります。

 ヒガンバナです。ちょうどお彼岸の頃に咲くことから,その名がつきました。

 別名「はみず はなみず(葉見ず花見ず)」といいますが、これは花が咲く頃には葉が枯れてしまい、葉が茂る頃には花が付かないことからついた名前です。

 昔の言い伝えに「ヒガンバナをとると家が火事になる」というものがあります。

 それは、ヒガンバナが人々の暮らしに大きな役割を果たしたことから、言われるようになりました。

 実は、ヒガンバナは、種子で増えることができない植物です。その代わり球根で増えます。その球根には猛毒が含まれるのですが、水でさらすと毒が抜けてすぐれた食べ物になるのです。ソテツなどと同様に救荒作物と呼ばれる植物です。

 球根で増えるヒガンバナが,田の周辺にびっしりと花を開いているのは、昔の人々が植えたからでしょう。いざというときの食料として備えをしていた証なのです。

 そこで、重要だから決してさわらないように,先程の言い伝えが残ってきたのでしょう。

 学校の回りでも美しく咲き誇っています。

 

虫の音

 9月も3分の1が過ぎました。
 さて、この9月。古くは「長月(ながつき)」と呼ばれていました。

「どうして長月と呼ばれるようになったのか?」・・・ふと疑問に思ってしまいました。「長月があるのなら短月もありそうなもの」とか「何が長いのだろうか?」とか考えると,夜も眠れなくなってしまいます。
 早速調べてみました。(個人的には、ちょっとおもしろくないのですが)謎はあっという間に解決しました。
 次のような由来があるそうです。

 ①夜が長くなっていくから→「夜長月(よながつき)」
 ②秋雨が降り続くころだから →「長雨月(ながめつき)」
 ③稲の穂が生長する時期だから→「穂長月(ほながつき)」
 ④「名残月(なごりのつき)」が転じた


 これらの中では「①夜長月」が最も有力な説であると,言われています。
 実際、日に日に日没時間が早くなっているように感じます。それと同時に,日の出も遅くなりました。


 この時期、毎年楽しみにしているものがあります。
 それは、帰り道沿いの草むらから聞こえてくる「虫の音」です。
 自動車の行き交う中で、コロコロと鳴くコオロギの声を耳にするとはっとさせられ、風の涼しさをあらためて感じさせられます。

 童謡に「虫の声」という歌があります。

 1 あれ松虫が 鳴いている
    チンチロ チンチロ チンチロリン
    あれ鈴虫も 鳴き出した
    リンリンリンリン リーンリン
    秋の夜長を 鳴き通す
    ああ おもしろい 虫の声

 2  キリキリキリキリ きりぎりす
    ガチャガチャガチャガチャ くつわむし
    後からうまおい おいついて
    チョンチョンチョンチョン スウイッチョン
    秋の夜長を 鳴き通す
    ああ おもしろい 虫の声

 さて、この歌には何種類の虫が登場するでしょう。
 正解は、マツムシ、スズムシ、キリギリス、クツワムシ、ウマオイの5種類です。
 どの虫も知名度の高いものばかりですが、最近自然の環境で聞かれなくなったことも事実でしょう。

 この「虫の声」の歌詞をご覧になって「おや?」と思われる方がいらっしゃると思います。

 自分が小学校の時に習ったものと違うような気がする…という違和感を覚えられるのではないでしょうか。
「キリギリスじゃなく、コオロギだったのでは」と思われたことと思います。
 実は、この2番の冒頭に登場するのは、コオロギとキリギリスの2種類があります。それは次のような経緯があるためです。

 ①そもそも1910年(明治43年)に発表されたときは「キリギリス」であった。その大きな理由は「韻」を踏むためであった。
 ②その後、1932年(昭和7年)に「コオロギや」に改められた。
 ③変えた理由は、キリギリスという言葉は、コオロギのことを表す古語であったためであった。
 ④さらに、キリキリという鳴き声はコオロギの鳴き声を表したものであったためといわれる。
 ⑤なお,その鳴き方をするのは「カマドコオロギ」らしい。


 そのため、以前はキリギリス、現在はコオロギと歌われているようです。

 

ヘチマ豊作!

 台風の影響か、雨が多い毎日です。

 しかし、この天気の中、絶好調なのが「ヘチマ」です。

 ところで、ヘチマは,どうしてヘチマという名前が付いたのでしょう。


 数年前に,ラジオで聞いた話によれば

 ①もともと「糸瓜(いとうり)」と呼ばれていた。

 ②それは、実の繊維が成長するにつれて「糸」のようになるためである。

 ③「いとうり」と呼んでいたところ、だんだん短く「とうり」と変化していった。

 ④ここで、言葉遊びが入り込んでくる。

 ⑤「と」のつく「うり」の「と」は、いろは言葉だと「へ」と「ち」の間。(いろはにほへちり・・・・)

 ⑥つまり、「へ」と「ち」の間(ま)の「うり」

 ⑦そこで「へちま」と呼ばれるようになった。

  とのことでした。

 なお沖縄では「なーべらー」と呼びますが、ヘチマの実の繊維をたわし代わりにして鍋を洗ったこから「鍋洗い(なべあらい→なべあらー→なーべらー)」と変化したそうです。

 少しずつ実が熟してきました。あとしばらくで立派な種がたくさん取れることでしょう。そして、たわしも手に入りそうです。