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2019年12月の記事一覧

ロゼッタ

今年はいつもの12月と様子が違い、暖かな毎日が続いていますが、少しずつ冬らしさを感じるようになってきました。
 「大雪」のころは、「閉塞成冬(そら さむくして ふゆとなる)」「熊蟄穴(くま あなにこもる)」「鱖魚群(さけのうお むらがる)」という言葉で表されるそうです。
 「閉塞成冬」とは、どんよりとした空模様になり、寒さを感じる季節になったり、生き物が動きをひそめたり、という意味をもっているようです。
 また「熊蟄穴」は、動物が冬ごもりを始める時期ということですし、「鱖魚群」は、産卵のために鮭が遡上する時期になったことを表しています。
 様々なところで、冬らしさを見ることができます。 


  校内の冬らしさとして、いくつか紹介しましょう。

 まず、タンポポ。

  葉を地面に張り付け、できるだけ多く日光をあつめるように広げています。この形をロゼットと呼びます。
 まるで、冬の地面でじっと耐えているようで、力強さやたくましさを感じさせられます。


 この他に、ロゼットをつくる植物として「オオバコ」があります。葉を広げる様子から「大葉子」と名付けられたという説もあります。


  さて、このタンポポとオオバコには共通点があります。それは何でしょうか?
 実は、両方とも薬草として利用されるのです。
 タンポポは、解熱、発汗、健胃、利尿の効用が、オオバコは、消炎、利尿の効果があるそうです。


 冬らしさを感じさせるものとして、次にサザンカを紹介しましょう。体育館入り口付近に白い花を咲かせています。

  この花を見る度に、私は童謡「たきび」を思い出します。

  1 垣根の 垣根の 曲がり角
    たきびだ たきびだ 落ち葉たき
    あたろうか あたろうよ
    北風 ぴいぷう 吹いている

  2 さざんか さざんか 咲いた道
    たきびだ たきびだ 落ち葉たき
    あたろうか あたろうよ 
    しもやけ おててが もうかゆい

  3 こがらし こがらし 寒い道
    たきびだ たきびだ 落ち葉たき
    あたろうか あたろうよ 
    相談しながら 歩いてく
      (巽聖歌作詞 渡辺茂作曲)

 冬〜北風〜さざんか〜たき火というイメージがしっかりと頭の中にできあがっているのですが、サザンカは、冬の花としての代表格であることは間違いないでしょう。


 サザンカが咲くと、小鳥たちが集まってきます。
 なかでもメジロは、この花の蜜を吸うのが大好きで、ときとして20羽近くの群れをつくって飛んできます。

 しばらくの間、花の間をツィーツィーと鳴きながらにぎやかに飛び交って、くちばしを花粉まみれにしています。これも冬の風物です。ちょっとだけ気をつけてみると目のまわりの白い小さな鳥が元気よく飛び回っている姿を楽しむことができるはずです。


 寒さが日ごと厳しくなる季節になりましたが、風邪などひかれませんよう、ご自愛ください。

8℃

 めっきり寒さが厳しくなりました。遠くの森も赤く色づきました。

 暦の上でも「大雪」ですので、まさに冬到来という季節です。


 ところで、突然ですが、みなさんは「もみじ」と「かえで」の違いをご存じでしょうか。
 両者を区別して使う機会はほとんどないのですが、一緒のようで一緒でないようにも感じられ、私個人としては「謎」でした。
 そこで、このコーナーを書くにあたり調べてみました。すると次のような違いがありました。

  もみじ:主に落葉広葉樹が落葉の前に葉の色が変わる現象のこと。
  かえで:ムクロジ科カエデ属の木の総称。カエルの手に似ていることから「かえるで」と呼ばれ、「かえで」に変化したという説がある。


 簡単に言えば、もみじは「現象」、かえでは「木の名前」ということです。「♪秋の夕陽に照る山もみじ」という歌の風景は、真っ赤に色づいた山ではなく、赤・黄・茶・緑などの様々な色合いに染められた風景ということになります。ですから「♪織る錦」という締めくくりなのですね。納得しました。


 さて、今回のタイトル「8℃」ですが、既に「ははん、あのことだな」とお気づきかも知れません。

 実は、カエデの紅葉がスタートする気温なのです。ある研究者の記した本によれば、カエデの葉が変色するのは、1日の気温が上下するなかで、8℃以下が一定時間続く状態になったときで、紅葉のスイッチが入るとのことです。ですから「冷え込みが強くなる=赤くなる」わけです。

 しかしながら、やはり生物ですから、全部が全部そうなるわけではありません。中にはもっと高い気温でも変色し始めたり、もっと低い気温でも緑色を保ったりということはあるそうです。これもいわゆる「個性」なのでしょう。