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2020年8月の記事一覧

まもなく巣立ち!(8月26日追記)

 夏休みに入り1週間。子どもたちの声がしない学校は、寂しさに包まれます。

 が、今年は「命の営み」が見られ、私たち職員一同の心が和ませてくれています。


 始まりは6月22日でした。職員室の軒下にツバメのペアがやってきて、しきりに飛び交っていました。巣作りの場所探しです。

 そして翌日から土運びが行われ、6月24日に完成しました。たぶん水田のあぜ道から土をくわえてきたのでしょう。くちばしを泥まみれにしながら、見事な巣ができ上りました。

 巣材に植物の茎や乾燥した葉などが織り込まれています。巣の強度を高めるためです。誰も教えていない(教わっていない)ことだと思うのですが、感心させられるばかりです。


 その2日後ぐらいから、右の写真のように親が巣の中に入るようになりました。そうです。卵を産み温め始めたようです。雨の日もじっと巣に入り、周囲に絶えず気を配ります。少し子どもの声が聞こえただけでも最初のころは、頭をもたげて注意を払っていました。


 7月21日のことです。巣の中を潜望鏡のようなものを作ってのぞいてみると、3羽のひなが生まれていました。親鳥が近づいて、くちばしを巣の中に差し込むようすが何度も確認できました。まだ、自力で餌をもらうことができず、親が口の中に押し込んでいるようにも見えました。


 その翌日、ひなが自分で餌をもらう様子が観察できました。

 よく見ると、3つのくちばしが見えます。目がまだ明いていないこともわかります。

 親が来た気配を察して口を大きく開けています。

 なんでも開いた口の形は菱形で、大きく開いた口に餌を差し入れる仕組みになっているそうです。

 だから必死になって口を開けるのです。また、満腹になると、口を開けなくなるので、ほぼ平等に餌を食べるといわれています。


 7月28日になると、目が明きました。そして、みるみるうちに体が大きくなっています。成長のスピードの速さに驚かされます。

 巣の前を横切るもの(親鳥に限らず、トンボやチョウでさえ)に素早く反応して口を開けています。食欲は極めて旺盛で、親鳥たちはひっきりなしに餌を運んでいます。この時点で、梅雨明けはしていませんでしたから、まさに「雨にも負けず」といったところでしょうか。頭が下がる思いでした。


 その後、すくすくと成長した子ツバメたちは、外敵(主にカラス。子ツバメを襲い、自分のひなたちの食料にすることがあります。)に脅かされることはありませんでした。

 8月に入るころになると、大きくなったせいか、巣の中で窮屈そうにしています。そして、盛んに羽を広げたり、羽ばたきの練習を始めたりしました。

 ときには、勢い余って巣から落ちそうになったこともありました。


 右の写真は、8月5日のようすです。外の様子に興味津々という様子がうかがえます。羽も立派に生えそろい、親ツバメと見分けがつかないほどになりました。

  お盆のころに巣立つことは間違いはありません。学校も閉校日になるので、その場に立ち会えないのは何とも寂しい気分です。(毎日見ているうちに情が移ってしまったようです。)


 巣立った後は、しばらく親ツバメから餌の捕まえ方などを教わり、9月ごろには東南アジアへと旅立ち、冬越しをします。ある日突然姿を消すので、びっくりすること間違いありません。

 そして、また春に日本へと帰ってきます。その日を楽しみに待ちたいと思います。

 


その後の出来事

 8月17日に学校に来ると、巣は空っぽになっていました。やはり、お盆のうちに巣立ったようです。周りを見ても姿がないので、お別れができなかったなあと思っていると、何と翌日、8月18日の朝、5羽のツバメがやってきました。

 懐かしそうにその周りを飛ぶ姿を見て、巣立った子ツバメ3羽と両親のようでした。子ツバメは尾羽が短く、少し頼りなさそうな感じがします。様々な試練を乗り越えて、大人になっていくのでしょう。5分ほど飛び回ると、姿が見えなくなりました。きっとお別れを言いに来てくれたのだと自分では思っています。