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虫の音

 9月も3分の1が過ぎました。
 さて、この9月。古くは「長月(ながつき)」と呼ばれていました。

「どうして長月と呼ばれるようになったのか?」・・・ふと疑問に思ってしまいました。「長月があるのなら短月もありそうなもの」とか「何が長いのだろうか?」とか考えると,夜も眠れなくなってしまいます。
 早速調べてみました。(個人的には、ちょっとおもしろくないのですが)謎はあっという間に解決しました。
 次のような由来があるそうです。

 ①夜が長くなっていくから→「夜長月(よながつき)」
 ②秋雨が降り続くころだから →「長雨月(ながめつき)」
 ③稲の穂が生長する時期だから→「穂長月(ほながつき)」
 ④「名残月(なごりのつき)」が転じた


 これらの中では「①夜長月」が最も有力な説であると,言われています。
 実際、日に日に日没時間が早くなっているように感じます。それと同時に,日の出も遅くなりました。


 この時期、毎年楽しみにしているものがあります。
 それは、帰り道沿いの草むらから聞こえてくる「虫の音」です。
 自動車の行き交う中で、コロコロと鳴くコオロギの声を耳にするとはっとさせられ、風の涼しさをあらためて感じさせられます。

 童謡に「虫の声」という歌があります。

 1 あれ松虫が 鳴いている
    チンチロ チンチロ チンチロリン
    あれ鈴虫も 鳴き出した
    リンリンリンリン リーンリン
    秋の夜長を 鳴き通す
    ああ おもしろい 虫の声

 2  キリキリキリキリ きりぎりす
    ガチャガチャガチャガチャ くつわむし
    後からうまおい おいついて
    チョンチョンチョンチョン スウイッチョン
    秋の夜長を 鳴き通す
    ああ おもしろい 虫の声

 さて、この歌には何種類の虫が登場するでしょう。
 正解は、マツムシ、スズムシ、キリギリス、クツワムシ、ウマオイの5種類です。
 どの虫も知名度の高いものばかりですが、最近自然の環境で聞かれなくなったことも事実でしょう。

 この「虫の声」の歌詞をご覧になって「おや?」と思われる方がいらっしゃると思います。

 自分が小学校の時に習ったものと違うような気がする…という違和感を覚えられるのではないでしょうか。
「キリギリスじゃなく、コオロギだったのでは」と思われたことと思います。
 実は、この2番の冒頭に登場するのは、コオロギとキリギリスの2種類があります。それは次のような経緯があるためです。

 ①そもそも1910年(明治43年)に発表されたときは「キリギリス」であった。その大きな理由は「韻」を踏むためであった。
 ②その後、1932年(昭和7年)に「コオロギや」に改められた。
 ③変えた理由は、キリギリスという言葉は、コオロギのことを表す古語であったためであった。
 ④さらに、キリキリという鳴き声はコオロギの鳴き声を表したものであったためといわれる。
 ⑤なお,その鳴き方をするのは「カマドコオロギ」らしい。


 そのため、以前はキリギリス、現在はコオロギと歌われているようです。