日誌

令和元年度までの校長室より

水路の主あらわる

 子どもの頃、校長先生が朝の放送で、「ボランティアを募集します。我と思わんものは、校長先生のお手伝いをしてください。」のアナウンスをよく聞いたものです。我先にと職員室によく走って行っていました。そのことを思いだし、先週金曜の朝、「校長先生のお手伝いをしてくれる人、玄関前に集合!」と呼び掛けました。勢いよく6,7名の子どもたちが走ってきてくれました。 実は学校近くの水路工事のため、学校南側の井手の水が止められたのですが、ここに子どもたちが毎朝楽しみしてた大きな主がいたのです。干上がる水路にのたうち回る一匹の鯉。ボランティアで来てくれた子どもたちといっしょに玄関前のビオトープに一時避難をさせました。体長は30センチぐらい、よくこんなに大きくなったものです。通学して来る子どもたちは、毎朝、水路をのぞき込んで鯉が元気にしているかを見ていたのですが、鯉は思わぬ工事に戸惑っていたかもしれません。水路がもとに戻ったら、また、子どもたちと水路にかえそうと思っています。
 実はこの話には後日談があります。水路には鯉の他にもアブラハヤが何匹かいまして、3年生がこれを救いにいきました。また、6年生の男の子2人は、土曜日に残るアブラハヤを救い、近くの水源下の流れに戻してくれました。春の季節、昔は井手の水を落とし、井手を掃除する井手さらえが行われていました。子どもたちにとっては水が少なくなった水路の魚をとることが楽しみでした。もちろん捕った魚は夕食のおかずになったのですが、中松の子どもたちはもとに戻そうとしています。子どもたちの優しさを感じさせる一コマでした。3月に入ります。子どもたちはこの1年、心と体も大きく成長してきました。優しい心が育ってくれたことをうれしく思います。

平成31年1月 陽が昇り始めます

 1月が終わろうとしています。1月7日の始業式の朝に撮影した2019年の初日の出です。交通指導の際に撮影しましたから7:30分前後でしょうか。日の出もこのときから少しづつ早くなり、やがて春の訪れを感じる頃になりました。校庭のもくれんの芽も膨らみ始めています。

 さて、1月25日今年3回目となる校内人権集会を給食試食会のあとに行いました。たくさんの保護者の方をお迎えして各学年で取り組んできた人権についての学習の成果を発表しました。1年生はふわふわ言葉とびりびり言葉を。2年生は名前の由来を。3年生は学級の人権目標のふりかえりを。4年生は人権学習で学んだことを。5年生は水俣病について社会で学習したことを。そして6年生は社会で学んだ戦争と平和について。自分の感想を織り交ぜながら発表していきました。1時間にわたる長い時間なのに1年生から6年生までが集中力を切らさずによく話を聞いていました。それだけ、自分の身近な世界として各学年の発表を感じていたからだと思います。
 11月に行った「こころのアンケート」では学校が楽しいと感じている児童は、95.9%でした。残りの4.1%の子どもも楽しいと言えるように私たちは学校の日々の活動を見直していきたいと思います。

2学期終業式

 83日間の長い2学期が本日終了。今日は終業式でした。終業式の前に保護者の皆さん方から一足早いクリスマスプレゼントを受け取りました。ハンドベルのサークルの方々がハンドベルの演奏をしていただいたのです。そのきれいな音色にうっとりしてしまいました。
 さて、終業式では一輪車の話題を持ち出し、あきらめないで続けることの大切さを話しました。今週の月曜日、学校集会の時に一輪車に乗れるかというお話をしました。校舎の片隅にあった壊れてさび付いていた一輪車をなんとか利用できないかと思い、修理にだし、ぴかぴかにしてもらいました。しかし、一輪車はあっても、だれも乗らない現実にちょっとだけ子どものやる気に火をつけようと試みたのです。集会のあとのお昼休みから、刺激を受けた子どもたちが一輪車に群がるようになりました。その翌日も翌日もお昼休み熱心に取り組む子どもが出てきました。そして木曜日にはなんと5m程乗れる子どもも出てきました。子どもの好奇心をすこし刺激するだけで、いろいろな化学変化が起きてきます。やってみようとちょっと思う事、あらためてだいじなことなんだなと思いました。来年は亥年。イノシシのように猪突猛進で好奇心に火を付け、新しい自分の姿をみつけてもらいたいなと思います。

赤飯をみなさんにおとどけしました。


11月29日、毎年恒例となっているお年寄りへの赤飯配りを行いました。先月お話したように今年は豊作で、330kgの餅米が収穫できました。中山間地集落協定の皆さんのご協力で、5,6年の児童が田植えから稲刈りまで関わって育ててきました。前日から仕込んだ餅米を、保護者の皆さんやおじいちゃんおばあちゃんの協力を得て、今年は羽釜を使って蒸して赤飯を作りました。午後からは民生委員さんや婦人会の方々とともに、校区の一人暮らしのお年寄りや高齢者の方々にできあがったお赤飯を配布していきました。いつもは一人暮らしの方に配布していたのですが、今年は婦人会の取組で交通安全の運動とともに高齢者の方々にも配りました。中松校区は地域とのつながりがまだ残っている方ですが、それでも、子どもの数が減ってきている昨今、お年寄りとの接点は少なくなってきています。今回、訪問したお年寄りの方々から頂き物をしたり、暖かい声をかけていただいたりして、夏の暑い日の中でのひえ取りが無駄になっていなかったとしっかりと感じたことでしょう。こうやって、社会とのつながりを授業によって確認できたことは、子どもたちの宝物になるものと思います。机の上の勉強は、こういった形で実を結んでいます。

「実」のある学習を「社会」へとつなげる学習へ







収穫の秋を迎えました。10月は、学校の中でも、一番輝いている月でしょうか。今年の夏は、天気もよく、たくさんのお日様のひかりと高い気温がよかったのか、稲も芋も豊作の年でした。1,2年生は、教室横の畑で、芋に落花生に、3,4年生はお借りしている畑で大量のさつまいも、5,6年は同じくお借りしている学校田で豊作の収穫の秋でした。特に稲は昨年は米袋19俵だったのが、23俵と昨年よりもざっとみつもって100kgの増収です。さつまいもも子どもの顔ぐらいの大きな芋が続々と出てきました。収穫したお米とお芋は、一部は例年のとおり給食センターへさしあげ、残りの使いみちは子どもたちが話合って決める予定です。こうやって、社会とのつながりを意識してくれるといいなと思います。子どもたちの力だけでは、ここまではこれませんでしたが、地域の皆さんや保護者のみなさんなどのお力をかりて、実のある学習ができています。この「実」を楽しかったというだけではなく、次につながる、未来につながる、地域の人とつながる、社会につながる学習へと進めていきたいと思います。