日誌

水路の主あらわる

 子どもの頃、校長先生が朝の放送で、「ボランティアを募集します。我と思わんものは、校長先生のお手伝いをしてください。」のアナウンスをよく聞いたものです。我先にと職員室によく走って行っていました。そのことを思いだし、先週金曜の朝、「校長先生のお手伝いをしてくれる人、玄関前に集合!」と呼び掛けました。勢いよく6,7名の子どもたちが走ってきてくれました。 実は学校近くの水路工事のため、学校南側の井手の水が止められたのですが、ここに子どもたちが毎朝楽しみしてた大きな主がいたのです。干上がる水路にのたうち回る一匹の鯉。ボランティアで来てくれた子どもたちといっしょに玄関前のビオトープに一時避難をさせました。体長は30センチぐらい、よくこんなに大きくなったものです。通学して来る子どもたちは、毎朝、水路をのぞき込んで鯉が元気にしているかを見ていたのですが、鯉は思わぬ工事に戸惑っていたかもしれません。水路がもとに戻ったら、また、子どもたちと水路にかえそうと思っています。
 実はこの話には後日談があります。水路には鯉の他にもアブラハヤが何匹かいまして、3年生がこれを救いにいきました。また、6年生の男の子2人は、土曜日に残るアブラハヤを救い、近くの水源下の流れに戻してくれました。春の季節、昔は井手の水を落とし、井手を掃除する井手さらえが行われていました。子どもたちにとっては水が少なくなった水路の魚をとることが楽しみでした。もちろん捕った魚は夕食のおかずになったのですが、中松の子どもたちはもとに戻そうとしています。子どもたちの優しさを感じさせる一コマでした。3月に入ります。子どもたちはこの1年、心と体も大きく成長してきました。優しい心が育ってくれたことをうれしく思います。