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季節のたより

白梅咲く

 ここ数日、とても暖かい日が続きました。何でも4〜5月の気温だとか。

 このまま春になってくれればと思うのは、少し虫のいい話かも知れません。

 今日、午前中に校庭を回ってみました。体育でランニングをしていた子どもたちは半袖で、額にうっすら汗を浮かべていました。

 校内には1箇所だけ梅の木が植えられています。プールの東側で、白い花が咲いていました。

 先週の水曜日に見たときは堅いつぼみのままでしたから、あっという間に花が咲いたようです。春が近づいたことを敏感に感じ取っていることに驚きです。ほんとうに自然には感服するばかりです。


 加賀千代女(かがのちよじょ)の句に「梅咲くや 何が降っても 春ははる」というのがありますが、これから雪が降ろうと氷雨が降ろうが春がやって来たことに変わりはありません。

 梅の句の有名なものに「梅一輪 一輪ほどの暖かさ」というものがあります。かの松尾芭蕉の高弟、服部嵐雪(はっとりらんせつ)が詠んだ句です。

これも梅が詠まれているので、春の句だと思っていましたが、何と違うそうです。

実は、この句には前書きがあって、「この句で詠んだ梅は寒梅です」と説明してあるそうです。

寒梅は冬の季語で、俳句だけ読むと春だと思うのですが、俳句だけ読んでも駄目なんだと思わせられました。


 せっかくですので、私の好きな梅の句をいくつかご紹介したいと思います。


  「梅咲くや せうじに猫の 影法師」(小林一茶)

   「せうじ」とは障子のこと。廊下でひなたぼっこしている猫が目に浮かびます。

 

 「梅が香に 火のなき火鉢 並びけり」(久保田万太郎)

    春の日の暖かな風景が伝わります。


  この他に小さな花たちもたくさん咲いていました。冬の眠りから覚めたテントウムシも花の茎や葉の上を活発に動き回っていました。

 桜の枝も少しずつ芽が膨らんできています。待ち遠しい春も、そこまで来ているようです。