水上学園日記
台風一過
台風15号が九州の東側をかすめて北上していきました。大きな影響がなく、ホッと胸をなでおろした方も多いのではないでしょうか。しかし、隣の宮崎県内では、9月1か月分に相当する雨量を観測した地域もあったようです。これから台風の進路にあたる地域の被害が出ないことを祈るばかりです。
一般的に、秋の台風が通り過ぎると「台風一過の爽やかな青空」が広がるといいますが、今日の運動場は【危険な暑さ】でした。お昼頃には気温が35度前後、暑さ指数(WBGT)は32度を超え、当然ながらお昼休みの外遊びは禁止にしました。
2学期が始まってから10日ほどが経ちましたが、外で遊べたのはわずか2日しかありません。誰もいない運動場でミンミンゼミが鳴き、生ぬるい風がどんよりと吹きつける様子は、残暑の厳しさを物語っていました。
この厳しい残暑はまだしばらく続くと思われます。ご家庭でも「早寝・早起き・朝ご飯」を心がけ、お子様の体調管理にご協力をお願いいたします。
そんな中でも、学校では「文化の秋」に向けた準備が着々と進んでいます。5時間目には、3年生から6年生までの児童が多目的ホールに集まり、今後の各種行事で披露する鼓笛隊の練習が始まりました。全体で合わせるのはまだ3回目とのことですが、ずいぶん演奏が様になっていました。これからの仕上がりが楽しみです。
しばらくは家でも練習をすることもあるかと思います。ご迷惑をおかけしますが、温かく見守っていただけますと幸いです。
納税義務
本校は今年度、租税教育実践校として、税を身近なものとして捉えるための様々な活動に取り組んでいます。
6年生の社会科では、「なぜ税金が必要なのだろう?」という問いから始め、その種類や使い道を学び、税が私たちの暮らしを支える仕組みについて理解を深めます。また、納税への意識を高めるため、税に関する作品づくりにも挑戦しています。本日の書写の時間には、「納税義務」という言葉に一人ひとりが真剣に向き合いました。
10月には、税務署の方を講師にお迎えし、租税教室を開催します。そして、いよいよ10月6日には水上村子ども議会が開催され、9年生が代表として、これまでの学びを活かした質問や提案を行います。子どもたちの学びが、地域社会への貢献へとつながっていくことを期待しています。
がんばれ!日本!
世界バレー、熱戦が続いていますね。テレビで熱くなって観戦している方も多いのではないでしょうか。今日(9月3日)は、女子の決勝トーナメント準々決勝で、日本はオランダと対戦します。ぜひ勝利してベスト4進出を決めてほしいですね。みんなで応援しましょう。
奇しくもそんな中、本校の体育館では5・6年生が「ネット型ゲーム」としてバレーボールに取り組んでいました。初めてバレーボールをする子も多く、基本的なルールを確認した後、「アタックはなし」「ボールはキャッチしてもよい」という特別ルールで、バレーボールの基本的な形に慣れていきました。みんな楽しそうに取り組み、点数が入ると、それぞれのチームで思い思いに声を出して喜び合っていました。
体育でいう「ネット型ゲーム」は、今回のバレーボールをはじめ、バドミントンや卓球などが挙げられます。決して最近流行している、スマホやゲーム機で行う「オンライン対戦ゲーム」ではありません。
心身ともに大きく成長する時期であるこの年代の子どもたちにとって、実際に体を動かす「ネット型ゲーム」に取り組むことは、多くのメリットをもたらします。俊敏性や瞬発力、空間認知能力や判断力の向上といった身体的な効果に加え、協調性やコミュニケーション能力、課題解決能力の育成、自己肯定感の向上など、精神面でも良い影響が期待できます。
まだまだ残暑が続きますので、熱中症に気をつけながら、みんなでスポーツの秋を楽しみたいですね。
Learning by Doing(為すことによって学ぶ)
今日の1時間目、1年生は国語の教科書に書かれた、たくさんのひらがなを、縦・横・斜めに読んで言葉を集める活動を行っていました。「先生、先生!〇〇があったよ!」教室のあちこちからそんな声が聞こえてきます。夢中になって言葉集めをしていました。
2時間目は生活科でお外に出て「生き物探し」。チョウチョやトンボをみんなこれまた夢中になって追っかけていました。
この2つの活動は、全く別の教科で、目的も内容も別々ですが、見方や考え方によっては重要な部分でつながってきます。それは語彙の獲得という部分です。
大学などの調査によると、小学1年生の時点で約7,000語の語彙力を持つ児童は、小学6年生になるまでに約37,000語にまで語彙数を増やし、学業成績も良好である傾向が見られます。一方で、語彙数が少ない児童(約2,000語程度)は、小学6年生になっても8,000語程度に留まり、成績も下位に位置することが多いとされています。このデータからわかるように、幼児期から小学校低学年期にかけての語彙獲得は、その後の学習能力や学力に大きく影響すると考えられています。
では、どのようにして語彙を獲得していけばよいのでしょうか?
最新の認知科学では、幼少期から小学生にかけての時期は、脳が急速に発達し、言語処理能力も大きく伸びる感受性の高い期間と考えられ、この時期に豊かな言葉に触れ、語彙を増やすことは、脳の言語ネットワークを強化し、思考力や表現力を高める基盤となると言われています。多読や多様な経験を通じて語彙を増やすことが、学力向上だけでなく、将来の知的活動全般にわたる重要な要素であると言えるでしょう。
特に、慶應義塾大学教授で子どもの語彙獲得のメカニズムについて多くの研究を行っている認知科学者の今井むつみ先生は、単に語彙数を増やすだけでなく、「生きた知識」として語彙を獲得することが重要であると説かれています。
たとえば、「ウサギ」という言葉を初めて聞いたとき、子どもは目の前の白いウサギを見て「この動物をウサギというんだな」と推論します。次に、絵本で茶色いウサギを見ても「これもウサギだ」と推論し、言葉の指し示す範囲を広げていきます。このプロセスを通じて、子どもは自力で概念を形成し、語彙を「生きた知識」として脳内のネットワークに組み込んでいきます。この「自ら考える力」こそが、その後の思考力や学力を支える基盤となると考えられています。
つまり、今日の1年生は、国語の教科書でたくさんの語彙を探しました。その後、お外に出て、豊かな自然環境の中で、沢山の動物や植物に触れて、教科書で得た語彙を生きた知識にしていたのです。単なる知識の詰め込みではなく、正に「為すことによって学ぶ」(Learning by Doing)ことができた瞬間だと思います。
Learning by Doingとは、100年以上も前にアメリカで活躍した教育学者のジョン・デューイの思想です。彼は、従来の詰め込み式教育が、変化の激しい現代社会で自律的に生きていく力を育むのに不十分だと考え、子どもが現実の経験を通して主体的に学ぶ「経験主義」が大切だと提唱しました。
100年以上も経過した今、世界は正に激流の中にいます。今必要な教育の姿を今日は垣間見たような気がしました。
9月になりました
給食の献立表から引用です。
「9月1日は防災の日です。非常時のために食品を多めに買い、使ったら補充する「ローリングストック」が大切です。今日の救給コーンポタージュを食べながら、もしもの時に備えて、お家でも非常時の備えを準備しておく大切さを考えましょう。」 今日の献立はこちら
9月1日が「防災の日」と定められている理由は、主に以下の2つが挙げられます。(Googleの生成AI”Gemini”の回答です)
1.関東大震災が発生した日であること
1923年(大正12年)9月1日に、マグニチュード7.9と推定される「関東大震災」が発生しました。
この地震により、死者・行方不明者は10万人以上という甚大な被害をもたらし、日本の防災対策の重要性が強く認識されるきっかけとなりました。
この教訓を忘れないために、政府は1960年(昭和35年)に9月1日を「防災の日」と制定しました。
2.暦の上で台風の多い時期であること
9月1日は、暦の上で「二百十日(にひゃくとおか)」にあたります。
これは立春から数えて210日目の日で、古来から台風が多く襲来する厄日とされてきました。
関東大震災だけでなく、台風や豪雨などの風水害についても国民の意識を高め、備えを促す目的も含まれています。
これらの理由から、9月1日は地震や台風などの自然災害に対する認識を深め、これに対処する心構えを準備する日として、全国各地で防災訓練や啓発活動が行われています。
先日の大雨により被害を受けた地域の皆さんに心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧を願っています。また、今後いつ起こるかわからない自然災害についての意識を高め、できる限りの準備をしていかなければならないと気持ちを新たにしました。
さて、9月に入りましたが日中は30度を超える真夏日が続いています。教室の中はエアコンにより快適に学習が行われていますが、外は危険な暑さが続いており、今日のお昼休みも外遊びは禁止になりました。そうした近年の猛暑を鑑みて、村当局と教育委員会のお取り計らいにより、校内に3台もの冷水機が設置されました。コップや水筒などに注いで利用するタイプです。暑い日が続きますが、水筒の中身がなくなってしまってもいつでも補充できます。大変ありがたいことです。感謝して使わせていただきます。