水上学園日記
お彼岸
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を実感する今日この頃。日ごとに涼しさが増し、秋の訪れを感じています。
村の至る所に彼岸花が咲き誇り、先日まであれだけ厳しかった残暑が嘘のようです。今年は記録的な暑さとなった夏でしたが、生き物の力はすごいですね。お彼岸になると、ちゃんと花を咲かせています。この美しい原風景をいつまでも大切にしていきたいものです。
さて、秋といえば読書や勉強、食欲など、様々な楽しみが思い浮かびますが、この数週間はスポーツの話題も花盛りでした。世界陸上に注目された方も多かったのではないでしょうか。世界のアスリートたちが、走り、跳び、投げる姿から、大きな感動と勇気をもらうことができました。
遠くの世界で活躍するアスリートたちも素晴らしいですが、私たちの身近にも、ひたむきにスポーツに取り組んでいる人達がいますので、ここでほんの一部ですが、結果を紹介します。
- ハヤカワスポーツ旗 人吉球磨中学生新人ソフトテニス大会
- 女子団体 優勝 水上学園
- 熊本県民体育祭
- 水泳競技 男子55歳以上 50m平泳ぎ 2位 上村裕一 教頭先生
- 陸上競技 男子29才以下400m 4位 松森史晃 先生
おめでとうございます!
AI時代の教育の意義
AI技術の急速な発展は、私たちの生活を大きく変えつつあります。その一方で、AIが生み出す情報やコンテンツの真偽を見極める難しさから、不安を抱かれている方もいらっしゃるかもしれません。
本校では、そのような時代だからこそ、AIを「脅威」としてではなく「学習のパートナー」として活用する道を模索しています。今年度からAIを活用した英語教育強化事業に取り組んでおり、日々、AIと対話しながら英語を学ぶ授業を実践しています。
先日は熊本県の教育委員会の方々が視察にお越しになり、生徒たちの学習の様子を熱心にご覧になりました。
生徒たちはAIを相手に発音や文法をチェックするだけでなく、身近な友達やデビット先生と英語でコミュニケーションをとり、自分の考えを伝え合っていました。AIが持つ利便性を最大限に生かしつつ、人とのリアルな対話を通して「生きた英語」を学んでいる姿は、とても印象的でした。
AIがどんなに進化しても、人間にしかできないことは必ずあります。これからの時代を生き抜く子どもたちに、私たちは何を教え、何を伝えるべきなのか。この問いに向き合うことこそ、教育機関である私たちの使命だと、改めて感じた一日でした。
ご来校ありがとうございました
終日フリー参観日
本日は、朝から夕方まで終日フリー参観日でした。お忙しい中、たくさんの方にご来校いただき、誠にありがとうございました。
今回は、日頃のありのままの授業を見ていただきました。子どもたちが落ち着いて授業に取り組む様子や、タブレットPCを使いこなす姿など、いつもの学校生活をご覧いただけたかと思います。村の民生委員の皆様からも、「子どもたちが素直で、授業のレベルが高い」とのお言葉をいただき、大変嬉しく思いました。
これも、保護者の皆様の温かいご支援、村当局の力強いバックアップ、そして先生方の熱心な指導が一体となって生み出された相乗効果だと感じています。皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。
球磨川「緑の流域治水」出前授業を実施
午後は、4〜6年生を対象に、熊本県球磨川流域復興局と市房ダム管理所の皆様による「緑の流域治水」についての出前授業を行いました。
令和2年7月豪雨災害の被害状況や、洪水が発生する仕組みについて、わかりやすく説明していただきました。子どもたちは、球磨川流域の立体地図を実際に触りながら、真剣に学習に取り組んでいました。
授業の最後に、児童代表が「今日帰ったら家族とマイタイムラインづくりに取り組みます」と力強く話してくれました。これをきっかけに、各ご家庭でも防災について話し合う機会を持っていただけたら幸いです。
くまもとマイタイムライン(熊本県知事公室危機管理防災課へのリンク)
全員が主役!クラウドで創る新しい国語の授業
今日の国語の授業を参観すると、5年生の子どもたちが新しく配られたタブレットPCを前に、熱心に画面を覗き込み、キーボードを打っていました。
一見すると、個々に作業しているように見えます。しかし、彼らが入力しているのは、クラス全員で共有されたたった一つのドキュメント。周りの友だちの考えがリアルタイムで画面に表示され、それを読みながら自分の意見を加えていたのです。
従来の授業との大きな違い
従来は、先生が一方的に情報を伝える受け身の授業が中心でした。意見発表の機会も限られ、一部の子どもたちの考えしか共有されないことも少なくありませんでした。
しかし、GIGAスクール構想でクラウドの活用が広がり、授業のあり方は大きく変わりました。
クラウド上の同一ドキュメントに全員が同時に書き込むことで、一人ひとりの思考が「見える化」されます。子どもたちは、友達の意見に刺激を受けたり、疑問を投げかけたりしながら、自分の考えをより深く、広くすることができます。
この共同作業のプロセスを通じて、子どもたちは受け身の学習者ではなく、自ら学びを創り上げる「共同構築者」へと変化していきます。クラス全体で活発な意見交流が生まれ、より多層的な議論が可能になっていることを実感しました。
先生たちの学びも深まる放課後
子どもたちの学びの質を飛躍的に高めるクラウド活用。今日の放課後は、私たち教員も研修を通して、さらなる授業改善に向けて学びを深めます。
このような新しい学びの形を、子どもたちと先生が一緒になって創り上げていけることに、大きな期待を感じています。
「わび・さび」を体験
6年生が社会科で千利休を学んだ後、抹茶体験をしました。これは、歴史を五感で深く理解するための工夫です。教科書だけでは得られない「わび・さび」の世界を、実際に体験してもらおうというねらいです。
厳しい戦国の世で、千利休は茶の湯を通して人々が心を落ち着かせる時間をつくりました。抹茶を点て、味わう一連の動作から、「一期一会」や「和敬清寂」といった茶の湯の精神を体感できたのではないでしょうか。
豊臣秀吉らと利休の関係を学んだ後の体験は、より深い意味を持ちます。単にお茶を飲むだけでなく、利休が目指した「質素で静謐な美」を肌で感じ、当時の文化や人々の暮らしを想像する力も養われたことでしょう。
今回の体験は、歴史の知識を暗記するだけでなく、体感し、自分なりの考えを持つきっかけになったはずです。これこそまさに「為すことによって学ぶ」です。日本の伝統文化に触れる貴重な機会として、子どもたちの心に深く残る体験となったことでしょう。
さて、皆さんの身の回りには、他にどんな日本の伝統文化があるでしょうか?ぜひ意識して探してみてください。