2025年9月の記事一覧
読書の楽しさを地域と共に!今年度初の読み聞かせ開催
今年度初めての読み聞かせが行われました。ご多忙の中、ご協力いただいたボランティアの皆様、心よりありがとうございました。子どもたちは、物語の世界に引き込まれ、豊かな時間を過ごすことができました。
読み聞かせがもたらす2つの大きな効果
小・中学生に対する読み聞かせは、それぞれの発達段階に応じた、多様で重要な教育効果が期待できます。
A. 子どもたちの内面を育む効果
- 言語能力・語彙力の向上
- 思考力・想像力・感性の育成
- 精神的な安定と集中力の向上
B. 地域とのつながりを深める教育効果
さらに、学校の教室で、地域の方々などのボランティアの皆さんに読み聞かせをしていただくことは、単に物語を聞く以上の、多面的な教育効果が期待できます。
- 子どもたちの学びや体験の拡大
- 地域とのつながりや社会性の育成
- 学校全体の読書活動の質が向上
- 開かれた学校づくり
ボランティアによる読み聞かせは、読書の楽しさを伝えるだけでなく、子どもたちにとって社会とつながり、様々な価値観に触れる生きた学びの場となるでしょう。
新しいご縁と今後の交流
今回から新たに、村内在住で以前からご協力いただいている方々に加え、ご縁があり、やまえおなはしグループ「おひさま」の皆さんにもご協力をいただけることになりました。貴重なご縁に心より感謝申し上げます。今後は「おひさま」の皆さんと、読み聞かせについての情報交換や交流ができることを楽しみにしています。
読書の秋を楽しみませんか
さて、めっきり秋らしくなってきました。読書の秋です。今回、子どもたちが体験したように、本には心を豊かにする力があります。ご家庭でも、秋の夜長に親子で一緒に読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。
なお、本校では、読み聞かせにご協力いただくボランティアを募集しています。ご興味のあられる方は、学校にご連絡ください。
学び続ける先生たち!
先生たちも日々、学んでいます!
熊本県教育委員会主催の「共創型次世代教員研修」の一環として、授業研究会を開催いたしました。
この研修は、主に採用から6年目を迎える先生方が対象の、未来の教育を担うための重要な研修です 。教師自身や組織の課題を探究し、協働的に課題解決に向かう力を育成することを目的としています 。
吉田先生による研究授業:2年生「おもちゃランド」への挑戦
本日の研究授業の授業者は吉田先生です。
公開されたのは、2年生の生活科の授業でした。子どもたちの今日の課題は、「1年生を招待する『おもちゃランド』を、より楽しい遊びやおもちゃにするにはどうしたらいいか」を考えること。
各班の子どもたちは、「1年生が喜ぶには?」「もっと夢中になって遊んでもらうには?」と、相手を想像しながら活発に意見を出し合っていました。作ったおもちゃを実際に動かして確認したり、工夫点を何度も話し合ったりと、まさに思考錯誤の連続。活動を通して、子どもたちが深く学び、成長していく姿が見られました。
県立教育センター指導主事をお招きして
授業後には、県立教育センターから指導主事の先生をお招きし、研究協議を行いました。
「相手意識(1年生)を持たせるために、授業の冒頭でどんな仕掛けができるか」「子どもたちの協働的な活動を、さらに深めるための教師の働きかけ」といった専門的な視点から、具体的なご指導とアドバイスをいただきました。
今回の研修で得られた指導や学びは、吉田先生はもちろん、本校の全教職員で共有し、日々の授業改善に活かしていきます。
地域と共に、未来の学びを創る
この「共創型次世代教員研修」の目的の一つには、自身や学校の課題を探究し、協働的に解決に向かう力を育成することが挙げられています 。
今後も、地域や保護者の皆様と「共創」しながら、より魅力的な学校づくりを進めてまいります。
引き続き、本校の教育活動へのご理解とご協力をお願いいたします。
みんなの生活を守る人たち
4年生が社会科見学として球磨川上流浄化センターとクリーンプラザを訪れました。私たちの生活で使われた後の水やごみが、どのように処理され、環境が守られているのかを学び、子どもたちは驚きと感動の連続でした。
驚き!微生物の力が汚れた水をきれいにする下水処理施設
最初に訪れたのは球磨川上流浄化センターです。家庭や学校、工場から出た汚れた水(汚水)が、どうやって川や海に戻せるきれいな水に変わるのかを見学しました。
子どもたちが特に驚いたのは、水をきれいにするために微生物の力が使われていることです。最大の驚きは、その微生物を顕微鏡で直接観察した瞬間でした。
「うわっ、動いてる!」「小さいのがたくさんいる!」
顕微鏡をのぞいてみると、ウネウネと動き回る原生動物や、フワフワとした綿状の塊(活性汚泥)でした。子どもたちは、今まで目に見えなかった、何億もの小さな生き物たちが、汚水の中の汚れを必死に食べ、水をきれいにするという「命がけの浄化作業」を目の当たりにし、歓声を上げました。
薬や機械だけでなく、この小さな働き者たちの力と、それを24時間体制で管理する人々の仕事のおかげで、私たちの生活排水が自然に戻されていることを、強く実感した貴重な体験となりました。
命を守る仕事:ごみ処理施設での徹底した環境対策
続いては、クリーンプラザへ。ここでは、私たちが毎日出すごみがどのように処分されているか、その舞台裏を学びました。
ごみの収集から、焼却炉での徹底した燃焼処理、そして環境を汚染しないための排ガス処理の仕組みを見学しました。特に、ごみ処理の過程で発生する汚れた水(浸出水など)も、微生物の力で処理され、環境基準を満たした上で排出されていることを知り、その徹底した環境対策に感心しました。
汚水処理もごみ処理も、私たちの命と環境を守るなくてはならない仕事であり、そこには多くの専門的な知識と技術、そして強い責任感を持つ方々が携わっていることを実感しました。
見学を終えて
今回の社会科見学を通して、子どもたちは「水とごみ」という身近なテーマから、社会を支える人々の仕事の重要性を深く学びました。
そして、
・水を大切に使うこと
・ゴミを減らすこと
・ゴミを正しく分別すること
これらは、施設で働く方々の努力を無駄にせず、美しい環境を未来に引き継ぐために、私たち一人ひとりがすぐにできる大切な行動です。
今回の学びを生かし、4年生は家庭や地域でも、環境を守るための行動を呼びかけていくことだと思います。保護者の皆様、地域住民の皆様にも、ぜひこの学びの共有にご協力いただければ幸いです。
これからも、水上学園は子どもたちが社会の仕組みを理解し、水上村や熊本県、ひいては日本の「未来を切り拓く人」として成長できるよう、様々な学習活動を続けてまいります。
山江村の皆様が視察に来られました!
義務教育学校の設立を検討されている山江村の皆様がお見えになりました。山江村の皆様が熱心に検討されている様子に触れ、私たちも改めて、義務教育学校としての使命と可能性を再確認する貴重な機会となりました。
視察は、本校開校までの経緯について、教育委員会事務局から詳しくご説明することから始まりました。施設分離型から施設一体型への移行、カリキュラムの調整など、開校に至るまでの試行錯誤の道のりをお伝えしました。
熱心なご質問
続く質疑応答の時間では様々な角度からのご質問をいただきました。
- 「4・3・2」のステージ制をとった理由は?
- 「異年齢交流」による子どもたちへのメリットは?
- 特色のある地域との交流にはどのようなものがあるか?
- 修学旅行や制服は? などなど
特に、子どもたちの健全な成長を支えるための具体的な実践例や、学校運営上の工夫について、時間をかけて熱心にご質問いただきました。その真剣な姿勢から、山江村が未来の義務教育学校にかける高い意識と熱意を強く感じました。
すてきな校内をご案内
質疑応答の後は、実際に授業が行われている校内施設の見学へご案内しました。木材をふんだんに使用した温かい雰囲気の校舎で、子どもたちが伸び伸びと学ぶ様子や、小学校と中学校の教員が連携して授業を行う様子などをご覧いただきました。視察団の皆様には、水上学園の「今」の活気と、施設一体型ならではの連携の強みを感じていただけたのではないかと思います。
今回の交流を力に!
今回の山江村の皆様との交流を通して、私たちは改めて、地域全体で子どもたちの未来を支えていくことの大切さを痛感しました。
山江村で設立を目指している義務教育学校が、素晴らしい学び舎となることを心より願っております。水上学園としても、今回の経験を糧に、さらに質の高い、地域に根差した、世界に一つだけの学校づくりを推進していきたいと気持ちを新たにすることができました。
本日はご訪問いただき、誠にありがとうございました。
「ポスター探偵団」が出動!
みなさんは、普段の生活でどれだけポスターを目にしているか意識したことはありますか?
3年生の国語の授業では、タブレットを活用して「ポスターを読もう」というテーマで授業が展開されました。この日、先生が黒板に書かれたのは次の3つの項目です。
- キャッチコピー
- 絵や写真
- 知らせたい内容
子どもたちは、これらの項目を意識しながら、校内に貼られている様々なポスターをタブレットで撮影しに行きました。
この授業で特に素晴らしいと感じたのは、ただ教室で教科書を読むだけでなく、子どもたちが自分から「情報を見つけに行く」という能動的な学習を体験したことです。タブレットを使うことで、気になるポスターをすぐに写真に撮って記録でき、後から教室でじっくりと見返すことができます。これは、タブレットパソコンを授業で活用する大きな利点の一つです。
「このポスターのキャッチコピーはどれだろう?」「この写真にはどんな意味があるのかな?」と、友達と話し合いながら、生き生きと活動する子どもたち。タブレットは、便利なツールとしてだけでなく、子どもたちの探究心や学びを広げるための大切な道具になっています。今回の授業のように、これからもICTを上手に活用した、楽しい授業をどんどん取り入れていきたいと思います。
ご家庭でも、お買い物に行った際などに、お子さんと一緒にポスターや広告について話してみてはいかがでしょうか。「これはどういう人に向けたポスターかな?」「何が一番伝えたいことだと思う?」といった質問が、新しい発見につながるかもしれません。
お彼岸
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を実感する今日この頃。日ごとに涼しさが増し、秋の訪れを感じています。
村の至る所に彼岸花が咲き誇り、先日まであれだけ厳しかった残暑が嘘のようです。今年は記録的な暑さとなった夏でしたが、生き物の力はすごいですね。お彼岸になると、ちゃんと花を咲かせています。この美しい原風景をいつまでも大切にしていきたいものです。
さて、秋といえば読書や勉強、食欲など、様々な楽しみが思い浮かびますが、この数週間はスポーツの話題も花盛りでした。世界陸上に注目された方も多かったのではないでしょうか。世界のアスリートたちが、走り、跳び、投げる姿から、大きな感動と勇気をもらうことができました。
遠くの世界で活躍するアスリートたちも素晴らしいですが、私たちの身近にも、ひたむきにスポーツに取り組んでいる人達がいますので、ここでほんの一部ですが、結果を紹介します。
- ハヤカワスポーツ旗 人吉球磨中学生新人ソフトテニス大会
- 女子団体 優勝 水上学園
- 熊本県民体育祭
- 水泳競技 男子55歳以上 50m平泳ぎ 2位 上村裕一 教頭先生
- 陸上競技 男子29才以下400m 4位 松森史晃 先生
おめでとうございます!
AI時代の教育の意義
AI技術の急速な発展は、私たちの生活を大きく変えつつあります。その一方で、AIが生み出す情報やコンテンツの真偽を見極める難しさから、不安を抱かれている方もいらっしゃるかもしれません。
本校では、そのような時代だからこそ、AIを「脅威」としてではなく「学習のパートナー」として活用する道を模索しています。今年度からAIを活用した英語教育強化事業に取り組んでおり、日々、AIと対話しながら英語を学ぶ授業を実践しています。
先日は熊本県の教育委員会の方々が視察にお越しになり、生徒たちの学習の様子を熱心にご覧になりました。
生徒たちはAIを相手に発音や文法をチェックするだけでなく、身近な友達やデビット先生と英語でコミュニケーションをとり、自分の考えを伝え合っていました。AIが持つ利便性を最大限に生かしつつ、人とのリアルな対話を通して「生きた英語」を学んでいる姿は、とても印象的でした。
AIがどんなに進化しても、人間にしかできないことは必ずあります。これからの時代を生き抜く子どもたちに、私たちは何を教え、何を伝えるべきなのか。この問いに向き合うことこそ、教育機関である私たちの使命だと、改めて感じた一日でした。
ご来校ありがとうございました
終日フリー参観日
本日は、朝から夕方まで終日フリー参観日でした。お忙しい中、たくさんの方にご来校いただき、誠にありがとうございました。
今回は、日頃のありのままの授業を見ていただきました。子どもたちが落ち着いて授業に取り組む様子や、タブレットPCを使いこなす姿など、いつもの学校生活をご覧いただけたかと思います。村の民生委員の皆様からも、「子どもたちが素直で、授業のレベルが高い」とのお言葉をいただき、大変嬉しく思いました。
これも、保護者の皆様の温かいご支援、村当局の力強いバックアップ、そして先生方の熱心な指導が一体となって生み出された相乗効果だと感じています。皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。
球磨川「緑の流域治水」出前授業を実施
午後は、4〜6年生を対象に、熊本県球磨川流域復興局と市房ダム管理所の皆様による「緑の流域治水」についての出前授業を行いました。
令和2年7月豪雨災害の被害状況や、洪水が発生する仕組みについて、わかりやすく説明していただきました。子どもたちは、球磨川流域の立体地図を実際に触りながら、真剣に学習に取り組んでいました。
授業の最後に、児童代表が「今日帰ったら家族とマイタイムラインづくりに取り組みます」と力強く話してくれました。これをきっかけに、各ご家庭でも防災について話し合う機会を持っていただけたら幸いです。
くまもとマイタイムライン(熊本県知事公室危機管理防災課へのリンク)
全員が主役!クラウドで創る新しい国語の授業
今日の国語の授業を参観すると、5年生の子どもたちが新しく配られたタブレットPCを前に、熱心に画面を覗き込み、キーボードを打っていました。
一見すると、個々に作業しているように見えます。しかし、彼らが入力しているのは、クラス全員で共有されたたった一つのドキュメント。周りの友だちの考えがリアルタイムで画面に表示され、それを読みながら自分の意見を加えていたのです。
従来の授業との大きな違い
従来は、先生が一方的に情報を伝える受け身の授業が中心でした。意見発表の機会も限られ、一部の子どもたちの考えしか共有されないことも少なくありませんでした。
しかし、GIGAスクール構想でクラウドの活用が広がり、授業のあり方は大きく変わりました。
クラウド上の同一ドキュメントに全員が同時に書き込むことで、一人ひとりの思考が「見える化」されます。子どもたちは、友達の意見に刺激を受けたり、疑問を投げかけたりしながら、自分の考えをより深く、広くすることができます。
この共同作業のプロセスを通じて、子どもたちは受け身の学習者ではなく、自ら学びを創り上げる「共同構築者」へと変化していきます。クラス全体で活発な意見交流が生まれ、より多層的な議論が可能になっていることを実感しました。
先生たちの学びも深まる放課後
子どもたちの学びの質を飛躍的に高めるクラウド活用。今日の放課後は、私たち教員も研修を通して、さらなる授業改善に向けて学びを深めます。
このような新しい学びの形を、子どもたちと先生が一緒になって創り上げていけることに、大きな期待を感じています。
「わび・さび」を体験
6年生が社会科で千利休を学んだ後、抹茶体験をしました。これは、歴史を五感で深く理解するための工夫です。教科書だけでは得られない「わび・さび」の世界を、実際に体験してもらおうというねらいです。
厳しい戦国の世で、千利休は茶の湯を通して人々が心を落ち着かせる時間をつくりました。抹茶を点て、味わう一連の動作から、「一期一会」や「和敬清寂」といった茶の湯の精神を体感できたのではないでしょうか。
豊臣秀吉らと利休の関係を学んだ後の体験は、より深い意味を持ちます。単にお茶を飲むだけでなく、利休が目指した「質素で静謐な美」を肌で感じ、当時の文化や人々の暮らしを想像する力も養われたことでしょう。
今回の体験は、歴史の知識を暗記するだけでなく、体感し、自分なりの考えを持つきっかけになったはずです。これこそまさに「為すことによって学ぶ」です。日本の伝統文化に触れる貴重な機会として、子どもたちの心に深く残る体験となったことでしょう。
さて、皆さんの身の回りには、他にどんな日本の伝統文化があるでしょうか?ぜひ意識して探してみてください。