水上学園日記
未来への好奇心が動き出す ~学校に現れた「未来の乗り物」~
透き通るような青空が広がった今日の昼休み。本校の駐車場に、見慣れない、でもどこかワクワクさせるような白い車が姿を現しました。
「わあ、何これ!」「かっこいい!」
運動場で元気に遊んでいた子供たちが、吸い込まれるように集まってきました。そこにいたのは、丸みを帯びた近未来的なフォルムの電気自動車(EV)です。
### 水上村と未来をつなぐ「走る技術」
実は、私たちの水上村はユナイテッドトヨタ熊本様と包括連携協定を結んでいます。今日は、今後村内で開催される駅伝大会などの行事でこの車両を活用することを想定し、試験的に村内を走行されていたそうです。
車内を見学させてもらった子供たちの想像力は、一気に加速します。
「これ、いくらくらいするんだろう?(現実的!)」
「広くて、この車の中で生活できそうだよ!」
「次のサンタさんに、この車をお願いしてみようかな」
目を輝かせてハンドルやシートに触れる姿は、まさに未来の探検家そのものでした。
### 変化する社会と、9年生のまなざし
一方で、少し離れたところからその様子を見つめていた9年生たちの言葉には、ハッとさせられるものがありました。
彼らは、技術の進歩を「すごい」と感じつつも、「AIや自動運転が発展していくと、将来、人間の仕事がなくなってしまうのではないか」という不安も漏らしていました。ニュースや授業で社会の変化を学んでいるからこそ、新しい技術を自分事として、少し複雑な思いで捉えていたようです。
### 最新の「技術」を使いこなし、「未来」を創る力を
確かに、これからの社会は私たちが経験したことのないスピードで変化していくでしょう。しかし、大切なのは「技術に飲み込まれるのではなく、技術をどう使って、より良い社会を創るか」を考える力です。
今日、低学年の子たちが抱いた純粋な「ワクワク感」。そして、9年生が抱いた「鋭い危機感」。その両方を持って、これからの予測困難な時代を切り拓いていってほしいと思います。
水上学園では、新しいものに触れる機会を大切にしながら、自ら明るい未来を創造していける「水上っ子」を、これからも地域と共に育ててまいります。
突然の訪問で、子供たちに夢を与えてくださったユナイテッドトヨタ熊本の皆様、村長はじめ村当局の皆様、ありがとうございました。
新たな志を胸に ―三学期意見発表会―
今日は全校集会が開かれ、各ステージの代表児童生徒が「冬休みの思い出と三学期の目標」について堂々と発表してくれました。
トップバッターの1年生は、冬休みにお姉さんたちと一生懸命歩いた石段登りの思い出からお話が始まり、三学期は「計算を早く答えられるようになりたい」と力強く宣言しました。2年生よりも早く答えられるようになりたいという高い目標に向け、たくさんの問題にチャレンジする姿勢がとても頼もしく感じられました。
第2ステージ代表の7年生は、お父さんと釣りに行った経験を振り返りつつ、学習と部活動の両面で具体的な決意を述べました。二学期後半の反省を生かし、「苦手な問題から逃げない」「学習の質を変える」と自分を律する言葉には、後期課程の生徒らしい自覚が溢れていました。また、剣道部での県大会出場という目標も、日々の積み重ねの先にあるものとして見据えていました。
第3ステージ代表の8年生は、充実した冬休みのエピソードを披露しながらも、目前に迫った「受験生」としての自覚を語りました。ただ問題を解くだけでなく「なぜ間違えたのか」を考える学習へと深化させたいという、一歩踏み込んだ目標を掲げました。柔道での「最初から全力で取り組む」という意識改革も含めて、すべてのことに通じる大切な姿勢を堂々と宣言しました。
三人の発表に共通していたのは、単なる願望ではなく「そのためにどう行動するか」という具体的なプロセスを自分の言葉で語っていた点です。
前に立った三人だけでなく、フロアで耳を傾けていた皆さんの心の中にも、きっと新しい「志」が芽生えているはずです。三学期は、今の学年の締めくくりであると同時に、次のステージへの準備期間でもあります。一人ひとりが掲げた目標に向かって、一歩一歩、力強く前進していく姿を、私たち教職員も全力で応援していきたいと思います。
ご家庭でも、ぜひお子様がどんな目標を立てたのか、話題にしてみてください。
伝統と革新が交差する学び:教育委員の皆様による学校訪問
冬の澄んだ空気の中、本日は水上村教育委員会の皆様をお迎えし、子供たちが生き生きと学ぶ姿、そして先生方の創意工夫が光る授業を参観していただきました。
多様なアプローチで深まる学び
今日の授業風景は、まさに「多様性」に溢れていました。
五感を研ぎ澄ます学び
音楽室では様々な楽器の音色を響かせ、体育館では軽快にシャトルを追う姿が見られました。また、図工では身近な道具を使って創造力を駆使した造形活動が行われ、算数ではコンパスを使いこなし、正確な図形を描こうと集中する児童の姿が印象的でした。
「言葉」と向き合う
国語の授業では、自分自身の支えとなる「座右の銘」を探す活動が行われていました。子供たちは図書室の書籍とICT端末の両方を活用し、数ある名言の中から「今の自分」に響く言葉を熱心に選んでいました。
対話から生まれる思考
提示された数学の課題に対し、グループで顔を突き合わせて議論を深める姿や、寒々しい体育館の中では、バドミントンの技術向上に向けて意見を出し合い、それを体現するために夢中になってシャトルを追う姿も見られました。
教育委員の皆様からの声
授業参観後の意見交換では、委員の皆様から今後の励みとなる貴重なご意見をいただきました。
- 先生方へのねぎらい
「時代の変化とともに学ぶ内容が高度化する中、それに対応されている先生方の苦労に頭が下がります」
- 「不易と流行」の学び
先進的なICTの活用が見られる一方で、鉛筆で書くことや発言するといった従来の学びも大切にされており、ありがたいと感じました」
- 体験と継続の重要性
「実際に触れてみる、体験する授業が多く、子供たちの感性を育てている。」
「5年生の英語の授業からは、低学年から継続して取り組んでいくことの重要性を感じました。」
また、現在の児童生徒の実態や、学校施設の課題についても率直なご指摘をいただきました。
教育委員の皆様からいただいた「応援」の声を糧に、私たちはこれからも「伝統的な学びの価値」と「時代の要請に応える革新的な学び」を融合させ、水上学園の教育をさらに高めていきたいと考えています。
本日ご来校いただいた委員の皆様、誠にありがとうございました。
「創造」の息吹を感じる美術室 〜5年生、糸ノコで描く新しいカタチ〜
美術室から、リズミカルな振動音。教室の扉を開くと、その振動音とともに、子どもたちの心地よい緊張感が伝わってきました。現在、5年生の図工では「糸のこスイスイ」という、電動糸ノコギリを使った工作に取り組んでいます。
今回の活動の面白さは、あらかじめ「これを作る」という完成図を決めすぎないところにあります。まずは一枚のベニヤ板に、心が動くままに「思い思いの線」を引くことから始まります。それはパズルのピースのようでもあり、迷路のようでもある、自由な曲線です。
集中力が生む「偶然の形」
次に、その線に沿って糸ノコで板を切り分けていきます。
初めて触る電動工具に、最初は「少し怖いな」と慎重に板を動かしていた子どもたち。しかし、次第に機械の扱いに慣れてくると、自分の描いた複雑なカーブに沿って、真剣な眼差しで板を滑らせていきました。
切り進めるたびに、元の板からは想像もつかなかった不思議な「カタチ」が次々と生まれていきます。バラバラになったピースを手に取り、机の上に並べてみたり、積み上げてみたり。「あ、これ雲みたいに見える!」「こっちを組み合わせたら、面白い建物になりそうだよ」と、あちこちで発見の声が上がります。
校訓「創造」を形にする力
本校の校訓の一つに「創造」があります。
創造とは、単に新しいものを作るだけではありません。今回のように、目の前にあるバラバラの形から新しい意味を見出したり、失敗を恐れずに自分のイメージを形にしようと試行錯誤したりするプロセスそのものが、まさに「創造」の原点です。
白紙の板に線を引く勇気、慣れない道具を使いこなす努力、そして生まれた形から物語を紡ぎ出す想像力。美術室で過ごすこの時間は、子どもたちの中に眠る「創造」の芽を大きく育てる大切なひとときとなっています。
切り出された一つひとつのピースが、子どもたちの手によってどんな立体作品に生まれ変わるのでしょうか。美術室の片隅に積み上げられた木の欠片たちが、どこか誇らしげに見えました。完成した作品が校内に展示される日が、今からとても楽しみです。
心をつなぐ「言葉」の贈り物。〜新年初の読み聞かせ〜
新しい年が明け、いよいよ本格的に教育活動が動き出しました。そんな中、今日は本校にとって欠かせない、楽しみな行事が行われました。地域ボランティアの皆様による、「年明け初めての読み聞かせ」です。
お昼休みが終わり、静けさが戻った校舎に、ボランティアの方々の温かな声が響き渡ります。
驚きと興奮、そして感動の教室
低学年の教室を覗くと、子供たちはまるで物語の世界に吸い込まれたかのように、目を丸く見開いて身を乗り出し、一言も聞き漏らすまいと集中していました。
一方、8年生の教室では、手作りの着ぐるみが登場したり、歌や踊りが飛び出したり!教室はまるで小さな劇場のよう。弾けるような笑顔と驚きの声が廊下まで聞こえてくる、活気あふれる時間となりました。
9年生、心に刻む「人生の物語」
そして、卒業を間近に控えた9年生の教室は、打って変わって思索にふけるような、静謐な空気に包まれていました。
これから新しい世界へ羽ばたこうとする彼らの背中をそっと押してくれるような、「人生」を考えさせるお話。ボランティアの方が込めてくださった「これからの人生を自分らしく歩んでほしい」という願いが、生徒たちの心に深く染み渡っていくのが分かりました。
読み終わった後に述べられた生徒の素直な感想に、読み手の方が瞳を潤ませるという場面もあり、世代を超えて心が通い合った瞬間に胸が熱くなりました。
不思議なもので、読み聞かせが終わった後の学校全体は、魔法にかかったように和やかで穏やかな空気に満たされます。言葉の持つ力、そしてそれを届けてくださる地域の方々の深い愛情が、子供たちの「心の栄養」になっているのでしょう。
「明るく・楽しく・元気な水上学園」にとって、この時間はなくてはならない宝物です。
ボランティアの皆様、いつも本当にありがとうございます。今年も、本と人との素敵な出会いを大切に育んでまいります。