学校生活

2016年6月の記事一覧

1年生の学級通信から

物を大切にする心

入学して2カ月、子どもたちは学校に慣れ、自分のペースが出始めました。なかでも、整理整頓に関しては人それぞれ、机の中がいつもきちんと片付いている子もいれば、引き出せないくらいものを詰め込んでいる子もいます。いろいろな落とし物やなくし物も出始めました。名前が書いてあるものはすぐに返せるのですが、名前のないものは、引き取り手がなくたまっていく傾向にあります。『なくなって困らないのかな。』と思って見てみますと、筆箱の中に消しゴムが2個も3個も入っている人がいます。お宅のお子さんはどうですか?

私が、以前、受け持っていたお子さんに、いろいろなものをどこそこに落とし、なくし物を多くするお子さんがいました。お母さんが小さいものに名前を書いてくださっているのですが、落とし方が半端じゃないので効果がありません。本人は、なくなってもケロッとしていました。どうしたものかと考えていたのですが、ある日、びっくりすることが起きました。なんと、その子が、鉛筆がない、消しゴムがないと青くなりだしたのです。今までの様子とのあまりの違いにびっくりして、「どうしたの。」と聞きますと、「なくしたら、もう買ってもらえない。今朝、鉛筆が3本あったから、3本ないとおこられる。」というのです。朝から、筆箱の中に鉛筆が3本、赤鉛筆が1本、消しゴムが1個入っていることを確かめて、帰ってから、朝あったものがちゃんと入っているかをまた確かめるようにされたようです。しかも、なくしたらもう買ってはもらえません。それからは、自分のものをきちんと覚え、大切にするようになりました。そして高学年まで続いていきました。子どもの様子をよく見て、どうすればいいかと考えたお母さんの努力が、大きくなってからの、そのお子さんの力となりました。お母さんから教えられた私でした。