水上学園日記
「創造」の息吹を感じる美術室 〜5年生、糸ノコで描く新しいカタチ〜
美術室から、リズミカルな振動音。教室の扉を開くと、その振動音とともに、子どもたちの心地よい緊張感が伝わってきました。現在、5年生の図工では「糸のこスイスイ」という、電動糸ノコギリを使った工作に取り組んでいます。
今回の活動の面白さは、あらかじめ「これを作る」という完成図を決めすぎないところにあります。まずは一枚のベニヤ板に、心が動くままに「思い思いの線」を引くことから始まります。それはパズルのピースのようでもあり、迷路のようでもある、自由な曲線です。
集中力が生む「偶然の形」
次に、その線に沿って糸ノコで板を切り分けていきます。
初めて触る電動工具に、最初は「少し怖いな」と慎重に板を動かしていた子どもたち。しかし、次第に機械の扱いに慣れてくると、自分の描いた複雑なカーブに沿って、真剣な眼差しで板を滑らせていきました。
切り進めるたびに、元の板からは想像もつかなかった不思議な「カタチ」が次々と生まれていきます。バラバラになったピースを手に取り、机の上に並べてみたり、積み上げてみたり。「あ、これ雲みたいに見える!」「こっちを組み合わせたら、面白い建物になりそうだよ」と、あちこちで発見の声が上がります。
校訓「創造」を形にする力
本校の校訓の一つに「創造」があります。
創造とは、単に新しいものを作るだけではありません。今回のように、目の前にあるバラバラの形から新しい意味を見出したり、失敗を恐れずに自分のイメージを形にしようと試行錯誤したりするプロセスそのものが、まさに「創造」の原点です。
白紙の板に線を引く勇気、慣れない道具を使いこなす努力、そして生まれた形から物語を紡ぎ出す想像力。美術室で過ごすこの時間は、子どもたちの中に眠る「創造」の芽を大きく育てる大切なひとときとなっています。
切り出された一つひとつのピースが、子どもたちの手によってどんな立体作品に生まれ変わるのでしょうか。美術室の片隅に積み上げられた木の欠片たちが、どこか誇らしげに見えました。完成した作品が校内に展示される日が、今からとても楽しみです。
心をつなぐ「言葉」の贈り物。〜新年初の読み聞かせ〜
新しい年が明け、いよいよ本格的に教育活動が動き出しました。そんな中、今日は本校にとって欠かせない、楽しみな行事が行われました。地域ボランティアの皆様による、「年明け初めての読み聞かせ」です。
お昼休みが終わり、静けさが戻った校舎に、ボランティアの方々の温かな声が響き渡ります。
驚きと興奮、そして感動の教室
低学年の教室を覗くと、子供たちはまるで物語の世界に吸い込まれたかのように、目を丸く見開いて身を乗り出し、一言も聞き漏らすまいと集中していました。
一方、8年生の教室では、手作りの着ぐるみが登場したり、歌や踊りが飛び出したり!教室はまるで小さな劇場のよう。弾けるような笑顔と驚きの声が廊下まで聞こえてくる、活気あふれる時間となりました。
9年生、心に刻む「人生の物語」
そして、卒業を間近に控えた9年生の教室は、打って変わって思索にふけるような、静謐な空気に包まれていました。
これから新しい世界へ羽ばたこうとする彼らの背中をそっと押してくれるような、「人生」を考えさせるお話。ボランティアの方が込めてくださった「これからの人生を自分らしく歩んでほしい」という願いが、生徒たちの心に深く染み渡っていくのが分かりました。
読み終わった後に述べられた生徒の素直な感想に、読み手の方が瞳を潤ませるという場面もあり、世代を超えて心が通い合った瞬間に胸が熱くなりました。
不思議なもので、読み聞かせが終わった後の学校全体は、魔法にかかったように和やかで穏やかな空気に満たされます。言葉の持つ力、そしてそれを届けてくださる地域の方々の深い愛情が、子供たちの「心の栄養」になっているのでしょう。
「明るく・楽しく・元気な水上学園」にとって、この時間はなくてはならない宝物です。
ボランティアの皆様、いつも本当にありがとうございます。今年も、本と人との素敵な出会いを大切に育んでまいります。
極寒の中庭で、おひさまの温もりとエネルギーを学ぶ
今朝の冷え込みは、まさに「身を切るような」という言葉がぴったりでした。あさぎり町上の観測地点でマイナス8.6度。今季一番の冷え込みを記録し、水上学園の周囲も一面、真っ白な霜に包まれました。
登校してきた子どもたちの吐く息も白く、冬の厳しさを肌で感じる一日のスタートとなりました。
寒さに耐える命と、冬の知恵
ふと中庭に目を向けると、そこには厳しい寒さに耐える小さな命の姿があります。野草たちが葉を地面にぴったりと広げ、円盤状になっている「ロゼット」の状態です。
> ロゼット(Rosette)とは
> 地面からの地熱を逃さず、冷たい風をやり過ごすために、多くの野草が冬に見せる「知恵」の姿です。
凍てつくような霜をまといながらも、じっと春を待つその健気な姿には、自然の力強さを感じずにはいられません。
凍えそうな中庭で始まった「光」の実験
そんな極寒の中庭に、防寒着に身を包んだ6年生たちが現れました。理科の授業で「光電池(ソーラーパネル)」の実験を行うためです。
子どもたちは手に手に光電池を持ち、豆電球を点灯させたり、モーターを回したりすることに挑戦していました。
- どうすればもっと勢いよくモーターが回るのか?
- どの角度が一番効率よく光を捉えられるのか?
かじかむ手でパネルの向きを微調整し、友だちと試行錯誤を繰り返す姿は真剣そのものです。日差しが少しでも遮られると止まってしまうモーターに、「あ、止まった!」「もっとこっちだよ!」と元気な声が響きました。
クリーンエネルギーと「おひさま」のありがたみ
光電池は、二酸化炭素などの温室効果ガスを出さないクリーンエネルギーの代表格です。
地球温暖化が深刻な課題となっている今、私たちはこうした環境に優しいエネルギーの活用を真剣に考えていかなければなりません。子どもたちが今学んでいることは、まさに未来の地球を守るための大切な一歩です。
しかし、今日のような厳しい寒さの中に立つと、理屈抜きに感じるものがあります。それは、「おひさまの熱」の圧倒的なありがたさです。
温暖化を防ぐために太陽光をエネルギーに変える一方で、この寒さを凌ぐためにおひさまの温もりを心から待ちわびている――。
最先端の環境学習に取り組みながら、昔ながらの「おひさまの恵み」に感謝する。今季一番の寒さがもたらした、ちょっぴり皮肉で、そして温かな学びの風景でした。
今日はぜひ、お子さんに「外での実験はどうだった?」と聞いてみてください。寒さの中で見つけた小さな発見を、たくさん話してくれるはずです。
丙午の勢いに乗って!―令和8年の幕開け―
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、いよいよ令和7年度の締めくくりとなる、第3学期の始業式を行いました。冬休み中、大きな事故や病気の報告もなく、今日こうして全校児童生徒の元気な笑顔に再会できたことを、心から嬉しく思います。
箱根駅伝の感動を力に
お正月の風物詩といえば「箱根駅伝」ですが、今年は本校にとっても非常に嬉しいニュースがありました。毎年春に、ここ水上村で合宿を行っている青山学院大学が、見事な優勝を果たしました。昨年の3月には本校の運動場で陸上教室を開催していただき、今回の箱根路を走った選手たちも一緒に、楽しい時間を過ごしたことは、今でもよく覚えています。
選手たちがタスキを繋ぎ、一歩一歩、前を向いて走り抜ける姿には、多くの人が勇気と感動をもらったはずです。彼らが栄冠を勝ち取れたのは、個人の力はもちろんのこと、何よりも「チーム全員で一つの目標に向かう強い気持ち」と「最後まで諦めない心」があったからこそでしょう。
学校生活も同じです。一人ひとりが自分の目標を持ち、そしてクラスや学年というチームで支え合いながら、この1年を締めくくってほしいと願っています。
60年に一度の「丙午(ひのえうま)」
今年は「午年(うまどし)」です。馬が駆ける姿は、古くから「物事がスイスイと進む」「運気が上がる」と言われ、大変縁起が良いとされています。特に今年は、60年に一度巡ってくる「丙午」という、最も勢いのある年です。
3学期は「1年のまとめ」の時期であると同時に、次の学年への「準備」の時期でもあります。時間はあっという間に過ぎていきますが、この午年の勢いに乗って、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。
健康管理へのご協力のお願い
一方で、心配な状況も続いています。現在、校内で再びインフルエンザの罹患者が出ています。年末はA型が流行していましたが、現在はB型の流行へと移っているようです。中にはA型とB型の両方に罹患してしまう人もいるようですので、ご家庭でも手洗い・うがい等の予防に努めていただきますよう、改めてお願いいたします。
この3学期も、寒さに負けず、丙午のような力強いエネルギーで「明るく・楽しく・元気に」駆け抜け、大きく成長することを期待しています。
丙午のように勢いに乗って「明るく・楽しく・元気に」やるゾウ!水上学園!!
2学期終業式―「本物」に触れ、心豊かに成長した2学期―
今日、水上学園の長い2学期が幕を閉じました。8月末の始業式で子供たちに呼びかけた「やるゾウ!」という合言葉に応えるように、この約4ヶ月間、子供たちは大きく力強く成長してくれました。
今学期、子供たちは教室を飛び出し、多くの「本物」に触れる学びを経験しました。
1・2年生は地域の宝探しへ、3・4年生は社会科見学へ、そして5・6年生は宿泊行事や音楽祭、稲刈りと、自らの目や耳、手を使って、教科書だけでは学べない生きた知識を吸収しました。後期課程においても、7年生の農林業体験や8年生の職場体験を通して、地域で働く方々の想いや尊さを肌で感じることができました。特に9年生が「子ども議会」で村の未来を堂々と語る姿は、最高学年としての頼もしさに満ち溢れていました。
先日のロードレース大会で見せた、白い息を吐きながら自分の限界に挑む姿、そして多くの児童生徒が自己ベストを更新した結果は、まさにこの1年間のたゆまぬ努力の結晶です。
明日からの冬休み、子供たちには「この1年を振り返り、新年の目標を立てましょう」とお願いをしました。新しい年を迎えるにあたり、地域の皆様に支えられている感謝を忘れず、自分なりの決意を固めてほしいと願っています。
保護者の皆様、地域の皆様、この1年間、温かいご支援とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。どうぞ事故や怪我に気をつけて、ご家族で健やかな新年をお迎えください。1月8日、また子供たち全員の元気な笑顔に会えるのを楽しみにしています。