水上学園日記
未来行きのタイムマシンいよいよ出発の時ーいざ、前へ!ー
市房ダム湖のほとり、一万本の桜が今か今かと開花の時を待つこの良き日。水上村立水上学園において、第3回卒業証書授与式を挙行いたしました。
今日、16名の卒業生が、住み慣れた学び舎を巣立ち、新しい世界へと羽ばたいていきました。
今回の卒業生は、旧岩野小学校・湯山小学校の最後の卒業生として、また新しく開校した水上学園の「新しい学校のリーダー」として、文字通りこの学校の土台を築いてくれたメンバーです。
前期課程の児童を優しくリードし、新しい歴史を自らの手で創り上げてくれた彼らの姿は、まさに水上学園の誇りでした。
式では、在校生代表の平井さんが送辞を読み上げました。
先輩方との思い出を振り返るうちに感極まり、声を詰まらせながら語りかけるその言葉に、会場のあちらこちらからすすり泣く声が漏れ始めました。
そのバトンを受け取った卒業生代表の余利くん。
これまでの学校生活、仲間と過ごしたかけがえのない日々を振り返り、こらえきれずに涙をぬぐいながら、力強く、そして温かい感謝の気持ちを込めた答辞を届けてくれました。
そして式の最後、別れの歌として卒業生全員で合唱したのは、RADWIMPSの「正解」です。
「制限時間は あなたのこれからの人生」
歌詞の一言一言を噛みしめるように歌う彼らの歌声は、参列した保護者の皆様、地域の方々、そして教職員の心に深く響き、会場全体が大きな感動に包まれました。
式辞では、ホーキング博士の言葉を借りて「過去に戻ることはできない。だからこそ、今という瞬間の価値を大切にしてほしい」と伝えました。
それと同時に、彼らは全員が「未来行きのタイムマシン」に乗っているのだとも話しました。
これから先、何を学び、誰と出会い、どんな努力を積み重ねるか。
その一つ一つの選択が、彼らの未来を創り上げていく座標となります。
でも、道に迷ったときは、いつでもこの水上村を、この学び舎を思い出してください。ここは君たちの永遠の故郷です。
16人の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
未来への操縦桿をしっかりと握り、いざ、前へ。
9年生の修了式:涙と笑顔の節目
水上学園の9年生にとって、今日は1年間の課程を締めくくる大切な修了式でした。残すはいよいよ明後日の卒業式のみとなり、義務教育9年間の集大成を迎えようとしています。
式では、代表の川俣くんが意見発表を行いました。
- 涙のメッセージ:これまでの思い出がこみ上げ、涙を流しながらの発表となりました。
- 仲間の絆:行事での衝突や団結、当たり前だった日常が終わることへの切なさが語られ、他の生徒たちの涙を誘いました。
- 感謝の言葉:9年間共に成長した仲間や、本気で向き合ってくれた先生方への深い感謝が伝えられました。
副校長先生からは、最高学年として学校をリードしてきた9年生へ、温かい言葉が贈られました。
- 成長の証:この1年、悩みながらも最上級生としての責務を果たし、大きく成長した姿を「先生が保証する」と力強く語られました。
- 強み:進路に向けて自分自身を見つめ直した経験や、仲間と手を取り合い壁を乗り越えてきた絆こそが、これからの人生の強みになると強調されました。
- エール:水上学園で積み上げた日々に自信と誇りを持って、明後日の卒業式を最高の笑顔で迎えてほしいと締めくくられました。
修了式のあとは、多くの生徒にとって人生最後となるかもしれない給食の時間でした。
- お祝いメニュー:卒業を祝う赤飯が振る舞われました。
- リラックスしたひととき:教室では、仲間と共に机を囲み、ピースサインを送るなど、和やかな笑顔が溢れていました。
明後日の卒業式では、義務教育学校として開校してから3年間、学校をリードしてくれた9年生を、在校生と職員全員が心を込めて送り出します。
理科室から響く「発見」の足音:LearingbyDoing
「ゴロゴロ!」「カタカタッ」「おーっ!」。2階の理科室から賑やかな音が響いてきました。教室の中を覗くと、3年生の子どもたちが身を乗り出し、瞳を輝かせて何かに没頭しています。
今、3年生の理科では、1年間の学習の締めくくりとして「科学モノづくり」に取り組んでいます。
学びをおもちゃに詰め込んで
子どもたちの手元にあるのは、磁石、ゴム、電池、風の力……。これまで授業で学んできた科学の原理を応用した、個性豊かな手作りおもちゃたちです。
- 磁石の引き合う力を利用して、不思議な動きをする蝶々
- 回路の仕組みを応用して、スイッチを入れると元気に動き出す車
- ゴムの力を工夫した、ユニークな仕掛け
教科書に書いてある「正解」を確認するだけでなく、「どうすればもっと速く動くかな?」「なぜここでは止まってしまうんだろう?」と、トライ&エラーを繰り返す姿が印象的でした。
「生きた知識」へと変わる瞬間
これこそが、まさにLearningbydoing(なすことによって学ぶ)の本質です。
単に知識として暗記した「磁石の性質」や「電気の通り道」は、テストが終われば忘れてしまうかもしれません。しかし、自分の手で動かし、失敗し、工夫して完成させたおもちゃを通じて得た実体験は、体全体に刻み込まれる「生きた知識」となります。
理科室に満ちていた「ドタンバタン」という騒がしい音は、子どもたちが科学の不思議を体いっぱいで受け止め、思考を巡らせている心地よい足音のように聞こえました。
水上学園の子どもたちは、こうして遊びと学びの境界線を軽やかに飛び越えながら、探究する楽しさを育んでいます。ご家庭でも、ぜひ今日作ったおもちゃの「秘密」を、お子さんに詳しく聞いてみてください。きっと、誇らしげな解説が返ってくるはずです。
ヒカンザクラが見守る、それぞれの旅立ち
学校東側の斜面に、鮮やかなヒカンザクラが咲き誇っています。澄み渡る青空に映える濃いピンク色は、まるでこれからの新しい門出を祝福しているかのようです。
本日、公立高校後期選抜(一般)の1日目を迎えました。今年度の高校入試も、いよいよこれが最後の大勝負。試験会場で今まさに自らの可能性に挑んでいる生徒たちには、これまでの努力を信じ、最後まで粘り強くペンを走らせてほしいと、心から願うばかりです。
寂しさと誇らしさが入り混じる教室
一方、学校に残った、すでに進路の決まっている9年生たちの教室では、少し寂しい、しかし確かな一歩を感じさせる光景が見られました。
自分たちの手で作り上げ、教室を彩ってきた掲示物が一つ、また一つと外されていきます。学級目標、行事の思い出、日々の連絡事項……。壁が白く戻っていくたびに、この教室で過ごした時間の終わりが近づいていることを実感せずにはいられません。
「これまで積み上げてきたものを片付ける」この作業は、単なる片付けではなく、3年間の思い出を心のアルバムにしまい、次なるステージへ向かうための「心の整理」でもあります。掲示物のなくなった、少し広くなったように感じる教室の静けさは、この季節ならではの、胸を打つ感傷的な光景でした。
在校生へと引き継がれる想い
午後の体育館では、在校生たちが卒業式の練習に臨みました。整然と並ぶパイプ椅子、ピンと張り詰めた空気、そしてステージ上に掲げられた「卒業証書授与式」の文字。準備の整った式場に足を踏み入れると、別れと巣立ちの日がすぐそこまで来ていることを改めて痛感します。9年生の背中を見て育った後輩たちが、感謝の気持ちを込めて式に臨む。その姿もまた、水上学園の伝統が受け継がれていく尊い瞬間です。別れは寂しいものですが、緋寒桜が花を散らす頃には、生徒たちはそれぞれの新しい場所で、また瑞々しい芽を吹かせることでしょう。明日の入試2日目、そして週末の卒業式。一日一日を大切に、見守っていきたいと思います。
旅立ちの日に寄せて:卒業式へのカウントダウン
早いもので、カレンダーは3月を迎え、今日は桃の節句「ひな祭り」でした。校内にも春の気配が少しずつ漂い始めていますが、それと同時に、別れの季節特有の、どこか引き締まった空気が流れ始めています。今週の日曜日、3月8日に挙行される第3回卒業証書授与式に向けて、学校全体が「感謝を形にする」モードに切り替わりました。
心を込めた会場づくり
2日月曜日には、7・8年生が、これまで学校を引っ張ってくれた9年生のために会場設営を行いました。重いシートを敷き詰め、椅子を一つひとつ定規で測ったかのように真っ直ぐに並べていく。その真剣な表情からは、最高学年のバトンを受け継ごうとする自覚と、先輩への敬意がひしひしと伝わってきました。ガランとしていた体育館が、一気に「式典の場」へと姿を変え、主役たちの登壇を待つばかりとなっています。
歌声に込める「ありがとう」
一方、多目的ホールからは、1〜6年生の元気な、そしてどこか切ない歌声が響いています。昨日から始まった呼びかけや合唱の練習。1年生にとっては、優しく遊んでくれたお兄さん・お姉さん。6年生にとっては、背中を追い続けてきた憧れの存在。それぞれの学年が、9年生との思い出を胸に、言葉一つひとつを丁寧に発しています。ピアノの伴奏に合わせて響く「Tomorrow」のメロディ。気持ちを込めて歌っている子供たちの真っ直ぐな瞳を見ていると、指導にも熱が入ります。
卒業式は、単なる学校行事ではありません。送り出す側にとっては「感謝の心」を育む場であり、旅立つ側にとっては「自立の決意」を固める場です。
水上学園の全児童生徒、そして教職員が一丸となって、9年生の門出を最高の形で祝福できるよう、残りの日々を大切に過ごしてまいります。保護者の皆様、地域の皆様、当日はぜひ子供たちの立派な姿を見守ってください。
1年生からのサプライズ!心温まるバトンタッチ
いよいよ3月。別れと出発の季節がやってきました。今度の日曜日、8日は卒業式です。義務教育を終える9年生が、この学び舎に登校するのも残りわずか5日となりました。
体育館では会場設営がはじまり、業間には前期課程の児童たちが式歌や所作の練習に励む姿が見られるようになりました。学校全体が、少しずつ「その日」に向けて背筋を伸ばし始めているような、そんな独特の緊張感に包まれています。
そんな中、本日、9年生の教室でなんとも微笑ましく、心温まるサプライズがありました。
扉を開けて入ってきたのは、1年生の子供たち。手には一生懸命に作った色鮮やかな折り紙の花束と、メッセージカードが握られています。これまで優しくお世話をしてくれた9年生のお兄さん、お姉さんへ、「卒業おめでとう」の気持ちを届けにやってきたのです。
思い返せばちょうど1年前。4月の入学式で、緊張に震える小さな1年生の手を優しく引き、入場をエスコートしてくれたのが、当時最高学年になったばかりの9年生でした。
あれから1年。掃除の時間、昼休み、そして行事のたびに、1年生は常に9年生の背中を見て育ってきました。
プレゼントを手渡す1年生の姿は、1年前とは比べものにならないほど頼もしく、その成長ぶりに9年生も思わず目を細めて、とびきりの笑顔で応えていました。
「今までありがとう」「これからも頑張ってね」
言葉以上の思いが、教室中に溢れた時間。卒業を控えた9年生にとって、自分たちが注いできた愛情がしっかりと下級生に伝わっていたことを実感する、最高のはなむけになったのではないでしょうか。
お別れするのは寂しいものですが、こうして水上学園の伝統と優しさは、次の世代へと確実に引き継がれていきます。9年生が残してくれる「明るく・楽しく・元気な水上学園」の精神を胸に、1年生は明日からまた一歩、成長してくれることでしょう。
未来の水上を創るバトン―「ふるさと水上学」成果報告会―
一気に春めいてきて、昼間は夏のような日差しを感じるようになった今日このごろ。本校では、5・6年生による「ふるさと水上学」の成果報告会が開催されました。
この1年間、子どもたちは総合的な学習の時間を通じて、「自分たちのふるさと・水上村をより良くするために何ができるか」を問い続けてきました。地域の歴史や伝統行事、豊かな自然、そしてそこで暮らす人々の思い。自ら現場へ足を運び、調査し、考えを深めてきた結晶が、今日の発表には詰まっていました。
鋭い分析と、愛着が生む「提案」
発表では、大型モニターを活用して、グラフや図を交えながら分かりやすく解説する姿が印象的でした。
「新型コロナウイルスの流行前後で、祭りに参加する人の意識はどう変わったか?」
「水上村の特産品を広めるには、どのような発信が効果的か?」
単に調べたことを並べるだけでなく、アンケート結果から現状を鋭く分析し、子どもたちなりの「解決策」を提案する姿には、目を見張るものがありました。地域の一員として、自分たちの村を誇りに思い、真剣に未来を憂い、そして希望を見出そうとする熱意が、その言葉一つひとつに宿っていました。
伝統のバトンを受け取る4年生
今日の報告会には、特別なゲストがいました。来年度から高学年の仲間入りをし、この学習を引き継ぐことになる4年生です。先輩たちの堂々とした発表を前に、4年生は身を乗り出すようにして聞き入っていました。質疑応答の時間には、次々と手が挙がります。
「その調査で一番大変だったことは何ですか?」
「私たちも来年、そんな風に詳しくなれますか?」
4年生の真剣な眼差しからは、次は自分たちがこの学びを、そしてこの村を盛り上げていくんだという強い決意が感じられました。こうして水上学園の伝統と、ふるさとを愛する心は、確実に次の世代へと受け継がれていきます。次は、4年生がどのような視点で「ふるさと」を見つめていくのか。今から楽しみでなりません。
発表を終えた5・6年生の顔は、どこか晴れやかで、一回り大きく見えました。自分たちの学びが誰かの役に立つ喜びを知った彼らは、これからも水上の地で、たくましく成長し続けてくれることでしょう。
この1年間、子どもたちの活動を温かく支えてくださった地域住民の皆様、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。
ふるさとの味、心に刻んで〜9年生最後の調理実習〜
卒業の日が刻一刻と近づいてきました。
今日、9年生にとって中学校生活最後となる家庭科の授業が行われました。締めくくりを飾るメニューは、私たちのふるさと水上村の誇り、そして市房山信仰の象徴でもある「お岳さん饅頭」です。
今回も、強力な助っ人として地域の女性部の皆様にお越しいただきました。
生徒たちは、地域の方々と交流しながらの調理に、最初こそ少し緊張気味でしたが、プロの手つきを目の当たりにすると、身を乗り出してコツを学んでいました。
受け継がれる「市房の心」
お岳さん饅頭づくりは、単なる調理実習ではありません。それは、水上の歴史や文化に触れる大切な時間でもあります。
丁寧な手仕事:生徒たちは、あんこを丸め、生地の焼き加減を見極める難しさを実感していました。
交流の輪:女性部の皆さんの「上手ね」「いい感じだよ」という温かい声かけに、自然と笑顔がこぼれます。
伝統の継承:生地を注ぐ音、立ち上がる湯気、そしてこんがりと焼けたあの独特の形。五感を通して、ふるさとの味を体に染み込ませているようでした。
最高の「おいしい!」が響く調理室
焼き上がったアツアツの饅頭を一口頬張ると、「おいしい!」「やっぱり最高!」という歓声が上がりました。弾けるような笑顔。自分たちの手で作った喜びと、地域の方々の愛情が隠し味となり、市販のものとはまた違った格別の味わいだったことでしょう。
9年生の皆さん。
これから皆さんは、それぞれの道を歩み始めます。時には、ふるさとを離れることもあるかもしれません。しかし、この「お岳さん饅頭」の味、そして皆さんの成長を温かく見守ってくださった地域の方々の真心は、皆さんの心の中にずっと残り続けるはずです。
最後にご指導いただいた女性部の皆様、本当にありがとうございました。
水上の温かさに包まれた、最高の「最後の授業」となりました。
早咲きの桜に誘われて:それぞれの「学び」が花開く
校庭の駐車場の奥、ふと目をやると紅色の早咲きの桜がほころび始めました。春の足音が、確実に聞こえてきています。
この連休中、村のシルバー人材センターの皆様が、校舎周りを実に見事に見違えるほど綺麗に整えてくださいました。おかげさまで、清々しい環境のなかで卒業式を迎える準備が進んでいます。地域の皆様の温かい支えに、心より感謝申し上げます。
真剣勝負のテストと、心を通わせる英語
校舎内を巡ると、学年ごとに特色ある学びの姿が見えてきます。
- 後期課程(7・8年生):今年度最後の期末テストに挑んでいます。静まり返った教室に、鉛筆の走る音だけが響く緊張感。一年間の積み上げをぶつける真剣な眼差しが印象的でした。
- 5年生:英語の授業では、自分の「ヒーロー」を紹介していました。
"My hero is my father. Because he cooks very well."憧れの人を理由と共に英語で語る。単なる暗記ではなく、自分の心の内を言葉に乗せて届ける喜びを感じているようでした。
「なすことによって学ぶ」体と頭の躍動
体育館では、3・4年生が元気に跳び箱に取り組んでいました。踏切の音、着地のポーズ。一段ずつ高さを超えていく姿は、まさに成長そのものです。
一方、2年生の算数の授業では「箱の形」を学習中。「面はいくつあるかな?」という問いに対し、教科書を眺めるだけでなく、実際に自分たちの手で箱を組み立てていました。「為すことによって学ぶ」実際に手を動かし、試行錯誤しながら得た知識は、一生忘れない生きた力となります。完成した箱を誇らしげに見せてくれる笑顔が、その学びの深さを物語っていました。
義務教育学校ならではの風景
テストに集中する中学生の横で、小学生が英語で夢を語り、算数で工作に励む。こうした多様な発達段階の「学び」が同じ校舎内で日常的に交差するのは、本校のような義務教育学校ならではの光景です。
低学年から高学年まで、バラエティに富んだ教育活動が展開されるなかで、子どもたちは互いに刺激を受け合い、成長しています。桜の開花とともに、子どもたちの才能もまた、大きく花開こうとしています。
イタリアの風を感じてー美術室で出会う「ルネサンスの鼓動」ー
ミラノ・コルティナオリンピック公式サイト https://www.olympics.com/ja/milano-cortina-2026 より
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが幕を閉じました。17日間にわたり、氷上や雪上で繰り広げられた選手たちの躍動感あふれる姿は、私たちに多くの感動を与えてくれましたね。開会式や閉会式でも、開催国イタリアらしい芸術性の高い演出が随所に見られ、あらためて「芸術の国」としての層の厚さを感じた方も多いのではないでしょうか。
そんな興奮冷めやらぬ中、本校の美術室を覗くと、8年生たちが、まさにそのイタリアが生んだ至宝「ルネサンス美術」の鑑賞授業に取り組んでいました。
500年の時を超えて対話する
授業の主役は、誰もが一度は耳にしたことがある巨匠、ミケランジェロ・ブオナローティです。モニターに映し出された『ダヴィデ像』の凛々しい姿に、生徒たちの視線が集中します。
「この像、実際はどれくらいの大きさだと思う?」という先生の問いかけに、ワークシートを埋めながら想像を膨らませる生徒たち。実は5メートルを超える巨大な大理石像であることを知ると、「えっ、そんなに大きいの?」「どうやって削ったんだろう」と驚きの声が上がります。
「万能の天才」から学ぶグローバルな視点
授業では、ミケランジェロだけでなく、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロといった「ルネサンスの三大巨匠」についても学びを深めました。ピエタ像の持つ圧倒的な慈愛の表現。バチカン市国のシスティーナ礼拝堂に描かれた、天井を埋め尽くす壮大な壁画。
500年以上も前に作られた作品が、今なお世界中の人々を魅了し続けている理由は何なのか。生徒たちは、資料を読み解きながら、当時の人々が「人間」をありのままに表現しようとした情熱に触れていました。
教室から世界へ
オリンピックを通じてスポーツの力を感じた今、この鑑賞授業は、異文化を理解し、世界各国の素晴らしい遺産に敬意を払う「グローバルな視点」を養う絶好の機会となりました。教科書の中の知識として覚えるだけでなく、「いつか本物を見てみたい」という憧れや、異なる時代の価値観を認め合う心が、これからの国際社会を生きる生徒たちの糧になると信じています。美術室の窓から差し込む光を浴びながら、熱心にノートを取る生徒たちの姿。その姿もまた、ルネサンス(再生)の精神のように、新しい自分を見つけ出そうとする輝きに満ちていました。