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未来につなぐ教育

先輩の走りから「勇気を!」

令和3年1月3日熊日朝刊から

 新年あけましておめでとうございます。

 心配されていた大雪もなく、初春にふさわしい穏やかな三が日を過ごすことができたのではないでしょうか。

 今年、令和3年(2021年)が、皆様にとって幸多い一年になりますことをお祈りいたします。

 

 八竜小にとっては、飛躍の一年を予感させるような、嬉しい一年のスタートとなりました。

 第97回箱根大学駅伝の往路5区(箱根の山道を駆け上る厳しい区間)を、本校卒業生の西田壮志さん(東海大学4年)が疾走しました。テレビの前で声援をおくった子供達も多かったと思います。

 八竜小1年生時の担任、村山教頭先生が、「被災地のみんなの心に響く力強い走り」とコメントしていたように、本当に「勇気」をもらいました。もちろん本番レースでの走りもそうですが、ここに来るまでにはきっと地道なトレーニング、日々の鍛錬があったからだと思うと、体の芯が熱くなります。

 西田先輩のことを、地域のおばあちゃんが「坂本に力をくれるヒーロー」と表現していました。自分達の先輩が「ヒーロー」と呼ばれることは嬉しいですよね、かっこいいですよね、憧れますよね。

 

 1月7日(水)から、3学期のスタートです。先輩の姿から学んだことを忘れずに、今年一年も八竜小は、「かしこく つよく 未来をめざしてがんばります。

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脈々と受け継がれている「日奈久の心」

 1949年(昭和24年)11月5日、修学旅行で訪れていた益城町津森小学校の児童・先生らが、日奈久沖で遊覧船が転覆し、24人が亡くなるという悲しい事故がありました。

 この事故では、日奈久の方々が一人でも多くの命を救おうと献身的な救助を行い、事故後も毎年慰霊祭を続けてこられ、昨年は70年目を迎えています。日奈久小でも毎年「命の日集会」が行われています。私自身、益城町の学校に8年間勤めていましたので話としてお聞きしていました。

 今年8月3日から、日奈久小での授業再開にあたり、たくさんの日奈久の方々にお会いし接することができました。そして、ご厚意でたくさんの体験活動ができました。八竜小運動会準備に地域の方が協力してくださいました。最終日「合同持久走大会」では沿道で応援のエールを送ってくださいました。日奈久小の先生方や児童のみなさんをはじめ、地域の皆さんに快く受け入れていただき、温かく見守っていただきました。

 人としての優しさ・慈愛の精神はまさに「日奈久の心」でした。日奈久の中で大事にされ、受け継がれているものだと感じました。

 朝、八竜小スクールバスの到着を、伊達整形外科病院で開院を待っている地域の方が手を振って迎えてくれます。子供達にとっても楽しみの時間です。

 また、毎日、下校スクールバスを自宅から3号線までお出でになり、手を振ってお見送りをしてくださるおばあちゃんがいました。暑い夏の日から木枯らしの吹く寒い冬まで、雨の日も傘をさして毎日です。

 最終日、見送っていただいたおばあちゃんにお礼を伝えにいきました。すると、「こっちがお礼ば言わなん。毎日子供達から元気ばもらっとたとよ。」とおしゃっていただき、坂本に戻っても頑張るよう逆に励ましていただきました。 

 子供達や我々教職員は、「日奈久の心」を感じ、知ることができました。このことを坂本の地にもどっても忘れず、受け継いでいきたいと思います。

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「学び続ける先生」の姿

文部科学省「GIGAスクール構想」により、児童が一人一台のタブレットでの学習が可能となります。本校でも、12月7日には、タブレットが完備されます。

それに向けて昨日、日奈久小学校の先生方と合同で、タブレットを活用した学習支援サービスの研修を行いました。

「ラインズeライブラリ」という学習支援システムですが、これは日常の授業での活用はもちろんのこと、家庭学習にも使えるツールにもなります。万が一、再び休校措置などが発生した場合、学びの保障ができるものです。

本校の先生方も日奈久小の先生方も、真剣な表情かつ積極的に研修に参加されていました。あっという間に時間がきたという感じで、自主的にレクチャーを受ける先生もいました。

「学び続ける先生」こそが、子供達に必要です。これまでの教育技術に組み合わせれば、さらに進化した「学び」が生まれると思います。

先生方集中!学習支援システムの説明デジタルテキストにチャレンジ

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心に残る「運動会」

 本日、日奈久小学校のグラウンドをお借りして「八竜小学校運動会」を開催しました。

 8月3日(月)からの日奈久小学校での授業再開。そして、8月20日(木)2学期スタートの日、体育主任であり5・6年生担任の東田先生から「運動会をしたい。」という提案がありました。他の先生方も同意し、今日までの取組が始まりました。

 5・6年生が中心になって赤団・白団をまとめ引っ張り、1年生から4年生までも一生懸命練習に取り組む姿がありました。

 子供達が真剣な表情や楽しそうな表情で運動会に取り組む様子を、たくさんの保護者の皆様、ご家族の方々に披露できたことがなによりでした。日奈久小でも頑張っていることをお伝えできたでしょうか。

 今回の運動会開催にあたり、中村道恵校長先生はじめ日奈久小の児童の皆さん先生方はもちろんのこと、昨日から今日の準備や運営にご協力いただいた、亀田市議会議員、北園市議会議員、日奈久体協の皆様、陸上クラブミナクルの村本様はじめ陸協の皆様、たこやき先生ことFun&Fitの斉藤様、熊本学園大学向井先生やゼミの学生の皆さん。本当にたくさんの皆さんにご協力・ご支援いただき開催することができました。ありがとうございました。

 

 最後になりますが、少しでもいいグラウンドで子供達を力一杯走らせてあげたいと、本校八竜小の全ての先生が、今朝7時前から、グラウンドの水たまりをバスタオルやぞうきんで拭き取ったこともここに報告します。素晴らしい先生方と素晴らしい子供達だからこその「心に残る運動会」になりました。

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「未来」へ一歩一歩

 令和2年7月豪雨災害により被災されたすべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 また、熊本県内はもとより、全国各地からの物心両面にわたる心温かい支援に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 本当にありがとうございました。

 

 本校は8月3日(月)から、八代市立日奈久小学校をお借りして教育活動を行っています。中村道恵校長先生をはじめ先生方、児童の皆さん、保護者・地域の皆様には感謝ばかりです。

 1学期の終業式を、全員がそろい無事行うことができました。1学期最後の週になりましたが、8月5日(水)7日(金)の二日間、先生方の願いだった「水遊び・水泳」も行うことができました。プールに響く子供達の歓声と

輝く笑顔は、改めて私たちにパワーを与えてくれました。

 8月20日(木)からは、2学期もスタートしました。子供達一人一人の心のケアのために保護者の皆様と連携しながら、一日一日を過ごしています。

 これからも、「未来」に向けた八竜小学校の先生方の頑張り、子供達の成長の様子を発信していきたいと思います。

 今回の災害で、私自身改めて実感したことは、「過去を変えることはできない 未来をつくることはできる」です。未来に向けて「一歩一歩」進んでいきたいと思います。

2学期始業式での校歌斉唱

 

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未来につなぎたい「もの」

担任田浦先生の3年生では、総合的な学習の時間「ふるさと探検隊」に取り組んでいます。旧八校区の特色や地域のすばらしさを子供達が調べて、まとめて、伝える学習です。

すべての校区に子供達を連れて行き、本物・実物、実際の人々・生の声に触れさせたいところですが、広範囲にわたりなかなかそうは行けません。写真や動画など、できる限りの教材・素材を準備しているところです。

先日は、旧鮎帰小学校区の「日光(にちこう)」地域に取材に行きました。

「日本の棚田百選」にも選ばれている「日光の棚田」で「田植え」が行われていました。

看板がお出迎え棚田の風景

石垣に囲まれた田んぼ田植え竿の目印にあわせて「手植え」の熟練の技

日光の棚田活性会の会長井麻田様ともお話ができ、日光のことがたいへん勉強になりました。

自然の豊かさ、棚田の風景の美しさはもちろんですが、約300年以上前の「車や機械が無い時代」に、石垣を組みこの棚田を造りあげた当時の日光の人々の知恵や努力、たくましさを伝えていくためにも、米作りを続けていくという話が本当に心に残りました。

 

子供達にも、自分達のふるさと「さかもと」に、こんな素晴らしいものを残してくれた先祖や、今もそれを守り伝え続けていこうと、取り組んでいる方々がいることを学んでほしいです。

未来につなぎたいものは、「目に見えるもの」だけではなく、「目に見えないもの」もあることを実感した取材でした。

 

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「意識化」は「可視化」から

「心のきずなを深める月間」6月も半分が過ぎました。各学年でいろいろな取組が行われている中、「意識化」をさらに進める教育実践が行われています。

 複式学級である6年生の「書写」は、1年生担任の宮本幸恵先生が行います。6月のある授業「小筆を活用しよう」では、学習のまとめを短冊作成につなげました。作品は・・・

児童玄関こうさんの作品ろうかるなさんの作品

「心のきずなを深める月間」ステッカーです。児童玄関には吉永こうさんの作品、ろうかには宮本るなさんの作品。

校長室にもあります。山方こうしろうさんの作品です。

校長室こうしろうさん達筆です

他にも校内のあちこちに、6年生の作品が掲示してあります。

 

大切なことは「意識化」させることが重要です。そのためには、「視覚化」が有効な手立てです。

6年生というリーダー学年にふさわしい、宮本先生の見事な教育実践だと思います。

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夢中になって創意工夫「Drawing wark & Science」

3年生 田浦先生の「図画工作」の授業。学習のめあては、

学習のめあて

まずは、「飾り付け」 子供達は、ビニール袋に色とりどりのテープを付けたり、マジックでイラストを描いたり。

飾り付け

子供達は「クラゲ」「たこ」「人の顔」など、それぞれ「浮き上がる」もののイメージを持って取り組みます。

そして、実際に浮かべてみました。送風機の風で、空中に「フワリ」。

教室で発射

自分の作品が、「宙に浮かぶこと」を実感し、「図画工作(Drewing work)」のつくる楽しさに加え、みんなの「科学(Science)」のスイッチがON。どうやったら高く浮き上がらせることができるか、「創意工夫」の目がキラキラ。

ここで、田浦先生から提案。「来週、体育館で誰が一番浮かぶかやってみましょう。」子供達はワクワク気分で心待ちです。

そして昨日、体育館で「3年生フワフワバトル」が開催されました。まずは5時間目は、「最後の調整」の時間。カラフルな色付けをする人もいましたが、中にはテープの長さや位置の微調整をして、バランスをとることに気をつけたり、袋の口を少し絞って空気がしっかり溜まるような工夫など、「エンジニアの顔」でした。

 

6時間目、体育館に送風機がスタンバイ。3年生のみんながそれぞれの作品を手に集合し、トーナメントのバトルが

行われました。

見上げるほど!大成功!先生も参加

見上げるほど高く上がる作品や、フワフワゆっくり浮かび続ける作品など、子供達の創意工夫がそれぞれ発揮され、みんないい表情でした。

 

「ものづくりの楽しさってこれだな。」と感じさせられた授業でした。子供達は「きれい・かわいい・おもしろい」などデザインの視点から、「もっと高く・長く・ゆっくり」など機能へ視点を変え、創意工夫に取り組んでいました。夢中になれる授業っていいですね。

 

※「フワフワバトル」の他の写真を「行事アルバム」掲載しましたのでご覧ください。

 

 

 

 

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「心のきずなを深める月間」にあたり

 6月1日(月)、長い臨時休業から本格的に学校が再開し、子供達の「笑顔」と「元気な声」が戻ってきました。

 嬉しい限りです。

 6月は「心のきずなを深める月間」です。八竜小の先生方は、バラバラになっていた子供達のきずなをつなぎながら、改めて学級づくりに取り組んでいます。

 1日(月)の校内放送でみんなに伝えたことは、八竜小のすべての子供達・先生達・お家の方々でつくっていく「3つの約束」です。その約束とは、

 八竜小のみんなは、絶対いじめをしません。

 八竜小のみんなは、絶対いじめをさせません。

 八竜小では、いじめは絶対許しません。   

です。

 校内放送の後は、それぞれのクラスで、担任の先生から話を聞いたり、学級の目標を考えたりの取組が行われました。

 3年生田浦先生の教室では、3つの約束に加えて「いじめに、絶対負けないこと」について、みんなに一生懸命語りかけておられました。その話をみんな真剣な表情で聞いていました。

3年生教室田浦先生のお話

 今回の、新型コロナウイルス感染症に関しても、感染者の方やその家族・関係者、医療従事者等への誹謗中傷、予断や偏見、差別的な発言がマスコミ等で数多く取り上げられていました。心が痛むのはもちろんのこと、怒りが沸いてきたのは、私だけではないと思います。

 八竜小の子供達に、人と人とのきずなを深めることの大切さ、人の痛みが分かる優しさ、おかしいこと・間違ったことを止めさせる強さを育むことは、未来につなぐ教育の一つだと思います。

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「本物の学び」には「一手間」

 

八竜小校訓は「かしこく つよく めざそう 未来」です。

「地域の宝」である子供達を、「未来につないでいく」八竜小学校の取組や授業の様子を紹介します。

 

5月19日(火)から22日(金)まで分散登校が始まりました。子供達も久しぶりの学校に大喜び。

午前中授業でしたが先生方は、学級園整理や花植えなど、体験的な活動を多く取り入れていました。みんなで共通なことに体を動かしながらの作業は、学級の一体感を思い起こさせてくれるものです。

さらにいいなと思ったのが、「一手間」があることです。

21日(木)5年生と担任東田先生が「米づくり」の一つの「種まき(苗床づくり)」に取り組みました。米づくりは「田植え」から取り組む学校もあるかと思いますが、種籾(たねもみ)を扱うのは貴重な体験です。JAやつしろから皆吉様、山下様、田代様に指導に来ていただきました。ありがとうございました。

集中して種籾を数える5年生のみんなJAの皆さんありがとうございました

1年生と2年生は、秋の収穫が楽しみな「からいも植え」に取り組みました。1年宮本先生、2年飯田先生がまず教えたのは、なんと「マルチの張り方」です。ほとんどのみんなが初めての体験のようでしたが、仕上がりもきれいにできました。

1年生の「マルチ張り」

「種まき」にしても「マルチ張り」にしても、先生や大人がやったほうが早いかもしれません。

でも、「未来につなげる」ためには「一手間」かけた「本物の学び」が必要ですね。

 

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