お勉強の部屋(不定期で学校の勉強に関することを書いていきます。)

お勉強の部屋

10円玉の表はどっち?

 去年十二月に一年生の持久走大会を応援していた時のことです。
 病気で見学している男の子と女の子がいました。かぜをひいているとのこと。
 その男の子が「先生10円落ちてたよ」と拾ってくれたので、ついでに「ねえねえ、10円の表はどっち?」と聞いてみました。」
 すると、その子は「こっちだよ」と絵がついている方を即答しました。私はびっくりしました。
 「1年生だから、10がかいてあるほうをえらぶだろう・・・」と思ったからです。


 「ぼく、どっちが表か知ってるんだよ」と言ってその子は「絵がかいてある方が表」と解説までしてくれました。
 「すごいねー」と私は感心するばかりでした。
 ところで、なぜ絵がかいてある方が表なのでしょう?実はこれに関する法律はないのだそうです。
 いきさつは長くなるのですが、とても短く説明すると・・・
 『かつて貨幣(硬貨)に使われていた「菊の紋章」の側を表と呼んでおり、この基準が長く用いられてきました。しかし、第二次世界大戦後、貨幣の図柄に「菊の紋章」が使われなくなり、裏表が特定できなくなりました。そこで、これまで「菊の紋章」の反対側、つまり裏面側に必ず年銘(〇〇年)があったことから、年銘のある側を裏としたものです。』(造幣局Q&Aより)
 ・・・ということだそうです。いろんなことを知るって楽しいですよね。
 ついでに10円玉にえがかれている「平等院鳳凰堂」について。
 「平等院」は「鳳凰堂」をはじめ複数の建築物で構成された寺院です。平安時代に建てられました。世界遺産にも登録されています。
 実は、「10円玉にえがかれている鳳凰堂」と「現在の鳳凰堂」は少し違います。これまで数回の改修が加えられてきており、昨年最新の改修が終わりました。10円玉の鳳凰堂は改修前の姿です。(でも、どこが違うかわかりますか?私にもよくわかりません。)
 ちなみに、知り合いに写真を撮ってもらいましたので10円玉の絵と比べてみてください。


※現在の鳳凰堂 平成27年1月4日撮影                        皆さん、わかりましたか?
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お正月のしきたり

 お正月に関わるいろいろなしきたりがありますが、言葉の意味を知るのも勉強になりますよ。

〇おおみそか

大晦日(おおみそか)は、1年の最後の日です。昔のこよみでは毎月の最終日を晦日(みそか)といいました。晦日のうち、年内で最後の晦日、つまり12月の晦日を大晦日と言ったそうです。

〇かがみもち

鏡餅(かがみもち)とは、もちを神神様にそなえる正月飾りです。

鏡餅という名前は、昔の鏡の形に似ていることによります。昔の鏡は青銅器でできていて丸い形でした。神様の祭で使っていたそうです。

〇としこしそば

年越し蕎麦(としこしそば)とは、おおみそかにえんぎを担いで食べる蕎麦です。

江戸時代には定着したそうで、蕎麦は他の麺類よりも切れやすいことから「今年一年の災厄を断ち切る」という意味で、大晦日の晩の年越し前に食べるとも言われています。

〇じょやのかね

除夜の鐘(じょやのかね)は、1231日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時をはさむ時間帯に、お寺のかねをつくことです。多くの寺で108回つかれます。これは、人間の煩悩(迷いや苦しみ、欲など)108あり、これをとりのぞくためとも言われています。

しょうがつ

正月(しょうがつ)は、年の初めのことです。前の年が無事に終わった事と新年を祝う行事でもあります。正月飾りをし、正月行事を行なったり正月料理を食べて盛大にお祝いをしたりします。

三が日や松の内と混同されたりしますが、本来131日までが正月です。

〇おとしだま

お年玉は、本来正月に新年を祝うために贈られる品物のことをいいます。現在では特に子どもにお金をわたすことをいうことが多くなっています。

お年玉の習慣は中世にまでさかのぼり、主として武士は太刀を、町人は扇を、医者は丸薬を贈ったそうです。

〇はつゆめ

初夢(はつゆめ)とは、新年のある夜に見る夢です。この夢の内容で、1年をうらないこともあります。新年最初に見る夢とされることは少なく、現代では元日(11日)から2日の夜、または、2日から3日の夜に見る夢とされることが多いようです。

 

出典・参考 Wikipedia

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熊本市と八代市で違う訳

 今日は、県内ニュースで「明日(木曜日)は小中学校の終業式です。」というのを聞かれた方もいらっしゃったと思います。
 「あれっ、太田郷小は金曜日が終業式なのに、なぜ?」と思われたかもしれませんね。
 実は、学校の春休み、夏休み、冬休みなどは、それぞれの市町村教育委員会が定める「学校管理規則で定まっています。
 ちなみに熊本市は

〇4月の春休み・・・ 学年始休業日 4月1日から4月6日まで

〇夏休み・・・・・・・  夏季休業日     7月21日から8月31日まで

〇冬休み・・・・・・・  冬季休業日   12月26日から1月6日まで

〇3月の春休み・・・ 学年末休業日 3月25日から3月31日まで

となっています。
 一方八代市は

〇4月の春休み・・・ 学年始休業日 4月1日から4月7日まで

〇夏休み・・・・・・・  夏季休業日     7月21日から8月31日まで

〇冬休み・・・・・・・  冬季休業日   12月27日から1月7日まで

〇3月の春休み・・・ 学年末休業日 3月に5日以内で校長において指定する日

となっています。

 少しずつ違いますね。他の市町村も同様にそれぞれ教育委員会が規則を定めています。

 だから八代市立の小中学校はまだ冬休みではないのです。でも、年間のトータルではほぼ同じくらいのお休みになります。

 (ちなみに、北海道の札幌市は夏休みも冬休みもそれぞれ25日間と定められています。地域の事情を考慮して規則は決められているんですね。)
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敬語ってむずかしい3 (学校で習う敬語)

 これまで、二回敬語について書いてきました。
 敬語について取り上げたのは、子どもたちの使う敬語は、学校で学習するばかりでなく、家庭や社会、メディア(←実はこれが一番影響します。)の影響を受けているからなのです。
 小学校では、以下のように段階的に敬語の指導をしています。






  現学習指導要領 「国語」 における『敬語』に関する記述部分
〔第1学年及び第2学年〕
 〔言語事項〕
 (ア)  丁寧な言葉普通の言葉との違いに気を付けて話し,また,敬体で書かれた文章に慣れること。
  かっこ「丁寧な言葉と普通の言葉との違い」については、日常の場面に応じて使っている話し言葉を中心にして気付き、先生や家の人、さまざまな学習の場面で出会う人などに対して、具体的な場面で丁寧な言葉遣いで話すことができるように指導することが大切である。
 「敬体で書かれた文章」については、まず、入学して初めて出会う教科書の敬体の文章に読み慣れるようにし、漸次、自分でも使い慣れるように指導していくようにする。とじかっこ

〔第3学年及び第4学年〕
 〔言語事項〕
 (ア)  相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉で話し,また,文章の敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。
  かっこ「相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉で話す」とは、相手やその場の状況に応じて、丁寧な言葉を正しく使うこと、また、必要に応じて使うようにすることである。丁寧な言葉を使うのは、話し手の意図を感じたり、聞き手に対する思いが込められたりすると、一層効果的である。とじかっこ

〔第5学年及び第6学年〕
 〔言語事項〕
 (ア) 日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
  かっこ相手と自分の関係を意識させながら、尊敬語や謙譲語をはじめ、丁寧な言い方などについて指導する。敬語の役割や必要性が自覚されてくる時期であるので、相手や場面に応じて適切に敬語を使うことに慣れるよう、児童の日常の言語生活につながる指導方法を工夫することが大切である。とじかっこ



 お分かりのように、4年生まではおもに「ていねいな言葉」という表現で「丁寧語」と「常体、敬体の違い」の指導を行います。
 そして本格的には、三種類の敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)について5年生から学習します。
 子どもたちは生活の中で「尊敬語」や「謙譲語」も自然に身につけていくのですが、誤解して覚えてしまうと学校で学習してもなかなか直らないこともあります。
 でも、やっぱり、敬語ってむずかしいですね。(例えば、目上の人に「ご苦労様です」というのは失礼にあたると感じる人と感じない人が半々なのだそうです。やっぱり言葉は生きています。)

<補足>
 文化審議会の国語分科会は、2007年2月2日に「敬語の指針」の答申を提出しました。
 これまで、敬語は、「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3つに分ける考え方が一般的でしたが、この指針では、謙譲語と丁寧語がそれぞれ細かく分けられ、5分類となっているのが大きな特徴です。 くわしくは文化庁のページをご覧ください。
 実は、最近まで私も知りませんでした。<(_ _)>
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敬語ってむずかしい・・・2

 前回書きました「させていただく」とともに気になるのが、「されてください」です。
 これは、実は私もつい使ってしまうことがあります。また、私たちの立場から保護者の方に対してよくつかう言葉です。
 しかも、言われた方もあまり違和感なく受けいれているので、「ことばのゆれ」の範囲かなと思うこともあります。
 文法的に考えるとどうでしょう。
 「されてください」は、敬語として分類すれば二重の「尊敬語」になります。
 「される」・・・「~する」の尊敬語・・・「山田様は、ブラジルのコーヒーを愛飲されているそうですね。」
 「ください」・・・お〇〇くださいの形でつかう尊敬語・・・「今回は、試しにこちらのジャマイカのコーヒーをお飲みください。」
では、文法通りにこの二つを同時に使うとどうなるでしょうか。
 「山田様、こちらのコーヒーをお飲みされてください。」??????
 おかしいですね。この「されてください」を使う人の多くは、二重敬語になるからとても敬意の高い表現であるだろうと思いながら使っているはずです。ところが上の例のように、文法通りに作ってしまうと明らかにおかしな文になります。
 つまり、本来は「お〇〇ください。」とするところを「されて」+「ください」としたいがために、「お」を抜いて「されて ください」と違和感があまりないような形になってきているのではないでしょうか。
 それでも、やはり文法的には間違いでしょうね。その上、「される」は受身形で使うこともあり、誤解を招きかねません。
 されるは、単独・言い切りの形で、「されます」「されました」などと使うのが自然だと思います。(相手に対して何かを依頼するときは、「される」は使わない方がいいでしょう。)
 くださいも、「お・・・ください」の形で「お話しください。」「おこしくだい」と単独で使う方が間違いがなくなると思います。。
 ついでにはなりますが、「れる」「られる」は動詞に接続し、敬意を表す助動詞にもなりますし、受身をあらわすこともあります。使い勝手がいいので、つい使ってしまいますが、ひたすら『れる』「られる」をくっつけるのではなく、できるだけ使いたい動詞の敬語の形を覚えた方がいいのではないでしょうか。
 例えば「たべる」➡「食べられる」ではなく、「めしあがる」
     「する」➡「される」ではなく、「なさる」

 また、二重敬語は前回も書きましたが、場合によっては、慇懃無礼、嫌味な感じを与えるので、日常生活の中ではあまり使わない方がいいという意見もあります。
 さいごに、上の例文を直すとこうなります。
 「山田様、どうぞこちらのコーヒーをおめしあがりください。」(二重敬語)、あるいは「お飲みください。」(単独敬語)
 大事なことは、無理に敬語を並べ立てるのではなく、正しい敬語を一つしっかり覚えて相手に対して「敬う心」をもって接することだと思います。(自戒を込めて)
 ※屁理屈が多くてすみません。
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敬語ってむずかしい 

 みなさんは、自分の考えを整理する時はどのようになさっていますか?メモや、文に書き出してみるという方も多いでしょう。私も文を書いてみます。書くことで初めておかしなところに気づくことも多いのです。(でも、このホームページでも数多くの表記や用語の間違いがあるようで、本当にすみません。<(_ _)>)
 さて、外国の人が日本語を覚えるのは大変難しいといわれています。
 その要素の一つが「敬語」です。私たち日本人でも敬語の使い方で迷うことは多いですよね。
 今回は、その「敬語」の話です。
 最近、テレビを見ていてとても気になる表現が二つあります。
 ひとつは「させていただく」もうひとつは「されてください」です。
 今回は、「させていただく。」についてです。
 「させて」+「いただく」というように謙譲の意味の言葉を重ねて使うことで、相手に対して強い敬意を表そうとしていると思うのですが、場面を考慮せず使ってしまうと場にそぐわない表現になります。
 自分がしようと思っていることが相手の許可が必要である場合に「させて」という謙譲語を使うのですが、別に許可もいらない場面でひたすら「させていただきます」「させてください。」と乱発するのは慇懃無礼(いんぎんぶれい・・・いやみな感じ)であると受け止める人も多いでしょう。私などは特にそう感じます。
 例えば、会議などで当然話をしなければならない時に、「私の考えを説明させていただきます」、さらには「説明させてください。」という言葉まで使って前置きをする人がいます。
 しかし、許可のいらないことに「させて」を使うのは間違いです。
説明いたします。」(謙譲語)、あるいは説明します。」(丁寧語)で十分敬意は表れています。
 「させていただく」を使っていいのは、例えば、事情の急変で体育館が使えなくなり、無理をお願いして隣の学校の体育館を使う許可をもらった場合に「無理なお願いをして申し訳ありません。今日はこちらの体育館を利用させていただきます。ご配慮ありがとうございます。」(・・・もっと柔らかい表現なら「使わせていただきます。」・・・くらいでしょうか。)
 結局、二重敬語や謙譲語を使っておけばいいというような安易な考え方では、かえって相手に対して失礼になる場合もあるということです。
 (そういう私も、敬語ではこれまでずいぶん失敗しています。)

 あと一つの「されてください。」はまた別の機会に。
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新しい教科書

 お知らせがあります。来年度(平成27年度)から教科書の内容が新しくなります。
 この機会に教科書について、大事なことをお知らせしておきます。(なお、これは、学校生活のページでも紹介しています。)
 

(1)そもそも教科書とは?

 教科書とは、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教科の学習のために主たる教材として発行されたもの」であり、文部科学大臣の検定を経たものまたは文部科学省が著作の名義を有するものとされています。

(2)教科書は必ず使わなければいけないの?

 学校教育法第34条には、「小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書または文部科省が著作の名義を有する教科書を使用しなければならない。」と定められています。だから、教科の学習の主教材として必ず使わなければないけないものです。(もちろん、補助教材の使用も認められています。)

新しい教科書が使用されるまでの手順は?


(1)著作・編集は誰がするの?

 現在の教科書制度は、民間の教科書発行者による教科書の著作・編集が基本となります。各発行者は、学習指導要領、教科用図書検定基準等をもとに、創意・工夫を加えた図書を作成し検定申請します。

(2)検定は誰がするの?

 図書は、文部科学大臣の検定を経て初めて、学校で教科書として使用される資格を与えられます。発行者が検定申請した図書は、文部科学大臣の諮問機関である教科用図書検定調査審議会に諮問されるとともに、文部科学省の教科調査官による調査が行われます。文部科学大臣は、審議会からの答申に基づき検定を行います。教科書として適切か否かの審査は教科用図書検定基準に基づいて行われます。

(3)採択は誰がするの?

 教科書は、通常1教科について数種類存在するため、この中から学校で使用する1種類の教科書が決定(採択)される必要があります。採択の権限は公立学校については所管の教育委員会(八代市は八代市教育委員会)にあり、国・私立学校で使用される教科書の決定の権限は校長にあります。

(5)教科書は無料なの?
 国・公・私立の義務教育諸学校で使用される教科書については、全児童生徒に対し、国の負担によって無償で給与されています。(ただし、紛失した場合は有償で自分で購入しなければなりません。※太田郷小で使っている教科書は、本町1丁目の庄野学生堂で購入できます。)
 ※外国では、無償給与ではなく無償貸与(無料だけど、翌年には学校へ返す。)国がたくさんあります。欧米の多くの国。有償の国もあります。中国、台湾など。

(6)新しい内容の教科書はいつもらえるの?

 【小学校】(平成27年度)使用開始   【中学校】(平成28年度)使用開始
 ※中学生は来年ではなく、再来年から教科書が新しくなります。
 ※ここまでの情報は、山口県萩市学校教育課のページを参考にしました。

【注意!】
 来年は内容が新しくなった教科書が発行されますが、だからと言って今使っている教科書を来年捨てないでください。特に、「3.4下」など複数学年に「下」のついた教科書は来年度も使用します。また、地図帳などは4年から6年までの3年間使用します。(気をつけておくもの・・・地図帳、生活科、保健、図工、社会、)

【最後に】
 ①来年度の採択教科書については、八代市のホームページに掲載されていますので、ご覧下さい。
 ➁教科書についてお尋ねがありましたら、担任へお問い合わせください。

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花丸 かけ算の順序について

 時々、保護者の方から『「2×3」と「3×2」は答えが同じなのだから、テストではどちらを書いていても〇ではないのですか?』という質問を受けます。
 実は、これはとても難しい問題です。確かに数や量の大きさだけを計算するのであれば、計算式として「2×3」と「3×2」は同じ意味を持ちます。
 文部科学省が著作権を持つ「学習指導要領 算数編」においても「かけ算の意味」を理解させることは書いてあっても順序についての記述はありません。
 しかし、私たちのような子どもたちに直接授業をする教師は、「文章題においてかけ算の立式をさせる時には順序を守らせる」ことがほとんどです。
 それには、以下のような理由があります。
【以下、図は新興出版社啓林館ホームページ 算数用語集より転用】

 ☆算数の教科書に書かれているかけ算の内容
 ①同数累加の考え方
 2年生でかけ算の意味を以下のように学習します。
 4+4+4を4×3と表すことができる・・・(これを同数累加といいます)・・・という考え方です。
 ここで、「4の3つ分」を4×3と表すと表現してあります。


 ➁乗法の交換法則
 よく知られている交換法則「かけ算では、かけられる数とかける数をいれかえても答えは同じ」というものも2年生で出てきます。
 よく質問があるのは、これを根拠にしたものです。


 ➂「〇倍」の考え方
 ところで、①の同数累加に続き、今度は「〇倍」という考え方が出てきます。これは、同数をたしていくのではなく、「もとになる量」の何倍になるのかという考え方です。
 「割合」の考えになります。
 ここでも、「6cmの2倍」という表現で、以下に記述がありませんが、「6×2」の指導を行います。


 ④二つの量の比較の指導
 基準量と比較量を示しておいて、比較量が基準量の何倍になるのかを調べさせるときにかけ算の式が出てきます。
 下にあるのも「何倍」の表現は「×いくつ」となっています。


 ⑤「計算の手順」の問題
 以下の問題は、『ノート一冊の値段を「もとにする量」とし、それを6倍した上で、さらに100円をたすと940円になった。では、元々のノート一冊の値段はいくらだったか。』という問題です。
 これを教科書の指導書(学習指導要領のことではありません。)では「順に戻す思考法」という位置づけで、100を引き、6で割るという逆順の考え方で問題を解く設定になっています。
 この時も、操作される量(値段)を前に、操作する量(かける数、わる数)を後ろにおいて式を立て、計算します。
 わり算では、逆順では立式できません。





 ⑦結論・・・なぜ、かけ算の順序を決めて指導しているのか。(私見です。)

 ・かけ算には交換法則があり、計算するだけであれば、前後の数をいれかえても問題ありません。

 ・しかし、文章題の立式は、計算のためであるのはもちろんのこと、子どもたちが題意を理解し、式としてあらわすことができているかを確認するためのものでもあります。

 ・そして、教科書は一貫して「操作する対象となる量」を式のはじめに位置付け、かけ算やわり算の立式をするように構成してあります。

 ・これは、(かけ算以外の計算式である)わり算に交換法則が成り立たないことと、かけ算が累加だけでなく、量の倍の考えや、割合の考えでも使われるからなのです。

 ・どういうことかというと、わり算ではわられる数、わる数が決まっており、逆順にはできません。つまり、操作する対象となる量(リンゴ何個、リボン何mなど)がいつもわられる数です。÷記号の後に操作する量が置かれます。

 ・この流れから行くと、かけ算も操作する対象となる量(リンゴ何個、リボン何mなど)をはじめに置き、×記号の後に操作する量を置いた方が子どもたちが理解しやすいと教科書編集者が考えているからではないでしょうか。(と私は思っています。※私見です。でも、私もそこは統一した方が、子どもたちの混乱が少なくなると思います。)

 ・さらに、高学年になると「割合」の考え方が出てきます。この時も、もとにする量×割合=比べる量という順で考えさせます。100円の7割は100×0.7で計算します。0.7×100という立式は指導しません。100円の0.7倍という考え方です。

 ・結局、子どもたちにとってどのような決め事をして学習をさせていった方が理解しやすいかを考え、教科書は工夫してありますし、私たち教師も算数に対して苦手意識のある子どもたちにもなるべく取り組みやすくするにはどうしたらいいかを考えた上で指導しています。

 ・私たちがテストの採点をするときに、教科書とは逆順に書いた子どもたちについて、「なぜ、授業の時に教科書に示してある順で書くように指示し、練習していたのに、あえて教科書の逆順に書いたのか」を詳しく検証することがテストの採点の段階では不可能です。ですから、「題意を理解していない」ことを推定し×(バツ)をつけることはあります。


 ・それは以下のような推定です。

 テストを書いた子どもが、「今回はかけ算の勉強だから、式もかけ算を書けばいいだろう。そして、文章題に3と5の数字が出てきているから3×5だろう」などという考えで立式していれば、題意を理解していることにはならない。

 ・×をつけるのはほとんどこういう推定の下で行われます。


 ・すべての子どもたちに、テストの答えの間違い直しをさせる時に子どもたちに教科書を見直しさせたり、テストの標準解答やヒントなどを見せて認識の整理をさせています。

 ・そして、×であった解答に対して、その子が数学的に正しい認識を示したうえでかけ算の順序を逆に書いたことを説明できる時には〇をつけます。しかし、内容を理解しているのであれば、なぜ、あえて教科書と違う書き方をしたのかを子どもたちが説明する必要はあります。(逆にしても答えは同じだから、とか、塾ではそれでいいといわれたから、などという理由は、あえて教科書の記述と逆順にしたことの説明にはなりませんが・・・。) 

 ・しかし、〇をもらうことにこだわるのではなく、「なぜ、そうなったかを説明したい。」ということにこだわることは素晴らしいことです。

 ・また、そうすることのできる子どもは、数学に対してこだわりと興味、深く考えることのできる子どもであろうとは考えられます。そのような子どもたちがたくさん出てくれることを私たちも願って指導していきます。

 これからも、疑問がありましたら担任や少人数担当へもお問い合わせください。
※このかけ算順序問題は、大学の先生たちなどの間でもいまだ論争があるそうです。

※ちなみに、陸上競技種目で4×100mリレーという表現が見られます。あれは、4×100m=400m走るという意味ではなく、「4人それぞれが100ずつ走り、リレーをする」(4継ともいうそうです。)という種目を表しています。かけ算のことではないわけです。

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会議・研修 筆順ってなあに?

 児童の皆さん、保護者の皆さん。下に筆順を間違いやすい漢字を示しています。
 どうでしょうか。みなさん、下のように書いていますか?



右と左は筆順が違いますよ。1画目に注目してください。


「発」は3、4、5画目を間違える人が多いと思います。「医」は横棒を書いたらすぐに中を作ります。どっちも「へー、そうだったかな」と思いますよね。


「必」「飛」はまさに筆順問題の王様ですね。受験勉強で苦しめられた方も多いのでは?

 ※上記漢字の画像は、漢字字典オンラインより引用

 子どもたちが家で漢字の宿題をすることがあります。「あれ、その漢字の書き順(筆順)、おかしくないか。」と思わることがありませんか?
 漢字の筆順については、絶対にこの筆順で書かなくてはいけない、これ以外は認められない、という厳しいきまりがあるわけではありません。
 しかし、国語の教科書や漢字ドリルには「筆順・書き順」として書いてありますね。
 私たち教師が子どもたちに勉強を教える時に拠り所とする指導書として文部科学省発行の「学習指導要領」というものがあります。しかし、最新の学習指導要領の中には、「〇年生でこれだけの漢字を指導します。」ということは書かれていても、「〇という漢字は、この筆順で指導しなさい。」というように書かれてはいません。
 ただ、同じく学習指導要領解説「国語編」にはこのようなことが書いてあります。
『「筆順」は,書き進む際の合理的な順序が習慣化したもののことである。学校教育で指導する筆順は,「上から下へ」「左から右へ」「横から縦へ」といった原則として一般に通用している常識的なものである。』
 つまり、漢字や仮名を書くときには、【「この筆順が絶対」と断言はできないけれど、「字形の整った美しい文字を書くことができ、字を書くときに一番書きやすい合理的な書き方」を「筆順」とします。】ということが書いてあるのです。国語の教科書や漢字ドリルに書いてある筆順は、この条件を満たした合理的なものです。ですから私たち教師も、子どもたちが一生使う文字を、初めて勉強する小学生のこの時にしっかり覚えさせようと力を入れて指導しています。
 世の中にはいろいろな考え方があって「きまりではないのなら、自分の書きやすいように書けばいいじゃないか」ということをいう方もいます。それを否定するつもりはありませんが、少なくも私たち教師は子どもたちの学習に責任がありますから、これからも子どもたちが美しく整った文字が書けるように筆順指導を重視していきます。
 保護者の皆様も、子どもたちから筆順を聞かれた時には、ご自身の記憶に頼るよりも「教科書の後ろに書いてあるはず。」「漢字ドリル・漢字辞典で調べなさい。」とこたえてください。自分で調べて書くことが一番力がつく方法です。

(※書道の先生が教えられるときに、国語の教科書とは違う筆順や字形(とめ、はね、はらい)を教えられる文字もありますが、それは書道において必要なものですので、書道においてはそれを使ってください。)
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