お勉強の部屋(不定期で学校の勉強に関することを書いていきます。)

会議・研修 筆順ってなあに?

 児童の皆さん、保護者の皆さん。下に筆順を間違いやすい漢字を示しています。
 どうでしょうか。みなさん、下のように書いていますか?



右と左は筆順が違いますよ。1画目に注目してください。


「発」は3、4、5画目を間違える人が多いと思います。「医」は横棒を書いたらすぐに中を作ります。どっちも「へー、そうだったかな」と思いますよね。


「必」「飛」はまさに筆順問題の王様ですね。受験勉強で苦しめられた方も多いのでは?

 ※上記漢字の画像は、漢字字典オンラインより引用

 子どもたちが家で漢字の宿題をすることがあります。「あれ、その漢字の書き順(筆順)、おかしくないか。」と思わることがありませんか?
 漢字の筆順については、絶対にこの筆順で書かなくてはいけない、これ以外は認められない、という厳しいきまりがあるわけではありません。
 しかし、国語の教科書や漢字ドリルには「筆順・書き順」として書いてありますね。
 私たち教師が子どもたちに勉強を教える時に拠り所とする指導書として文部科学省発行の「学習指導要領」というものがあります。しかし、最新の学習指導要領の中には、「〇年生でこれだけの漢字を指導します。」ということは書かれていても、「〇という漢字は、この筆順で指導しなさい。」というように書かれてはいません。
 ただ、同じく学習指導要領解説「国語編」にはこのようなことが書いてあります。
『「筆順」は,書き進む際の合理的な順序が習慣化したもののことである。学校教育で指導する筆順は,「上から下へ」「左から右へ」「横から縦へ」といった原則として一般に通用している常識的なものである。』
 つまり、漢字や仮名を書くときには、【「この筆順が絶対」と断言はできないけれど、「字形の整った美しい文字を書くことができ、字を書くときに一番書きやすい合理的な書き方」を「筆順」とします。】ということが書いてあるのです。国語の教科書や漢字ドリルに書いてある筆順は、この条件を満たした合理的なものです。ですから私たち教師も、子どもたちが一生使う文字を、初めて勉強する小学生のこの時にしっかり覚えさせようと力を入れて指導しています。
 世の中にはいろいろな考え方があって「きまりではないのなら、自分の書きやすいように書けばいいじゃないか」ということをいう方もいます。それを否定するつもりはありませんが、少なくも私たち教師は子どもたちの学習に責任がありますから、これからも子どもたちが美しく整った文字が書けるように筆順指導を重視していきます。
 保護者の皆様も、子どもたちから筆順を聞かれた時には、ご自身の記憶に頼るよりも「教科書の後ろに書いてあるはず。」「漢字ドリル・漢字辞典で調べなさい。」とこたえてください。自分で調べて書くことが一番力がつく方法です。

(※書道の先生が教えられるときに、国語の教科書とは違う筆順や字形(とめ、はね、はらい)を教えられる文字もありますが、それは書道において必要なものですので、書道においてはそれを使ってください。)