校長室から
湯出小における 学校版環境ISOの取組
水俣市内の小中学校では、環境ISOの概念を取り込んで、水俣の海、山、川そして大気を守り、次の世代に伝えていくため、二酸化炭素の削減、資源の有効利用、環境負荷の軽減、環境保全などの行動を宣言し、取り組んでいます。(水俣市HPから抜粋)
本校ではこの宣言を、6月21日(木)環境委員会による児童集会において行いました。
学校版環境ISOの宣言項目(下参照)が示されると、子供たちは「頑張るぞ」という引き締まった表情になりました。
そして、今年度の環境委員会による重点項目は「ごみの分別をきちんとします」ということで、「ごみの捨て方はどっちかな」クイズが始まりました。「給食のデザートの空容器の捨て方で正しいものは次のどれでしょう」「①洗って乾かしてから廃プラに出す ②洗わずに廃プラに出す ③洗わずに燃やすごみに出す さあ、正解は?」・・・という感じです。さすがに高学年はよく分かっていましたが、低学年には難しかったようです。
毎年800万トン近くが海へと流れ出ているというプラスチックごみ。海で生活するあらゆる生き物たちが餌とごみの区別がつかずに、間違えてプラスチックを飲み込んでしまい、誤飲、誤食をくり返すことで、胃などの消化器にごみがたまり続け、やがては餌が食べられずに死んでしまうという深刻な被害が出ていることはよくニュース等で聞きますね。もっと多くの人たちが水俣の取組に学んでくれたら・・・と思います。そして水俣市で育った子供たちは、この分別という良い習慣を持ち続けてくれたらいいなと思っています。
☆湯出っ子環境ISO宣言☆
〇使わないときは電気を消します
〇手洗いの時は水をこまめに止めます
〇掃除を時間いっぱいがんばります
◎ごみの分別をきちんとします
〇家でもISOに取り組みます
6月の校長講話で子供たちに伝えたこと
6月は「環境月間」「食育月間」「心のきずなを深める月間」「いじめ根絶月間」といろいろあります。また、6月10日は「時の記念日」でもありました。その中から、次の3つの内容に絞ってお話をしました。
1 「時を守り、場を清め、礼を正す」
森 信三さんという方の言葉です。3つの中から「時を守り」だけ話しました。「時を守り」とは、時間を守ること、約束を守り相手を尊重することです。信頼は、少しずつの日々の積み重ねです。心がけることが大切だと思います。
2 自分で食べたいものを考えて作り、片づけられる人へ
食育と言えば「バランスの良い食事」がすぐに浮かびます。それを理解した上で、将来的には「自分で作ることができて(またはお店で選ぶことができて)自分で片付けることができる」大人になってほしいと思っています。
3 いじめは絶対許さない
先月、県北部の高校生が自宅で自殺を図り、翌日死亡した事案が報道されました。「命を大切に」「いじめはいけない」・・・。いつも言っていることです。でも、尊い命がなくなってしまいました。とても残念でなりません。
子供にはこのことに触れませんでしたが、心の中でとても強く思っていましたので、今回、「校長先生が、いじめは絶対許しません!」と強く言いました。
いじわる、からかい、あだな等、学校ではちょこちょこあります。
子供たちの中には、それらが相手を傷つけていることや嫌な気持ちにさせていること等に気づいていない子供もいます。子供たちは、頭ごなしに叱ってもその場をやり過ごすすべを考えるだけではないでしょうか。とにかく納得させることが大切です。時間がかかりますが、湯出小学校の「いじめ防止基本方針」を基本に、「未然防止」はもちろん、「早期発見・早期対応」に常に努めていきます。
良い習慣は運命を変える!
先日、運営委員会の子供たちを中心に意見を出し合って決めた「湯出っ子スローガン」が発表されました。
宣言項目の文頭をつなげると「たすけあい」となっています。本校児童に大切な「助け合い」をはじめ、「笑顔」「すすんで行動」「けじめ」「あいさつ」「いじめのない」など、頑張りたいキーワードが並びました。自分たちで決めて自分たちで守るというのが筋です。もちろん、最初から何でもできるわけではありません。「失敗していい」というのも子供の特権だと思います。失敗を繰り返す中で、生涯において大切なものを少しずつでも確実に身に付けていってくれることを願います。
☆平成30年度 湯出っ子スローガン☆
1 たくさんの えがおが あふれる学校
・やさしいことばを たくさんふやそう
2 すすんで 行動する 学校
・きづいたら 自分からすすんでやろう
・自分にできることは すすんでやろう
3 けじめのある 学校
・話をしっかり聞こう 返事もしっかりしよう
・時間やきまりを きちんと守ろう
4 あいさつができる 学校
・「相手の顔を見て」「いつも」「先に」
「立ち止まって」あいさつをしよう
5 いじめのない 学校
・人がいやなことを しない 言わない
・自分の思いは きちんと 言葉で相手に伝えよう
・自分たちで 解決できないときは 相談しよう
ここに掲げた5つのこと、子供たちは大事だということを知っています。でも、なかなかできない子供もいます。私たちも同じです。良いとわかっていてもできなかったり、悪いと思っていてもやってしまったり…。
だから、子供たちには「良い習慣」を身に付けさせたいと思います。人間は不思議なもので「習慣」になってしまえば苦になりません。「食べたら歯を磨く」なども、「良い習慣」の一つです。「やることが当たり前の良い習慣をたくさん身に付けること」。小学校という人生の基礎を培うこの時期に私たちが子供たちにしてあげられる大切なプレゼントだと考えています。
左は、校長室に掲示しているものです。また、ある一節に、「良い習慣ができてくると、新しい人格、第二、第三の天性が生まれる。ここに品格が生じる。そこから信念も生まれ、どっしりしてくる。これは内面の輝きとなって、どことなくちがうという品格を生む。また良いものを読み、聞き、見るということを繰り返し、繰り返し試みていると、ここからも内面の美しさなどがにじみ出てくる。」というのも見つけました。子供たちには、幸せを自分の手でつかんでほしいと願います。
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
今年も全校児童で米作りにチャレンジ
本校の子供たちは、保護者や地域の皆様の御協力のおかげでいろんな体験活動をさせていただいています。
今年度も、柏木さんの田んぼをお借りして、コメ作りに挑戦します。5月8日(火)はその第一歩。戸次治夫さんの御指導の下、もみまきをしました。
「11月のふれあい感謝祭には、また、たくさんの方に来ていただきたい、そこで、もちをついてふるまいたい・・・」2年生以上の子供たちは、きっとそう思いながらもみを大切にまいたり覆土をしたりしていたと思います。1年生や転入してきた子供たちには初めての体験。興味深そうに見ていました。
その後、小雨の降る中の作業になりましたが、元テニスコートの辺りにビニルハウスを作りました。この中で発芽を待ち、発芽したらシートをはがして水やりをすることになります。
さて、私たちの大切なお米。余談ですが、私は母から「米一粒一粒の中に神様がいる」と言われて育ち、お茶碗に米粒は残しません。
その神様の数には諸説あるようで、「1人説」「6人説」「7人説」「88人説」などが代表的です。日本は八百万の神の国。何人いらっしゃってもいいような気もしますが、子供たちをモノや食べ物を大切にする子供に育てたいと思っています。
平成30年度のスタートに当たって
今年度は、4月10日にぴかぴかの1年生が3人入学、異動により3名の職員が着任し、児童26人、職員14人でのスタートとなりました。みんな、とても張り切っています。気分一新、新たな気持ちで頑張ります。
今年度も学校教育目標は「ふるさと湯出に立ち、夢に向かって挑戦する心豊かな児童の育成」です。湯出地区を故郷と思い、湯出の皆さんに支えられながら自分も湯出の一員として何か役に立とうと考える子ども。将来に夢や希望を持ち、今、そのために何をしないといけないか考え、頑張ることのできる子ども。優しさと思いやりを持ち、友達と仲良くできる子ども。そんな子どもたちを育てていきたいと思います。そのためにも昨年度に引き続き、「みんなに居場所のある学校づくり」「地域とともにある学校づくり」を目指します。どうぞ今年もよろしくお願いします。