お知らせ

 

本校の校訓について

 本校の校訓につきまして、校長が校訓(案)を作成し、令和5年度 第2回合志楓の森中学校区学校運営協議会(令和6年2月20日)において、以下に示す内容について提案し、委員の皆様と協議の上で、承認いただき、決定した。

 

1 合志楓の森小学校 校訓


2 作成にあたって

中学校への学びの連続性を意識するとともに、本校の立地、並びにこれからの社会情勢を考慮し、「夢に向かって、前向きに人生を切り拓く人間」になってほしいという願いを込めて作成した。

 

3 校訓について

〇「志高く」とは

幕末の思想家・教育者で、その後の日本に大きな影響を与えた吉田松陰は、「志を立てて以て万事の源と為す」と言った。進む道が正しいか正しくないか、学問や仕事がうまく行くか行かないか、それは「志」を立てたか立てなかったかにある。「志」があればやる気もついてくる。意気込みがあれば、目標が遠くにあってもたどりつけないことはなく、難しくてできないということもないということである。

また、合志市では小中一貫教育を推進している。その方向性を示す「合志市小中一貫教育推進に関わる提言(志合わせて夢実現プロジェクト 令和2年3月作成)」には、「志とは、 人が生きていく上で『何のために生きるのか』、『何をなすべきか』と自分自身に問い続けることであり、見いだした自分の生き方の原点ともいうべきものである」と記されている。

これらのことから「志高く生きる」とは、「自分のことだけでなく、みんなのために自分に何ができるのかということを忘れずに、自信とほこりをもって夢の実現に向かう生き方」である。

本校は、菊池医療刑務支所の跡地に建設され、菊池恵楓園に隣接している。菊池恵楓園は、1909(明治42)年全国で5か所作られた最初の公立療養所のうちの1つ、九州癩療養所として開設された。国の誤ったハンセン病政策により、患者は社会から隔離され、家族や親しい人との関係を断たれ、差別を受けた。ハンセン病患者及び家族への偏見・差別は、「らい予防法」が廃止された現在でも残っている。これらのことから本校では、ハンセン病問題を一つの柱とした人権教育に取り組む先進校として、ハンセン病差別根絶に向けた共生社会の実現を目指す教育を行っている。

このような社会的諸問題の解決に向けて、一人一人が自分ごととして考え、「志」を高くして、自分には何ができるかを問い続けながら、一歩ずつ確実に努力を積み重ねる人になってほしいと願う。

「志」を高くもった児童らが、お互いに切磋琢磨し、励まし合い、磨き合い、高め合い、心を通わせながら、共に学び合う人間に育って欲しいという願いをこめて「志高く」とした。

 〇「道を拓く」とは

これからの世の中は、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態(VUCA)にあると言われている。10~20年後には、日本の労働人口の半数が就いている職業がAIやロボットに代替されると推測されている(オックスフォード大学調査結果による)。そのAIやロボットの心臓部といえるものが半導体である。現在、半導体受託製造の世界最大手であるTSMCが菊陽町に新工場を建設し、2024年末には本格的に出荷が開始される予定である。このため、隣接する合志市にも海外からの人やものがあふれるようになり、国際化がより一層進む見込みである。

このような急激な科学の進歩や国際化への影響を受ける子どもたちは、AIと共存しながら生き抜いていくことになる。AIと共存するためには、人間だからこそできる力に焦点化し、高めていく必要がある。その力は、課題発見能力、批判的思考力、創造力、計画力、コミュニケーション能力などであり、これらの力は、幼少期からつけるべき資質・能力であるといえる。

これからの未知なる世界に、確固たる「志」をもって行動し、堂々と一歩一歩前に進みながら、自分自身の人生(道)を切り拓いていく人間になってほしいと願う。

「道を拓く」は、「未知を拓く(未知なる世界を己の力で切り拓く)」ということにもつながる。

今後の未知なる世界を生き抜く子どもたちは、予想不可能な現実に、容易な人生(道)が用意されているわけでなく、立ちはだかる壁があり、それを乗り越える勇気と努力が必要になるときがある。

しかし、現代の子どもたちは、容易で楽しいと思われることには取り組めるが、努力を要する困難な壁にぶつかると「やりたくない」、「どうせできない」とすぐにあきらめてしまう傾向にある。また、前例がないことや難しいことには、消極的になり、具体的な行動に移せず沈黙してしまうこともある。

これからの時代を生き抜くには、困難なことに対しても、前を向いて努力を続けていくことが不可欠となり、立ちはだかる壁を乗り越えるためには、やる前からあきらめるのではなく、まずやってみようという「行動力」が求められる。

そのようなことから常に自分自身を磨き、努力を続け、壁にぶつかっても何度でも挑戦する行動力を兼ね備え、「自らの道を切り拓いていく」人間に育って欲しいという願いを込めて「道を拓く」とした。

 

令和6年2月20日

合志市立合志楓の森小学校

校 長 佐 藤 政 臣