せせらぎの人(学校生活)

ハイどうぞ。ありがとう。

 2年生は、担任の先生が本日人間ドック。そのため、朝の活動と1校時に代替者として学級に入りました。

 健康チェックと宿題提出を終えると、みんなサッと着替えて朝のランニングに出かけました。体も心もポッカポカに温かくなって教室に戻ると、今度は漢字の小テスト。問題を配っているとぼそぼそと何かが聞こえてきます。振り返りよく聞いてみると、問題を後ろの席の子に配る時、「ハイどうぞ。」と声をかけているのです。するともらった子たちも「ありがとう。」と返します。「ハイどうぞ。」「ありがとう。」「ハイどうぞ。」「ありがとう。」と小さなこだまとなって教室内に広がっていきます。 

 「先生、君たちのいいところを見つけたよ。何でしょう?」                     「何が?」「あいさつが上手なこと?」「着替えるのが早いこと?」口々に答えが返ってきます。

「それはね、プリントを配る時に、お友達にやさしく声をかけていること。そして、きちんとお礼を言えていることだよ。」子どもたちは、みな「??・・」。ポカーンとしていました。

 子どもたちにとっては、毎日繰り返されるごく当たり前の行為なのかもしれません。それを「君たちのいいところ」と褒められてもピンとこないのでしょう。私たちは「支持的風土のある学級づくり」を第一に目指します。その集団に身を置いても何の心配もいらない、みんなが信頼し合って安心して過ごせる学級とでも言えばよいでしょうか。そんな学級づくりを支えているのが、何気ない子どもたちのちょっとした気遣いによる言葉です。

 「ハイどうぞ。」「ありがとう。」当たり前のように思える言葉かけを、当たり前のようにできることが、元気のいいあいさつやサッと着替えて運動場に飛び出していくやる気の源になっているように思えます。