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「校歌を探る」シリーズ② ~ 大岳山 ~

校歌の2番の出だしは次のとおり。「♪ 雲が咲く 青い空 大岳山を仰ぎ見る♪」この地域に住んでいれば、不知火海と同じように、毎日当たり前に目に入る大岳山。学校から見ると、少し右肩上がりの富士山のようなフォルムにも見えます。左右のなだらかな稜線がとても美しい山です。日によって見え方が違います。天気や湿度なども関係しているのでしょうか。宇土半島では一番高い山になりますね。さて、大岳山の標高をご存じですか?正解は・・・477mです。熊本県高等学校教育研究会地学部会の記述によると、「大岳は宇土半島のほぼ中央に位置し、本体は輝石安山岩からなっています。火山砕屑物を放射状に噴出し南側の不知火海へなだらかな傾斜をした地形を作っています。大岳を中心とする火山活動では、何回かの溶岩や火山砕屑物を噴出した活動があるようですが、その分布や層序などまだ充分には分かっていません。」とあり、大岳山がかつて火山活動をしていたらしいということが分かります。また、サトウキビ活性会の髙濱会長からも、大岳山にまつわるお話をたくさんお聞きしていました。初日の出はもちろん大岳山山頂で見ておられたし、4月9日には、相撲大会が開かれていたとか。登山途中には、「わくど石」など、特徴のある石が数カ所にあるとのことです。そういったお話を聞くと、地元の人々との結び付きが強い山であることがうかがえます。

 また、大岳山といえば、明治9年の神風連の乱で、6人の武士が自刃した場所としても有名です。明治初期の士族反乱の一つ「神風連の乱」。6人のメンバーが追っ手を逃れ、最後をとげた場所に、「神風連六烈士の碑」があります。10年に一度、顕彰の集いが開かれているそうです。攘夷を唱え、神国日本を目指す敬神党の人々は、決起したものの政府に追われ、6名のメンバーが大岳山に登り自刃しました。明治9年10月29日、大岳山には鎮台兵と警官が押しかけて大騒ぎになったと「三角町史」に記されています。その朝、大岳山に登った一人の猟師が自害した6人の武士を発見したとのことです。

 さて、今度改めて登ってみようと思うのですが、髙濱会長からお聞きしたところ、遠くに熊本市も見え、網田や半島の北側・南側どちらも見渡せるとか。気分が上がりそうですね!阿蘇の山々も見えるそうです。人々のくらしを見つめ続けてきたであろう大岳山。その姿に、再度心惹かれるのでした。