「心のきずなを深めよう」
2022/6/7 校長講話の後、校長室前の掲示板に貼られた言葉です。
皆さんは、「ぞうさん」の歌を知っていますか。この「ぞうさん」の歌の詩を書いたのは、「まどみちお」さんという人です。教科書にもたくさんの詩が紹介されているので、名前を覚えている人もいるかもしれません。
さて、この「ぞうさん」 の歌では、だれとだれが会話をしていますか?
この歌は、「子どものぞうに他の動物が話しかけている歌なんです。」作者のまどみちおさんが話していらっしゃいます。この歌で、子どものぞうは自分の鼻が長いことを喜んでいます。なぜなら、大好きなお母さんと同じ長い鼻だからです。
しかし、この歌は、あたたかくてほほえましいぞうの親子の歌ではありません。「子どものぞうに他の動物がいじわるをしている歌」なんです。
他の動物が子どものぞうに「お前の鼻は長くて変だな」と「いじわるな言葉」を言っているのです。でも、ぞうの子どもは、落ち込むのではなく「そうだよ、ぼくが大好きな母さんも長いんだよ。」と答えています。
子どものぞうがこのように答えることができたのは、ぞうとして生きていることをすばらしいことだと思い、ぞうの子どもに生まれたことを幸せに思っているからです。
まどみちおさんは、「ぞうさん」を「いじめられている子どもをはげます歌」とおっしゃっています。
生きるものすべてが、自分が自分であることを誇りにして喜ぶ。一人一人が違う個性をもっているから意味がある。自分を大切にすることと同じように友達も大切にしてほしい。そして、いじめがなくなってほしいと、まどみちおさんは伝えたかったのです。
地球上には、からだが大きい人・小さい人、肌の色が白い人・黒い人・黄色い人、障がいのない人・ある人、体の強い人・弱い人など、様々な人たちが住んでいます。また、感じていること、思っていること、考えていることは一人一人違います。それは、その人らしさ、「個性」なのです。
すべての人間が同じだったとしたら、どんなにつまらないことでしょうか。だって、みんなが自分と同じ考えで、みんなが自分と同じ行動をしてしまうのですからね。この世界は、みんなが違うからおもしろくて、楽しいのです。まさに、「みんな違って みんないい」のです。
21世紀は、人権の世紀と言われています。今、自分は関係ないと思っている人は いませんか?私たちは日本人です。黄色人種と言われます。世界には黄色人種というだけで差別する人がます。一生のうち病気にならない人はいません。私たち全員が年をとります。それを理由に差別されたらどんな気持ちになるでしょう。差別は身近にある私たちが解決しなければならない問題なのです。
だから、一人一人が人権について真剣に考え、行動をしていきましょう。
自分を大切を大切にして、同じように周りの人にも思いやりをもち大切にしましょう。そのために、まず自分のことを積極的に周りに伝えていきましょう。そして、身近にいるたくさんの人のことをたくさん知る努力をしましょう。相手の心を知ったとき、きっと自分の心が動き始めます。
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