6月18、19日の2日間、文化庁芸術鑑賞事業により能楽のワークショップを開催しました。能楽(能や狂言)は、室町時代より600年以上受け継がれてきている日本の伝統芸能です。講師の先生は、鼻ぐり井手を題材にした狂言を創作された劇作家の山川さんをはじめ、日本全国から集まられた能楽師の方々です。講話からは、長い年月の中、その文化が人から人へと伝承されてきたこと、笑いの文化を大事にしながら、たくましく生き抜いてきた日本人のたくましさなどを感じることができました。また、笛や鼓(つづみ)の演奏体験や発声・演技の体験を通して、その難しさ・奥深さを感じ取っていた子どもたちでした。
今、ウクライナをはじめ、世界のいたるところで紛争等が起き、尊い命が奪われている現実があります。これからの世界を築いていくのは、目の前の子どもたちです。グローバル人材とは、いろいろな人々と協働して、困難な課題を解決していく人材です。違いを認め合って、互いの文化等を尊重し合って、手を取り合う力が必要です。その力は、まず自分たちが生まれたふるさと、そして日本のすばらしさを知ることが重要です。
日本の文化や、そこに脈々と流れ続けた日本人の魂のすばらしさを理解した子どもたちが、将来、世界中の人々とつながって活躍し、すてきな未来を築いてくれることと信じています。
私が小学生の頃の通知表には、必ず「落ち着きがない」と書かれています。その落ち着きのない少年森田は、漢字も苦手でした。1・2年の担任の先生は、よく私を放課後に残して、徹底的に漢字の書き取り練習をさせてくださいました。3・4年の担任の先生は、私が文字に興味を持てるように、土曜日の昼から習字を無償で教えてくださいました。そうした恩師の深い愛情に育てられ、ついに6年生の漢字小テスト(10問)で、初めて100点を取ったことを今でも覚えています。
本町の二殿教育長がよくおっしゃられることは、「目の前の子どもたちに、これでもかの愛情を!」ということです。「教育は人なり」と言われますが、やはり、子どもたちの人生にとって、教職員の深い愛情は、欠かすことのできない重要な教育環境なのです。
本校の1年生教室には、その「これでもかの愛情」がたくさん詰まっています。1年生の最重要学習内容は「文字の学習」です。
これから何十年と続く子どもたちの人生を豊かにしていくのが「文字の獲得」です。だからこそ、稲葉教諭は、様々な工夫した学習活動により、楽しみながら、体感しながら、子どもたちが文字を獲得していけるようにしています。
クラス全員の手形を集めて作った「て」の字。針金と綿で作った「ゆ」の字。アルミホイールをねじってかたどった「ね」の字、
井野教諭が『子どもたちが楽しみながら覚えられるように』との思いで作った「アンパンマン指人形ひらがな表」など、「これでもかの愛情」に包まれています。本校の教室では、子どもたちの「瞳が輝く」授業づくりが日々展開されています。
今年も、読み聞かせボランティアの方々による「本の読み聞かせ」が始まりました。皆さんは、事前に2冊3冊と、読み聞かせの練習をして来られていました。そこには、「ひとりでも多くの子どもたちに、絵本や物語の面白さを伝えたい。本を読むことで、わくわくする感動を覚えてほしい。知恵と勇気、そして、生きることの大切さを知ってほしい。」という願いがあられるのではと拝察しております。
一冊の本との出会いから様々なことを学び、心も成長してくれることでしょう。
今朝(6月17日)も、二ノ文様から、きれいなお花をいただきました。
朝、交通安全指導をしていると、きれいなお花を持って歩いて学校に届けてくださるお姿をお見かけしました。すぐに歩み寄って、「いつもありがとうございます。」とお礼を申し上げると、このようにおっしゃいました。
「子どもたちが喜んでくれることが、母や私の幸せです。」(二ノ文様は、母娘で届けてくださっています。)
誰かの笑顔のために・・・。人の喜びが自分の幸せ・・・。なんて、すてきなことでしょう。
自分も、『こんなすてきな人になりたいなぁ』と強く思ったところでした。
早速、朝の会議で、この二ノ文様の思いを子どもたちに伝え、その価値について各学級で触れるように、職員に話をしました。
本校を愛してくださる皆様のお気持ち等について、一つ一つ立ち止まって触れることで、子どもたちの感性を育てていきます。
暑い季節を迎え、今年もプール開きを行いました。速く、長く泳げるようになることも大事ですが、自分の命を守る力をつけることが重要です。さらに、苦手なことや苦しいことでも、目標を持って粘り強く取り組み、さらなる自身の成長へとつないでいくたくましさを身につけてほしいと願っています。
熊本県教育情報システム
登録機関
管理責任者 校長 森田 富士夫
運用担当者 教諭 小嶌 幸陽