令和7年 8月
8月1日(金)
今日から8月に入りました。連日の猛暑、今後が心配です。今日は、頭の体操ということで、算数に関したおもしろ問題を出します。家族で楽しんでもらえれば幸いです。今後、数回に分けて出したいと思います。
①この問題は、私にとって思い出の問題です。今から約40数年前、大学を卒業し、最初に5年生44人を担任しました。その時、子どもたちに出した問題です。慶応幼稚舎(小学校)の入試問題から持ってきています。問題:ⒶとⒶ、ⒷとⒷ、ⒸとⒸを線で結(むす)んでください。ただし、線は交わったり、接したりすることはできません。また、円の中や長方形の外を通ることもできません。
②2年生や3年生のかけ算の時によく使う、とんちかけ算クイズです。
1.はっぱがちってるよ。何枚ちったのかな。
2. ごごになって、プールに行きました。何人で行ったのかな。
3. いろんな国をまわってきたよ。いくつの国をまわって来たのかな。
4. かいすいよくに行って、黒くなって帰って来たよ。何人だったかな。
5. 100歳になるおばあさんの顔にある、しわは何本かな。
➂単位の学習をする時に使っています。
問題:学校から10mはなれて家が建っています。誰の家でしょうか。
④6年生の線対称の時に使う問題です。
この絵は、ある決まりに従って書いてあります。5番目の絵を想像して描いてみましょう。
⑤どんな大きさでもいいので、大小2つのコップを用意してください。問題:ある酒屋では、大きな酒だるからマスで酒の量をはかって売っていました。ただ、マスは9㍑と5㍑がはかれるマスが1つずつしかありません。ある日客がやってきて、「酒を6㍑売ってくれ。」といいました。酒屋の主人は、どのようにして6㍑はかったでしょう。(ただし、酒は酒たるにもどすことができます。)
解答
①
② 1.はっぱ64まい 2.ごご25人 3.くに18か国 4.くろく54人 5.しわ32本
➂ 10mは㎝になおすと1000㎝になります。つまりセンセンチ=せんせんち=先生家です。
④ 数字の1、2、3、4を線対称として描いています。よって「5」を線対称の形にすると下記のようになります。
⑤
5㍑マスに酒を満たし、それを9㍑マスにうつします。次ぎにもう一度5㍑マスに酒を満たし、それを9㍑マスがいっぱいになるまでそそぎます。このとき、9㍑マスにはすでに5㍑の酒が入っているので、4㍑しかそそぐことができません。したがって、5㍑マスには酒が1㍑残ります。いっぱいになった9㍑マスの酒を全部酒だるに戻します。すると、5㍑マスに1㍑の酒が入っている状態になります。からになった9㍑マスへ、5㍑マスに残っていた1㍑の酒をうつしかえます。5㍑マスに酒をみたし、それを9㍑マスにうつしかえます。すると、9㍑マスに酒が6㍑入った状態ができあがります。
いかがだったでしょうか。今後まだまだ続きがありますよ!
8月4日(月)
【午前6時40分頃から雨が降り出しましたね。植物にとっては恵みの雨だったのではないでしょうか。また、小さな生き物にとっても恵みの雨だったと思います。午前8時頃の運動場の様子です。】
【算数おもしろ問題】
① 1から100まで全部足したらいくつになるでしょうか。
② 同じ長さの線香が2本あります。1時間でちょうど1本燃え尽きます。これを使って、45分間を計りましょう。
③ 次の問題は、子どもたちの概念を壊したいと思って出しています。問題:9つの黒い点を、直線で、一筆書きで全ての●通ってください。ただし、3回しか角度をかえることはできません。つまり4本の直線で全ての●を通ります。(ヒント:わくからはみ出しましょう。)
④ 1、1、2、3、5、8、13、21、□、55、89、・・・」という決まりを持った数字が並んでいます。決まりをみつけ□に入る数字を考えてみましょう。
⑤0から9までの整数から4つの数を選び、文字におきかえて式をつくりました。A、B、C、Dにあてはまる数を求めましょう。
(ヒント:最初十の位に着目して考えてみてください。)
解答
①ドイツの数学者ガウス氏は、7歳の時、算数の授業中教師から「1から100までの数字をすべて足すといくつになるか。」という問題を出されました。ガウス少年は数秒で「5050」と答えたそうです。考え方は1と100で101、2と99で101、・・・50と51で101。つまり101のかたまりが50個、101×50=5050と考えたそうです。別な説では1+2+3+・・・+98+99+100の下に100+99+98+・・・3+2+1と書いて上下を足すと、101が全部で100個なので10100。その半分だから10100÷2=5050と考えたという説もあります。7歳のガウス少年すごいですね。
② A、B、C同時に火をつけます。AーBが燃え尽きた時が30分です。その時、Dに火をつけます。Dに火をつけてC-Dがもえつきた時間は15分です。よって最初からは45分になります。
③
④ この数の並びを、フィボナッチ数列といいます。イタリアの数学者フィボナッチにちなんで名付けられた数列です。前の2つの数字を足すと、次の数字がわかります。□=13+21=34になります。フィボナッチ数列は、様々なところで活用されています。例えば長方形の面積だったり、黄金比だったりします。詳しくは個々で調べてみてください。
⑤十の位に注目しましょう。C+D=Cなので、D=0または、一の位から1繰り上がるとき、D=9になります。D=0のとき、一の位の等式が成り立ちません。したがって、D=9ということがわかります。次に、千の位と一の位に注目すると、千の位A+B=9または、百の位から1繰り上が;;るときA+B=8になります。一のくらいから、9+A=Bこれは、AはBより1大きいことを意味しています。これより、A=5、B=4が決まります。あてはめていくと、C=0になります。答えA=5 B=4 C=0 D=9になります。
夏休み期間中、ホームページに掲載する出来事が少ないです。そこで第1弾として「60年前の小学校生活」、第2弾として「算数おもしろ問題」を掲載しました。今日は第3弾として、教員歴40数年間で、ごく一部ですが、心に残っている本の紹介や講演会・研修会等で得た情報を紹介したいと思います。特に「教育に関すること」「子育てに関すること」「人としての方向性を示してくれる言葉に関すること」などを紹介します。ただ、本などは著作権の問題があるので、本の一部を抜粋して紹介することなどは控えさせていただきます。個々で調べてもらったら嬉しいです。
【1回目 子どもが育つ魔法の言葉】
「子どもが育つ魔法の言葉」作:ドロシー・ロー・ノルトを紹介します。ノルトさんは1924年アメリカで生まれ、40年以上にわたって、家庭教育や子育てコンサルタントをされた方です。2005年に永眠されました。子どもにどんな声かけをすればよいかなど、具体的な言葉でアドバイスをされています。私もいつもこの言葉を胸の中に置いています。検索等をしていただけると幸いです。
8月5日(火)
【夏休み期間中でも、運動場や体育館等の安全点検をおこなっています。】
【本格的に貯水タンクの設置作業が始まりました。】
【棚の上や高いところなど、日頃できない所の掃除をしています。】
【中庭の汚れを、高圧洗浄機を使ってきれいにしています。】
【算数おもしろ問題】
①2+4=24 この式に線1本入れて正しい答えにしましょう。
②電卓を用意してください。
123+369+987+741=を入力すると2220になります。次に147+789+963+321=を入力してみてください。規則性を見つけ、他にも、2220になる場合を見つけると楽しいですよ。
③途中の式を考えながら、式のきまりをみつけ、( )の中の数をみつけましょう。
0×9+1 = 1
1×9+2 = 11
12×9+3 = 111
123×9+4 = 1111
1234×9+5 = 11111
12345×9+6 = 111111
( ) = 1111111
1234567×9+8=( )
④3段に並んだ9個の数字1から9までの数字を1個ずつ、下の図のように並べます。すると、上段の192を2倍した384が中段に現れ、下段に576が現れます。同じ方法で、上段の左端に3を入れたときの並べ方を作ってください。
⑤1から6までの数字を1つずつ使って、下の式を完成させましょう。
▢▢✖▢=▢▢▢
解答
①この問題も、子どもたちの概念を壊したいですね。線と言ったら、直線でも曲線でも線は線ですね。よって0を入れて、20+4=24にします。
②例えば159+963+357+741=2220などがあります。
③123456×9+7)
(11111111)
④
⑤54✖3=162
【2回目 ブロークンウインドウ理論】今回は「ブロークンウインドウ理論」を紹介します。日本名「割れ窓理論」といいます。1台の車はきれいなまま、何もしないで放置しておきます。もう一台の車は、窓ガラスを割って放置しておきます。そうすると、窓ガラスを割って放置して置いた車の方は、すぐにタイヤ、ラジエター、バッテリーなどがとられたそうです。24時間でほとんど金目のものはなくなったということです。それに対し、きれいにしておいた車は、1週間以上誰も手をつけなかったそうです。この実験はアメリカで行われました。この理論を「ブロークンウィンドウ理論」といいます。以前ニューヨークの地下鉄は落書きがいっぱい書いてあったそうです。しかし、この理論をもとに、徹底的に落書きを消した結果、犯罪が激減(げきげん)したとのことです。ただ、この考え方も賛否両論あり、全てが正しいということではありません。学校環境におきかえてみましょう。教室がきれいに整理整頓されている場合、そのクラスの支持的風土が高まります。学習に関しても考えが深くなっていきます。40数年前、教師になった頃、年配の先生方から、「子どもたちが帰ったら、いつも教室は掃除をしとかなんばい。」と言われていたことを思い出します。整理整頓された環境は、子どもを大きく育てると考えています。
8月6日(水)
【昨日は、群馬県伊勢崎市で、日本最高気温41.8度が記録されました。熊本も最近は時々雨が降り、過ごしやすい時もありますが、まだまだ暑いです。体調に十分気をつけお過ごしください。】
【今日は8月6日です。今から80年前、昭和20年8月6日、午前8時15分広島市にB-29戦略爆撃機「エノラ・ゲイ」により、原子爆弾「リトルボーイ」が投下されました。被ばくから4か月以内に亡くなられた方々は、約9万~16万6000人と言われています。私が小学生の頃は、夏休み期間中、8月6日か8月9日に「平和登校日」が設けてありました。その日は学校に行き、平和について学習していました。戦後80年経ちます。「平和」について、もう一度考えてみるいい機会ですね。】
【本日は、御船町全員研修会が、御船中学校でおこなわれました。映像は本日の職員朝会の様子です。】
【算数おもしろ問題】
①正方形の面積の求め方は1辺×1辺です。下記の2つの正方形BCDEと正方形AEFGをあわせた面積を求めましょう。わかっているのはABの長さ3㎝、DFの長さ15㎝だけです。EFの長さを▢と考えて問題にチャレンジしてみたらいいですね。
②1から9まで書いてあるカードが1枚ずつあります。これをAくん、Bくん、Cくんの3人に、3枚ずつ配ったところ、3人とも、カードをたした合計の大きさが同じになりました。Aくんは1、Bくんは2と4を持っていました。Cくんのカード3枚を答えてください。
③クイズです。昔の長さの単位で1里(り)は約4㎞です。36㎞ある野菜は何でしょうか。
④長さ30㎝のひもを切って、A、B、Cの3本に分けると、AはBより5㎝長く、BはCより2㎝長くなりました。A、B、Cそれぞれの長さは何㎝でしょうか。
⑤太郎くんは、野球用品でバットを1本とボールを1個買いました。ねだんは2つ合わせて11000円で、バットのねだんはボールのねだんより10000円高かったそうです。ボールのねだんはいくらだったでしょうか。(ヒント:ボールのねだんは1000円ではありませんよ。図をかいて考えるといいですね。)
解答
①最初ABの長さ3㎝に目をつけます。ABの長さは大きな正方形と小さな正方形の1辺の長さは▢―3で表すことができます。EF=▢、DE=▢―3、DFが15㎝なので▢+▢―3=15。▢+▢=15+3=18。▢=9㎝ということがわかります。そこで小さい方の正方形の1辺は9-3=6㎝。よって、6×6+9×9=36+81=117。答え117㎠という結果を導きだすことができます。
②1から9までを全てたすと45になります。45を3人で分けると1人は15になります。Bくんは2と4を持っているので、残りは9です。Aくんは9が使えないので、1+▢+〇=15。▢と〇には6と8が入ります。あまった3と5と7がCくんの持っていたカードになります。
③36㎞=9里。よって「きゅうり」でした。
④AとBのひもを、Cのひもと同じ長さにします。そうするとAのひもはCのひもより2㎝+5㎝=7㎝長いです。BのひもはCのひもより2㎝長いです。だから、Cのひもより合計7㎝+2㎝=9㎝長くなっています。よって30㎝―9㎝=21㎝。21㎝÷3=7㎝。Cのひもが7㎝とわかったので、Bのひもは、7㎝+2㎝=9㎝。Aのひもは7㎝+7㎝=14㎝になります。
⑤
ボールが500円です。ちなみにバットは10500円です。
【3回目 ゆっくり力】10数年前「ゆっくり力ですべてがうまくいく」という本を読みました。著者は斎藤茂太(さいとうしげた)さんです。斎藤茂吉さんの長男さんです。精神科医・医学博士です。全部で82の文章から成り立っていました。教師としての立場、親としての立場、一人間としての立場、様々な立場から読ませて頂きました。共感するところが多数ありました。この本の中では、人もお酒もゆっくり熟成する、子どもは一夜では育たないこと等が書かれてありました。「ゆっくり力ですべてうまくいく」子育てに何かヒントを与えてくれると思います。
8月7日(木)
【今日は「立秋」です。暦の上では秋の始まりですね。また、夏休みがちょうど半分がすぎました。いかがお過ごしでしょうか。最近の雨で、少し過ごしやすくなったかなあと感じていますが、まだまだ暑さが続くと思います。体調に気をつけてお過ごしください。】
【学校で飼育しているメダカも気持ちよさそうに泳いでいます。】
【算数おもしろ問題】
①1~9までの数字を1回ずつ使って、たし算の筆算を完成させ、?に入る数字を求めましょう。
②車が止まっている駐車場の番号を、規則性を見つけて▢の中の番号を考えてみましょう。
➂八百屋さんに行くと、かぼちゃ、きゅうり、トマトを下のように売っていました。どれも、ざる1つ分が720円です。かぼちゃ、きゅうり、トマトそれぞれ1個のねだんを考えましょう。ただし、ざるのねだんは考えないものとします。(置きかえて考えるといいかもしれませんね。)
④もう1問置きかえて考える問題をだします。ある日のことです。昼の時間は、夜の時間より1時間長かったです。昼と夜の時間はそれぞれ何時間だったでしょうか。(昼の時間を〇、夜の時間を▢とおいて考えるといいかもしれませんね。)
⑤つるかめ算という問題をだします。どういうものかというと、もしもの場合を考えて、答えを導き出すものです。問題です。つるは足が2本、かめは足が4本です。つるとかめが合わせて16ぴきいます。その足の数の和は50本です。つるとかめはそれぞれ何匹いますか。
解答
①
?=8でした。
②逆から見るといいですね。91→90→89→88になります。
➂「置きかえてみる」というところがポイントになります。かぼちゃを●、きゅうりを▲、トマトを○で表すと、
①・・・・・● ▲▲▲ ○○○=720円
②・・・・・● ○○○○=720円
③・・・・・●● ▲▲▲▲▲▲ =720円
①と②から○=▲▲▲
③の▲▲▲▲▲▲を○で表すと、
▲▲▲▲▲▲=○○
つまり、③は●●○○=720円
これと②と③から●=○○
②をすべて○で表すと、
○○○○○○=720円
○=720÷6=120円
●=○○=120×2=240円
○=▲▲▲より、▲=120÷3=40円
答え かぼちゃ・・・240円 きゅうり・・・40円
トマト・・・120円
④昼の時間を〇、夜の時間を▢と置きかえてみます。わかっていることは、〇+▢=24。〇=▢+1です。そこで、〇+▢=24に〇=▢+1に置きかえると、▢+1+▢=24。▢+▢=23。よって▢=11.5。〇=12.5。つまり、昼の長さは12時間30分。夜の長さは11時間30分です。
⑤例えば、全部がつるだったらと仮定します。足の数は2本×16ぴき=32本です。実際、足の数は50本なので、50―32=18本多くならなければなりません。かめはつるより2本足が多いです。よって18÷2=9。かめは9ひき、つるは7羽になります。
【4回目 ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)】
「ハインリッヒの法則」や「ヒヤリ・ハット」ということばをご存じですか。「ハインリッヒの法則」とは、1件の重大事故の裏には29件の軽微(けいび)な事故と300件のけがにいたらない事故(ヒヤリとしたりハットしたりすること)があるということです。別な言い方では「1:29:300の法則」とも呼ばれています。本校では、子どもたちが安全に、安心して過ごせるよう、毎月第1週目は、校内安全点検を実施しています。校内安全点検は、複数の職員で、運動場の遊具の点検をしたり、教室や廊下に危険物がないか、チェックをしたりしています。危険物があれば、すぐ取り除いたりします。また、子どもがけがをした場合は、現場に行き、状況を把握(はあく)し、どのようにしてけがが起きたか、全職員に知らせます。その後各担任から事故が再度起きないよう指導が行われます。児童にけがはなかったがヒヤリとしたとき、ハットしたときも、職員間で情報の共有化を図ります。「ハインリッヒの法則」に基づいて考えると、重大事故を防ぐには、軽微な事故やヒヤリとしたこと、ハットしたことの対策(たいさく)を行うことが有効だと言われています。学校もこの法則に従(したが)い、ヒヤリとした事例やハットした事例を出し合い、子どもたちに事故が起きないよう、日々対策をこうじています。学校は安全・安心が第一ですね!