学校だより

豆柴のチコちゃん

 昨年末、風の強い夜でした。あんなに元気だった義母を病気で亡くしました。義母は料理が得意でお世話好き、陽気な性格で踊ったり歌ったりが上手な地域の人気者でした。数年前にはNHKのど自慢熊本大会に出場し、おてもやんの衣装で箒(ほうき)をギター代わりに「ダンシングオールナイト」を熱唱して「特別賞」をもらいました。後日、妻の実家にTV局が取材に来たくらいです。 
 実直で太陽のような存在の義母でしたから、家は灯が消えたようにしんと静まり、二人暮らしだった義父は周囲には気丈に振る舞っていましたが、寂しさは隠しきれません。四十九日の法要を無事に終えた義父が、突然、「豆柴を飼いたい」と言いだし、菊陽町まで出掛けて求めたのが生後三ヶ月の「チコちゃん」でした。 
 写真は、ベランダで義父の帰りを待つ豆柴のチコちゃんです。クーンクーンと鳴きながら待っています。義父の足音がすると、ぴょんぴょん跳んで喜びを表現します。義父の「孫達のためにも、チコちゃんのためにも、長生きせんば。」という言葉に、思わず涙が出そうになりました。現在は熊本市(旧飽田町)で義父とチコちゃん、大学生の次男の3人で暮らしています。

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