学校だより

さぁ、夏休み!

 

「忘れもの」  高田敏子

 入道雲にのって 
 夏休みはいってしまった
 「サヨナラ」のかわりに 
 素晴らしい夕立をふりまいて

 けさ 空はまっさお
 木々の葉の一枚一枚が
 あたらしい光と
 あいさつをかわしている

 だがキミ! 夏休みよ
 もう一度 
 もどってこないかな 
 忘れものをとりにさ

 迷子のセミ 
 さびしそうな麦わら帽子
 それから ぼくの耳に
 くっついて離れない波の音

 以前、国語の教科書に載っていた詩です。
 「夏休みはこれからなのに、もう終わったって話かい!?」って言われそうですが‥‥、足音を忍ばせて、そっと
、しかし確実にやってくる8月31日。子どもの頃、大好きな夏休みが終わるのが寂しくて、あの自由気ままな日々が戻ってきてほしいと切に願った8月31日。手つかずの宿題の山に「毎日、絵日記に書くようなイベントがあるわけないだろ」と、ため息と涙が混じった独り言をつぶやいた8月31日。
 詩では、萎んでしまった積乱雲の「あちら側」に行ってしまった夏休みという親友に向かって、少年は「こちら側」に「忘れものを取りに戻ってこないかな」とお願いします。詩中での忘れものは「セミ」「麦わら帽子」と「波の音」ですが、42日間という自由気ままな時間は、これまで根気強く培ってきた「意識」「習慣」を忘れ去るには十分な時間です。
 終業式で子ども達と確認したのは、学んできた①気づき②考え③行動するという セルフコントロール を、夏休みも「やらされる」のではなく、自分から「やる!」ということ。 大切な命を守るために、生涯にわたる健康づくりの習慣を身につけるために、夢を実現するための学びを継続するために、セルフコントロール。自由気ままな時間を満喫しながらも、きちんと立ち止まって セルフコントロール。 

 ポケットからこぼれ出る「忘れもの」は多い方がいい。親友(夏休み)との思い出をポケットいっぱいに詰め込んでください。