カラスがやってきた!
少しずつ寒さを感じる季節になってきました。
昨日のラジオでは「今年はラニーニャ現象で寒くなる」とのこと。暖冬だった昨年との差を大きく感じることになるかも知れません。
さて、この時期になると、よく見られる光景が「カラスの大群」です。
熊本市では、早朝(日の出のころ)から大きな群れが街の中心部より郊外目指して飛んでいきます。
ここ長洲町でも,稲刈り後の水田に降りて餌をついばむ姿をよく目にします。
中には何百羽という単位で、電線に止まり、電線が切れたり、電線柱が傾いたりするんじゃないかと思うぐらいの規模の場合もあります。
不思議なもので、集まった集団は互いに何かを話し合うようなそぶりを示した後、それぞれがバラバラになって飛び去っていきます。あたかも「出勤」していくようでもあります。
なぜ、このような行動を取るのかということについては、次のような説があります。
その1 みんなで集まればこわくない!
カラスの大群の本来の目的は、一緒に集まって夜を過ごすことにあります。いわゆる「ねぐら」をつくるのです。
そうすることのよさは、天敵から身を守るためだと考えられています。カラスの天敵は、ワシやタカといった猛禽類です。みんなが集まることで、敵の出現に気づきやすくなるのではないかと、ある科学者は考えています。
その2 みんなで井戸端会議!
先にも述べたように、群れの様子を見ていると、時折鳴き交わしたり、一緒に行動してみたりといった姿を見ることができます。これは、つまり何らかの話をしているのではないだろうか…というわけです。
一口にカラスといっても、日本全国で7種類確認されているそうです。基本的に全身黒いので、みんな同じに見えますが、様々な違いがあるようです。
長洲町には、年中留まって生活している「留鳥」である2つの種類が一般的です。
一方が「ハシボソガラス」、もう一方が「ハシブトガラス」です。
ハシボソガラス ハシブトガラス
お気づきのように「くちばし(ハシ)」が細いか太いかで分けられています。
彼らは冬の間だけこの大集団をつくりますが、元来は街中ではなく、山間部に集まっていました。しかし、山が切り開かれて住処にならなくなった、市街地の方が何かと便利だ等の理由で、都市部に集まるようになったようです。
この他に,近年話題に上るのが「ミヤマカラス」がいます。これは大陸の方から渡ってきます。熊本市内の公園に、夜集団をつくり、鳴き声やフンで迷惑をかけることが問題になっています。特徴はくちばしが黄色っぽいことです。
腹赤小近辺は、どちらかというとミヤマカラスが多いようです。
さて、このカラス。大変に知能が高いことで有名です。
実は、この私もその驚くべき姿を目にしたことがあります。そのいくつかを紹介します。
ビックリその1 遊ぶ〜1
この話をすると、誰もが「嘘だろ」と言います。疑われても仕方がないと思いますが本当の話です。
数年前のことです。自宅近所に公園があり、滑り台がありました。(今は老朽化により撤去されましたが…)
ある日のこと、何気なく眺めていると、滑り台のまわりでカラスが数羽集まっていました。(一体何をしているのだろう)と思い、観察していると次の瞬間、ビックリすることが!
カラスが滑り台を滑り降りたのです。羽を広げて両足を使って滑ります。あたかもスキーのジャンプ競技のようです。下まで行くとピョンと地面におり、また台の上まで行きます。
最初は、1羽だけがそうやって遊んでいましたが、次第に残りの仲間(3羽だったと思います)も同じようにして,遊び始めました。
本当に目を疑うような光景でしたが、しばらく滑って遊んで、また登って…を繰り返していました。
その後、幾度もカラスたちの滑り台遊びを見ることができましたから、決して見間違いではありません。
ビックリその2 遊ぶ〜2
カラスがクルミの実をくわえて、道路に配置して自動車にひかせることで、固い実を割って食べることは有名です。ある研究家の観察によれば、タイヤの通る位置をしっかり見て、その場所にピンポイントでクルミを置いているとも聞きました。
私が見たのは,同じ公園で(多分)滑り台遊びの集団ではないかと思われるカラスの集団の行動でした。
ある1羽が小石をくわえて飛び立ちました。(何をするんだろう?)私は興味津々で見ていました。
彼(とりあえず彼にしておきます。彼女かもしれませんが区別がつけにくいそうなので)は公園の広場の上空に達すると,小石を落とします。
すると、別のカラスが同じように石をくわえて、同じように落とします。その落とし方がビックリなのです。
先のカラスの落とした小石を標的にしているような落とし方をしていたのです。この段階では(たまたまのことかも…)とも思えたのですが、次のカラスの行動で「確信」につながりました。
間違いなく,標的にした小石を狙って石を落として遊んでいるのです。
多分これをお読みになっている方は、「嘘だろ!」と思われているでしょう。しかし、事実です。
カラスについては、いろいろな体験があります。またいずれご紹介したいと思います。