春の香り
数日前の学校の帰り道のことです。ふいにかすかな香りが漂ってきました。
その正体はロウバイ(蝋梅)という花でした。
梅の名前はついているものの梅とは縁のない種類の樹木です。
中国原産で「唐梅」とも呼ばれ、1〜2月に黄色い、透き通るような花をつけます。花びらが蝋(ろうそくのろう)のような色であることから名前がつきました。
大変香りがよく、そばを通っても「あっ、蝋梅が咲いたなあ」と分かるほどです。
芥川龍之介の作品にも「蝋梅」という題の小品があります。
「わが裏庭の垣のほとりに一株の蝋梅あり。ことしも亦(また)筑波(つくば)おろしの寒さに琥珀(こはく)に似たる数朶(すうだ)の花をつづりぬ。
こは本所(ほんじょ)なるわが家にありしを田端(たばた)に移し植えつるなり。」
学校内のサクラの芽も日に日に大きくなっています。ホトケノザの花も美しく咲いています。
春は確実にやって来ています。