土用
7月21日は「土用丑の日」です。
さて、土用というと夏を思い浮かべます。しかし、1年間に4回の土用があることをご存じでしたか。 そもそも土用とは、土旺用事(どおうようじ)という言葉の略語なんだそうです。では、土旺用事とは何か。少し理屈っぽくなることを、あらかじめお断りしておきます。
古代中国の考え方に「陰陽五行説」というものがあります。それは、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」に分ける「陰陽論」と、自然界は「木」「火」「金」「水」「土」の5つの要素で構成されているという「五行説」とを組み合わせて、宇宙や自然などのあらゆる現象を説明する考え方です。
この五行説の5つの要素を季節にあてはめると、次のようになります。
春・・・木(植物のように発育成長する季節)
夏・・・火(勢いが頂点に達し燃えさかる季節)
秋・・・金(熱や勢いが衰え、凝縮する季節)
冬・・・水(エネルギーを蓄え、静的に留まる季節)
こうなるとおかしなことになります。「土」が出てきません。
しかし、昔の人は,土を次のようにとらえて、季節に位置付けたのです。
土・・・「植物の発芽の場所としての土」ということから
「大きな変化を促し、保護する場所・時期」
つまりは、四季の間に「土」の時期があり、移り変わりをコントロールしていると考えたわけです。
ということで、土用を、春と夏、夏と秋、秋と冬、冬と春の間に位置付けました。それで年4回あるのです。
細かく言うと、土用の期間は次のように決められています。
立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間,今年だと、それぞれ次の期間が「土用」になります。
春土用: 4月16日〜 5月4日
夏土用: 7月19日〜 8月6日
秋土用:10月25日〜11月6日
冬土用: 1月17日〜 2月2日
さて、この土用の中で最も馴染みのあるのが「夏土用」です。
夏の土用は、1年間で最も暑さの厳しい時期にあたり、江戸時代には柿の葉を入れたお風呂に入ったり、お灸を据えたりすると夏バテに効くとされていました。
これらは、外側から効く回復方法ですが、私は内側から効く方が好きです。
それが「うなぎ」です。「土用丑の日=うなぎ」というのぼりやポスターが見かけられますが、栄養的にも疲労回復に役立つようです。
このうなぎを食べる習慣は、決して古いものではないようです。
エレキテルという治療器を発明したことで有名な「平賀源内」という人が仕掛けた宣伝広告がきっかけだったのです。
源内が、ある日知り合いのうなぎ屋と話をしていると「夏はうなぎが売れない」とぼやいているのを耳にして、「よし、任せておけ!」と1枚の紙にしたためたのが「土用丑の日、うなぎの日」だったわけです。
その宣伝文句を店先に貼ったところ、よく売れるようになったことから「うなぎの日」になったということです。
もっとも、何となく大雑把な話で、「張り紙一枚でそんなに変わるのか…経緯がはっきりしない」という疑問も浮かぶのですが、そういうことにしておきたいと思います。