師走を迎えました
つい先日、正月を迎えたような気がするのですが、早いものでもう12月です。花屋さんの店先には美しいシクラメンの鉢が並んでいます。
旧暦で12月のことを「師走」というのですが、その名の由来をご存じですか?
「師」という文字から先生のことと思われがちで「先生方は12月になると忙しいんでしょ?」と尋ねられたことがあります。
しかし、実は「師」は僧侶のことで、仏事に忙しく走り回ることから「師馳す」と言われています。この話は平安時代の物語に載っていますので、まあ間違いがないでしょう。
私が師走を強く意識するのは,次の3つの場面を目にしたときです。いずれも通勤途中に目にするものばかりです。
1 菊池川の川霧
空気が冷えて風のない朝、川の水面より霧が湧き上がっています。専門的には、水温と気温の差が10℃以上、湿度が80%以上の時に発生するそうです。(この条件を満たせば夏でも発生するとのこと)
ここ最近、寒い朝は,川霧が発生しています。少し離れたところから見ると、まるで雲が湧き起こるように低いところに溜まっています。寒くなってきたんだなと実感させられます。
2 小岱山の紅葉
最近は、紅葉する時期が遅くなったようで、校内のイチョウもここ10日ほどの間に黄色くなり、間もなく散ってしまいそうです。
ちょうどその頃に、小岱山の木々も色づきます。針葉樹の濃い緑色に中に,黄色や赤、オレンジがちりばめられ、美しく感じます。でも、その情景が見えるころは「寒さ」が身にしみる季節の始まりでもあります。
3 アトリの群れ
アトリというスズメと同じくらいの大きさの鳥がいます。彼らは、冬になるとシベリア方面から群れをつくってやって来ます。
漢字では「花鶏」と書きます。どうしてこのように記されるようになったのかは定かではありませんが、彼らの姿を見ると「とさか」のような羽があるので、ニワトリのようだと考えたのかも知れません。
また、体の色が、遠目にも鮮やかな茶色(オレンジといってもいいぐらいです)なので「美しい=花」と思われたのかも知れません。
実際、栃木県鹿沼市では、過去10万羽以上のアトリの大群が飛来したそうですが、葉を落とした大木に止まった姿は、枯れ木に花が咲いたようだったといいます。
そんな理由から、「花鶏」とついたのではないでしょうか。(あくまでも私の予想です。)
ここ最近、朝に新玉名駅付近の電線に集まっています。けっこう臆病で、遠くに人がいても車が下を通っても一斉に飛び立ち、しばらく様子をうかがっています。そして辺りの様子を見ていて、安全だと分かると水田に下りて落ち穂や雑草の種子をついばんでいます。
まだ飛来して間もないので数も少ないのですが、しばらくすると大群にふくれあがり、にぎやかに鳴き交わすようになります。
学校の校庭にも、姿を見せるようになります。「キョッ、キョッ、…」という声が聞こえたら、アトリがやって来ている証拠です。冬の訪れを知らせるかわいい小鳥です。