コスモスの花・平和の花

 昨年度(平成30年度)の秋の話です。

 当時の6年生が、平和学習を行う際、南阿蘇村に在住の今村さんに話を伺う機会がありました。

 今村さんは、太平洋戦争最中のことや終戦直後のくらしについての話をしてくださいましたが、

 1950年当時の長陽中学校第4回目の修学旅行で長崎に赴くことになったいきさつや、長陽中学校の生徒と著書「長崎の鐘」で有名な永井隆博士とのつながりについて話をしてくださいました。

 永井博士の見舞いに行ったこと、お見舞いのお礼にコスモスの種をもらったこと、博士に元気になってもらいたいと願い長芋を掘って持って行ったこと、その返礼に直筆の手紙や色紙が送られてきたことなど

 多岐にわたった話を聞き、少し混乱や理解できないところもあったかもしれませんが、6年生の子どもたちは、いままでより長崎に行くことの意味や、自分により身近な存在ではないかと感じるようになっていきました。

 修学旅行で訪れた如己堂の裏手に、コスモスの花を見つけ、喜び子どもたちの笑顔。この笑顔を「平和の象徴」と考え、自分たちからまわりに広げていこうとする活動を修学旅行後から取り組んできました。

 平和学習のまとめ、学習発表会での劇、祈り鶴コンサートなどなど

 この平和学習の集大成として、今村さんから譲り受けたコスモスの花(ヘレンケラーさんから永井隆博士が託された花)を久木野小学校の「平和の花」として広げようと取組を始めました。

 しかし、種を植えるのは、春先です。ここからは、後輩達に託たくさなければなりません。6年生達は、種まきを平成31年3月6日に終えると、その花苗を在校生に引き継ぎ、卒業していきました。

注)花苗植え当日は、歌手のMetisさんと長崎で原子爆弾被爆体験語り部をされている早崎さんにきていただき、一緒に植えることになりました。

 その後、花苗は、育苗ポットやプランターで大切に育て、次第に大きくなってきました。

 令和になって、新たに6年生となった27名が、育苗ポットから花壇に植え替えを行いました。

 そして、大変とうとうですが、昨日9月11日(水)の朝、すくすく成長し、茎の生い茂ったその先端に花を咲かせました。

※今まで少しずつレポートする予定でしたが、花が咲かぬとなれば、残念至極でありますので、今の機会を捉えて報告いたします。

 今年度も6年生子どもたちは、修学旅行を控えて平和学習を行う予定です。

 ここからが「平和を受け継ぎ、つなぐ」ことのスタートです。

 これからも少しずつ、ご報告いたします。

 なお、今後の予定としては、咲く花を愛で、花や平和について語り、学びます。花が朽ちた後種を集めて、校内への散布、地域の方や周辺の施設、関係されるみなさんなど多くの方々に配っていきます。