南阿蘇村立久木野小学校 Kugino elementary school
研究主題
よりよい関係を創造する生き方を身に付けた児童の育成
~自他の人権を尊重し合う教育活動の積み重ねによる学習主体の育成~
研究の仮説
自他の人権を尊重し合う授業づくり・人間関係づくり・環境づくりを工夫すれば、よりよい関係を創造する生き方を身につけた温かい関わり合いのできる児童を育てることができるのではないだろうか。 |
研究の視点と内容
本研究では、「人権教育を通じて育てたい資質・能力」をすべての教育活動の中で、実現していくことを通して研究テーマに迫っていくものとする。そこで、以下の4つの研究視点を持ち研究を進めていく。 (視点1)人権を通じて育てたい資質・能力の学校化 ・目指す児童像の作成 ・全ての教育活動で取り組む計画づくり
(視点2)人権が尊重される授業づくり ・久木野学習(学習過程)を生かした課題解決を目指す態度 ・UDの視点に基づいた分かる授業の創造 ・対話を取り入れた相手意識を高める授業の実践 ・学習意欲につながり、協働を実現する「学習規律」の確立 ・人権学習(中心学習)の効果的な位置付けと内容の充実
・コミュニケーションスキルの形成 ・縦割り班活動の充実 ・参加型の人権集会の実施 ・児童会主催による児童集会やあいさつ運動の実施 ・児童理解のための教育相談の定期的な実施
(視点4)人権が尊重される環境づくり ・児童会主体の「くぎのなかよし宣言」具現化への取組 ・校内掲示や言語環境づくりの工夫 ・地域との連携 |
(1)本校における人権教育を通じて育てたい資質・能力、めざす児童像の作成
「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」で示された「人権教育を通じて育てたい資質・能力」をもとに、本校における育てたい資質・能力について設定しました。
(2)人権教育を全ての教育活動で取り組む計画づくり
人権教育は全ての教育活動で取り組むものであるが、育てたい資質・能力が多岐にわたるので、それらを総合的にバランスよく育成できるように、意図的・計画的に取り組む必要がある。そのため、各教科等の年間指導計画および道徳や学活、学校行事などをまとめた一覧表に、意識して育てたい資質・能力を朱書きで記入した。その上で、学期末には、計画した通りに取り組めたか振り返りながら修正点を書き込み、年度末には全ての育てたい資質・能力を総合的にバランスよく育成できたかどうかを確認する予定である。
人権教育を推進するにあたり、1年生の児童にも分かりやすい言葉を使って、「あったか学校をめざそう」と表現することにした。そして、それを学校集会で校長から児童へ伝え、各学級であったかい学校にはどんな子どもがいるのか、どんなことをがんばることなのか等を話し合い、児童から出てきた言葉や姿と人権教育を通じてめざす児童像とを重ねながら、1年生の児童にもイメージできる言葉でめざす児童像「あったかくぎのっこ10(テン)」を作成した。これは、教師も児童もめざす方向性を共有できる拠り所となっている。
(1)縦割り班活動を通じた取組
同学年の児童同士の関わりを超え、異学年同士の交流を深め、学校全体でつながりのある集団となることをめざして、縦割り班(なかよし班)を編成している。各班19~20人で8班を編成し、5・6年生を中心に年間を通して様々な活動に取り組んでいる。共に活動する中で、互いのよさを見つけ、違いを認め合いながら、助け合うことができるなかまづくりをめざしている。
ア 縦割り班掃除
イ 縦割り班での「あったかタイム」
業間に各縦割り班で行う活動を「あったかタイム」とした。運動遊びでは、上級生を中心に縦割り班ごとに活動を行った。
(2)人権集会の取組
久木野小には、先輩達が知恵を出し合って考えた「くぎのなかよし宣言」がある。この「宣言」の具現化を図ることを目的とし、人権集会を行った。また、縦割り班ごとに話し合う中で異学年同士の親睦を深め、よりよい人間関係づくりにつな げる機会とした。
(1) 全校児童による人権標語(「心のきずなを深める月間」の取組として)
(2) 児童主体の「くぎのなかよし宣言」具現化への取組「なかよしの木」
久木野小学校の人権教育のキャッチフレーズ「あったか学校をつくろう」を受け、各学級で「あったか学校にするためには、どんなことをすればいいか」について話し合った。そうしてできたのが「あったかくぎのっこ10」である。 「あったか学校をつくる」という目標のもと、「くぎのなかよし宣言」、めざす児童像「あったかくぎのっこ10」があるというつながりを全校児童が、より深く日常的に意識できるように、可視化された環境設営として、「なかよしの木」を製作した。これまでの友達からの言動で、心があったかくなったことを、葉や花のカードに書いて「なかよしの木」に貼る取組である。
更に、「なかよしの木」の取組を全校的に推進する役割を教師が務めるのではなく、委員会活動で担うようにした。運営委員会で結成したプロジェクトチームの子ども達がシナリオを創作し、「なかよしの木は、今、心が寒いと言っています。僕たちで温かい言葉をたくさん投げかけて、なかよしの木の心を温かくしてあげましょう」と全校児童に呼びかけた。この劇が全児童にインパクトを与え、「なかよしの木」の取組は教師の手から児童主体の取組へと変わっていった。
また、放送委員会では「なかよしの木」に貼られたメッセージの中から、「これは」 と思うことをピックアップして、1の付く日の給食時間に放送する取組を始めた。図書委員会では、心が温かくなるような本を選書し、図書室に「あったか学校コーナー」を特設した。このようにして「あったか学校をつくる」という目標が児童主体の活動として浸透していきつつある。
(3) 人権コーナーの設置・情報の発信
(4) 地域との連携・交流の促進
ア 学校応援団
地域の方々には、様々な特技や能力を生かして、各教科や総合的な学習の時間等の教育活動の支援やGTとして活躍していただいている。こうした学校ボランティアの方々を「学校応援団」として平成27年度に募集した。現在までに57名の保護者・地域の方々が参加してくださっており、3年に一度登録 状況を更新している。活動内容としては毎週月曜の本の読み聞かせ、野菜作りや稲作体験、地域探検など多様である。
イ コミュニテイ・スクール
本校では令和元年度から、学校運営協議会を開設し、コミュニテイ・スクールとなった。第1回目(7月16日)の会議では、委員から学校の教育目標等を承認するばかりでなく、子ども達のために学校運営協議会として主体的に何かできることを提案していきたいという積極的な意見が出された。第2回、第3回と子どもの実態把握や学校運営状況についての丁寧な協議が続けられている。来年度からは地域・学校協働本部事業もスタートし、本格的に地域と学校による協働の第二ステージが始まろうとしている。
3年生研究授業
3年生体育
3年生は体育の表現活動を行いました。基本の動きを習得する個別の修行タイムと本時の中心活動としての集団による変身タイム、それを相互に見せ合うなりきりタイムの学習過程を毎時繰り返すことによって、自己表現することの楽しさ、集団で創造的に表現することの楽しさをたっぷり味わいました。
集団的で創造的な表現をすることが本校研究テーマに関わる子どもの自尊感情を高めることが実証として示されました。
学習指導案 体育指導案(3年表現).pdf
本年度、2回目の校内研修がありました。
今回は、6年生の社会科での授業をもとに、研修を深めました。
本時は、江戸時代の初期、徳川家光が、長く続く平和な世の中の礎を築いた改革の中で、諸藩・武士・世の中の人々などにどのようなこと強いてきたのかということについていくつもの資料から読み取らせ、話し合わせる学習でした。
↑ 掲示されていた資料には、各時代を色や長さを用いて示してある。(江戸時代の長さを可視化できる手立て)
自分の生活と直接リンクできないような内容(参勤交代・普請・関所など)であるため、児童は与えられた資料から、その時生きた人々の心情を読み取り、話し合いを通じて客観的な意見としてまとめていました。
最後は、徳川家光の功績やすごさに触れることが望ましいと考えられていましたが、時間内にはできず、次時の学習と合わせて、学び取ることができていたようです。
今後も各学年・クラスで研修を深めていくための提案となる授業でした。
4年生 研究授業(特別の教科 道徳) 令和元年6月5日(水)
今年度第1回目の研究授業がありました。
今年度から2ヶ年に渡って「人権教育研究指定校」として実践を行い、広げ、深めていきます。
本日の研究授業では、4年生の心の葛藤が見られる、人間関係を考え直すきっかけになる授業になりました。
本日、今年度初の提案授業がありました。
2年 本時展開案.pdf