最終更新日 2025.1208
素晴らしい学びの姿でした!~九州学びの会研究大会~
1月18日(土)
この日、九州学びの会主催の研究大会が富岡小学校を会場に開催され、全学級の学び合いの授業を公開しました。午後から講演をしていただく東京大学名誉教授の佐藤学先生やこれまでアドバイザーとしてお世話になった九州学びの会や大学の先生方の他、熊本県内外から150名をこえる参加者をお迎えし、子供たちも多くの熱いまなざしを浴び、緊張しながらも張り切って学習に臨みました。各公開授業の様子は、参加者のアンケートを用いながら紹介していきます。
まず、10時からの公開授業1では、たんぽぽ学級、1年、2年、3年の4学級が授業を公開しました。
たんぽぽ学級の授業についてのアンケートでは、「2人の学習意欲がずっと高くてびっくりした。」「参観者がたくさんおられ緊張や集中が難しい中で、子供たちが落ち着いて学び合う姿が見られ、よく頑張っているなと思った」と、1年生と5年生が交流しながら意欲的に学習に取り組んでいる姿に感心されていました。
1年生国語の授業では、「はじめの音読から、子供たちが物語の情景が浮かぶほど上手だった。子供が自らやりたいと思わせる先生の関わり方が勉強になった。」「子供同士のやり取りが素晴らしかった。お互いを思いやる気持ちが伝った。」など、4人の1年生の豊かな表現力や、担任の先生の子供たちの能力を引き出す温かい言葉かけに多くの賞賛の意見が寄せられていました。
2年生国語の授業では、「ペアで、テキストを読んだり、課題文の意味を確認したりする姿が多く見られた。」「とても温かい関係だなと感じた」という意見が寄せられていました。とても、しっとりとした雰囲気の中で授業が進み、45分間集中して課題解決に取り組んだ2年生でした。
3年生算数の授業では、「『分からないこと』を『分からない』と素直に言える環境づくりがなされていた。授業最後の『えっ!もう終わり』『(次回)早く解きたい』」がとても印象的だった。」「先生の声かけや語り方がとても優しく、安心して子供たちが学習できていたと思う」といった子供たちの意欲の高さ、担任や子供たち同士の関係性のよさについての意見がアンケートに多く書かれていました。
次に、11時からの公開授業2では、4年、6年、理科(3年)の授業が公開されました。
4年算数の授業では、「班の中で積極的に自分の考えを発言する児童が、困っているであろう児童に懸命に話していて“班で学ぶ”ということを子供たちが意識しているのだろうと感じた。」「多くを語らず、ポイントを絞った先生の出方はとても参考になった。子ども同士の学びに向かう姿勢に感動した。」と、難しい課題に一生懸命取り組む子供たちの姿と担任の関わり方について高評価を得ていました。
6年算数の授業では、「よく気付き、お互いに説明し合える姿が高学年らしく学力が高い印象を受けた。」「何よりすてきだったのは授業が終わる直前にグループの子供たちが笑顔で見つめ合った瞬間だった。この時間の学びが彼らにとってどういう価値があったのかを物語っていると思った。」とアンケートにあるように、落ち着いた温かい雰囲気の中でさすが6年生といえる素晴らしい学びを披露しました。
3年理科の授業では、「グループでも全体でも子どものつぶやきがあり、子供たちがいい表情をしていた。」「終わりのチャイムが鳴っても、この謎を解き明かしたいという子供たちの想いがよく伝わってきた。」とアンケートに書かれており、理科専科の先生が工夫して作成された磁石の教具を操作しながら夢中になって課題解決に取り組む3年生の子供たちの学びの姿を高く評価されていました。
午後からは、5年算数の授業が体育館で行われます。150名をこえる参加者の中で学習を行う子供たちは、かなり緊張したことでしょう。その緊張をほぐそうと、授業前に自己紹介や富岡の自慢などが書かれた手作りのカードを参加者の先生方に配り、たくさんの先生方との対話にチャレンジしていました。
そして、午後1時、算数の授業が始まりました。後半のジャンプの課題はかなり難易度の高い問題でした。しかし、どのグループも模型を操作しながら、誰一人取り残されることのない学び合いが進められていました。アンケートでは、「どのグループもしっかりと考えていたように感じた。具体物を操作しながら試行錯誤している姿が印象的だった。」「穏やかに学び合う様子が印象的だった。安心できる仲間の中で過ごせているのだろうと感じた。」など、子供たちの頑張りや学級の雰囲気のよさをほめる意見が多数ありました。最後は参観の先生方から子供たちや担任の先生に大きな拍手が送られ、子供たちも少し照れながらも満足そうな表情でした。
公開授業が終わると、次は5年生算数の授業についての研究会を参観者の先生方に公開します。富岡小学校の職員に苓北町小中学校の先生方も加わり、子供たちの学びの様子について各グループで協議を行っていきました。
研究大会の最後には、学び合いの理論の提唱者でもある佐藤学先生の講演が行われました。学び合いにおけるジャンプの課題の重要性や、さらなる探求と協同に向けた示唆に富む内容で、豊富な知識と経験に基づいた具体的な事例を通して、参加者の先生方も自らの教育実践に対する新たな視点と刺激を得ることができたという感想を述べられていました。また、講演の中で、富岡小学校の子供たちの学びの柔らかさ、素晴らしさに感動したこともお話しくださいました。
閉会行事では、九州学びの会会長挨拶の後、全学級授業公開に取り組んだ富岡小学校の先生方に参加者の先生方から温かい労いの拍手が送られました。
このように、無事研究大会を富岡小学校で開催することができたのも、九州学びの会や教育委員会の皆様をはじめ、多くの方々のご協力あってのことです。前日や当日の準備運営や後片付け等大変お世話になりました。そして、週休日にもかかわらず子供たちの参加にご協力いただいた保護者の皆様にも深く感謝申し上げます。
この研究大会を機に、学んだことを生かして「子供たちが育ちあう学校、私たち教師も学び育ち合う学校」目指して、更に学びを深めてまいります。
熊本県教育情報システム
登録機関
管理責任者 校長 木場
運用担当者 教頭 川端
教務主任 亀子