2022年7月の記事一覧
令和4年度 校内研究
1 研究主題
自分のよさに気付き、主体的によりよい生活を目指す児童の育成
~キャリア教育を軸とした学習活動の充実を通して~
2 主題設定の理由
(1)今日的教育課題から
情報化・国際化などの変化の激しい社会、家庭環境や地域社会等の児童を取り巻く厳しい状況、学校が抱える不登校やいじめ問題など、深刻な課題がある。さらに、ここ数年のコロナ禍により、人との関わりが制限される中においても他者と協働し、主体的に課題をよりよく解決しようとする力を一層育むことが求められている。
このような今日的状況から、キャリア教育で培う基礎的・汎用的能力は、これからの社会を担う子どもたちに必要な資質・能力の基礎となるものである。
以上のことから、本校では、「自分のよさに気付き、主体的によりよい生活を目指す児童の育成」を研究主題に位置づけ、研究を進めることとした。
(2)本校の教育目標から
本校の学校教育目標は、「あいさつ 笑顔 思いやり すすんで学ぶ 武北っ子」である。本校の教育目標と研究主題との関わりを以下のように捉え、本校教育目標の具現化を図る。
◎自分の役割を意識し、責任をもって最後まで取り組むことのできる児童
◎自分や友達のよさを生かし、課題を解決しようとする児童
◎自分の考えを整理し、工夫して友達に伝えようとする児童
(3)児童の実態から
本校の児童には、次のような実態がある。
・指示を待つ児童が多く、自発的な活動が少ない。
・自分の考えや思いを相手に伝えることに対して消極的な児童が多く、相手の気持ちもじっくりと聞けない。
・問題を解決しようとする気持ちがもてなかったり、自分の考えたことに自信をもてなかったりする児童や困難な
課題に対しては、あきらめてしまう児童が多い。
また、昨年度実施したi-checkでは、次のような課題が明らかになった。
・自分の成長を実感することができていない児童が多い。(4年)
・将来の自分の夢や目標が持てない。(5年)
・話し合いのとき、みんなが納得できるように考えて提案できる児童が少ない。(6年)
以上のことから、自分や友達のよさに気付くことができる児童や自分の考えをもつことができる児童、さらに、他者と協働し、課題をよりよく解決しようとする児童を育てていくことは、大変意義があると考えた。
3 研究主題の考察
(1)「自分のよさに気付く」とは
中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23年1月)では、キャリアを「人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく重なりや積み重ね」と定義している。そのことから、身近な人や社会と関わりの中で、これまでの自分を振り返ったり、これからの自分について考えたりすることを通して、①自分の好きなことや得意なことを増やし、意欲をもって活動する(低学年)②自分や友達のよさを認め合い、持ち味を生かす(中学年)③失敗を恐れず挑戦し、自信につなげる(高学年)と捉えた。
(2)「主体的によりよい生活を目指す」とは
キャリア教育の基礎的・汎用的能力の一つである、「人間関係・社会形成能力」は、「多様な他者の考えや立場を理解し、相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに、自分の置かれている状況を受け止め、役割を果たしつつ他者と協力・協働して社会に参画し、今後の社会を積極的に形成することができる力」とされている。このことから、自己の役割を果たすことや児童が互いのよさを認め合うことで自治の力を高め、生活上の諸問題を解決していくことと捉えた。
4 研究仮説
自分の考えを広げたり深めたりする学習活動を生活の中で生かす取組を行えば、児童が自分のよさに気付き、主体的によりよい生活を目指そうとする児童を育成することができるであろう。
5 研究の視点
(1)視点1 「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」の育成を目指す学習活動の工夫・改善
(授業研究部)
ア 合意形成・意思決定を図る学級活動・児童会活動の実践
イ 総合的な学習の時間・生活科・自立活動の実践
(2)視点2 自分のよさに気付き、よりよい生活を目指す振り返りの工夫(資料統計部)
ア キャリア教育の推進を図るための児童の意識調査の実施と分析
イ 自分のよさに気付く、キャリア・パスポートの活用
(3)視点3 家庭・地域との連携(家庭・地域連携部)
ア PTAと連携した家庭学習の充実
イ 社会とのつながりを深める地域人材の活用
熊本県教育情報システム
登録機関
管理責任者 校長 堺 美華
運用担当者 主幹教諭 芥川 貴司