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1. 8月21日(木)

投稿日時: 08/21 学校サイト管理者

【昨日は、郡学校人権教育研究会が実施されました。本日は校内での人権教育研修会が8時40分から11時30分までおこなわれました。ほとんどの職員が出勤し研修に励みました。その後は2学期に向けた準備等をおこないました。夏休み残り1週間ですね。】

 

 

【16回目 教育に大切なことは1】

60歳定年退職になる前の5年間、年齢にしたら56歳、57歳、58歳、59歳、60歳の最後の5年間、私の教員人生の集大成をしようと考え、教育論文を書きました。算数少人数担当や教務を長年やってきたので、算数の授業のことや教務の仕事のことなどをまとめました。最後の年、平成29年の夏休みに、教え子に手紙を出し、当時の私の授業の思い出や、現在の学校にのぞむことなどを、自由に書いてもらいました。

教育には昔から変わらないもの「不易(ふえき)」とICTや外国語など、新しい物を取り入れていく「流行(りゅうこう)」の2面があります。今回は、教育に変らない不易の面を、子どもたちの手紙からまとめたものを5回に分けて紹介したいと思います。あくまで私の個人的な見解ですので、違った考え方もあると思います。よろしくお願いします。

教育に大切なことは~教え子からの手紙をもとに~     

(1)教育は、本気で褒(ほ)め、本気で叱(しか)ること

人は叱(しか)られるより褒(ほ)められる方が嬉しいです。叱られてばかりいると、気持ちが萎縮(いしゅく)し、頑張っていく気持ちが薄(うす)らいでいきます。笑顔で子どもを褒めると、子どもは自信を持ち、次も頑張ろうします。時々、子どもは授業中、間違った解答をすることもあります。しかし、その間違いを「あなたが間違ってくれたおかげで、学習内容が深まりました。ありがとう。」と切り返すこともできます。「この子は褒めることがない。」と言われる時もあります。褒めることがなければ、褒める場をつくり、その子に活動させ、それを褒めればよいです。日頃から沢山(たくさん)褒める言葉「ありがとう」「すごいね」「助かった」「上手だね」「頑張ってるね」「やったー」などの言葉を使っていきたいですね。

子どもが病気やけが等で学校を休んだ時も大切です。病気やけがの心配をすることは勿論(もちろん)ですが、保護者に、その子が学校で頑張っている様子などを話すいい機会です。保護者は安心し喜ばれ、その結果、教師との信頼関係が築かれていきます。

子どもを褒めるのは教師ばかりではありません。子ども同士褒め合うことも大切です。帰りの会での「今日のキラリさん」、学級活動での「クラス全員いいとこさがし」などの取り組みがあります。子ども同士の褒め合い・認め合いが定着すると、学級の支持的風土が高まり、児童の学力が伸びていきます。児童の自尊感情(じそんかんじょう)が高まっていきます。  

褒めてばかりではだめです。悪いことをした時、いけないことをした時、しっかり叱(しか)ることも大切です。叱る時には、何故しかるのか、子どもに納得させながら叱ることが大切です。叱られるわけもわからず、叱られると、反発だけが残ってしまいます。叱る時は、叱っている子の5年先、10年先、その子の人生のことを考えて叱ることが大切です。褒めること、叱ることのバランスが大切になってきます。

【教え子の手紙から】

〇先生は良いことをしたらしっかり褒めて下さり、悪いことをしたらしっかり叱って下さいました。良いことは良い、悪いことは悪いということを教えて下さったことで、人として当たり前な「常識」を学べたと思っています。 

〇先生が私を担任してくださった時のことです。たくさんありますが、私が「髄膜炎」の病気になり入院し、先生に心配させてしまった事です。毎日、毎日お見舞いに来て頂き、退院してからは入院していた時の分を、自宅まで来てくれ、教えてくださった事。当時は本当にイヤでした。でも、先生の熱血のご指導のおかげで、人の役に立つ事をしたいと思うようになりました。

私は子どもが3人います。時々子育てで悩みます。長男が5年生の時、問題を起こしてしまいました。学校の先生から悩まされることを言われました。私は学校が嫌いになっていました。その時なぜか先生の事を考えていたら、なんとポストに先生からのはがきが入っていました。先生は「焦らず・急がず・頑張らず 笑顔で接してください。」と言葉を書いていてくださっていました。ありがたく、ホットして泣きました。今保育園で保育士をさせてもらっています。先生のような先生になりたく「焦らず・急がず・頑張らず なんさま笑顔を大切に。」を心がけ、毎日子どもたちと遊んでいます。

〇休み時間には、男女一緒になって、サッカーやバスケット、たかたか鬼をして遊びましたね。夏休みには、学校でのキャンプ、海水浴。冬は休校日に雪合戦など、たくさんの遊びを通して、色々なことを教えてくれました。その中でも、キャンプ中でのできごとでは、騒ぎ過ぎて、校内放送を校外放送にして、警察が来てしまうハプニングもありましたね。(笑)あの時、先生方も冷汗が止まらなかったでしょうね。先生は悪いことをしてしまった時も、本気で叱ってくれました。あの頃は大人への不信感が芽生え、募り、自分自身でも、それが何なのかわからないでいました。今思えば周りへの感謝に気付けず、大人や自分を試していたのかもしれません。そして今、大人というよりは、私たちももう、人生の後半に差しかかる年齢になりました。私は子どもたちに先生のような教育ができたか自信がありませんが、ようやく先生が与えてくれたものが何だったかわかりました。それは「大我の愛」ですね。大人になると、慌ただしい日々に追われ、子どもの頃に感じていた、大切な何かを(気持ち)忘れがちになってしまい、今日それを懐かしく思い出すことができました。

〇良い事をすれば精一杯喜んだり、褒めてくれました。悪いことをすれば全力で叱ってくれました。そのメリハリがあったおかげで、こんなにも人として成長できたのではないかと思います。実際、空手でとってきた賞を見せると、先生が表彰してくれました。今思うと恥ずかしいですが、とても嬉しかったです。