お勉強の部屋(不定期で学校の勉強に関することを書いていきます。)

敬語ってむずかしい3 (学校で習う敬語)

 これまで、二回敬語について書いてきました。
 敬語について取り上げたのは、子どもたちの使う敬語は、学校で学習するばかりでなく、家庭や社会、メディア(←実はこれが一番影響します。)の影響を受けているからなのです。
 小学校では、以下のように段階的に敬語の指導をしています。






  現学習指導要領 「国語」 における『敬語』に関する記述部分
〔第1学年及び第2学年〕
 〔言語事項〕
 (ア)  丁寧な言葉普通の言葉との違いに気を付けて話し,また,敬体で書かれた文章に慣れること。
  かっこ「丁寧な言葉と普通の言葉との違い」については、日常の場面に応じて使っている話し言葉を中心にして気付き、先生や家の人、さまざまな学習の場面で出会う人などに対して、具体的な場面で丁寧な言葉遣いで話すことができるように指導することが大切である。
 「敬体で書かれた文章」については、まず、入学して初めて出会う教科書の敬体の文章に読み慣れるようにし、漸次、自分でも使い慣れるように指導していくようにする。とじかっこ

〔第3学年及び第4学年〕
 〔言語事項〕
 (ア)  相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉で話し,また,文章の敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。
  かっこ「相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉で話す」とは、相手やその場の状況に応じて、丁寧な言葉を正しく使うこと、また、必要に応じて使うようにすることである。丁寧な言葉を使うのは、話し手の意図を感じたり、聞き手に対する思いが込められたりすると、一層効果的である。とじかっこ

〔第5学年及び第6学年〕
 〔言語事項〕
 (ア) 日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
  かっこ相手と自分の関係を意識させながら、尊敬語や謙譲語をはじめ、丁寧な言い方などについて指導する。敬語の役割や必要性が自覚されてくる時期であるので、相手や場面に応じて適切に敬語を使うことに慣れるよう、児童の日常の言語生活につながる指導方法を工夫することが大切である。とじかっこ



 お分かりのように、4年生まではおもに「ていねいな言葉」という表現で「丁寧語」と「常体、敬体の違い」の指導を行います。
 そして本格的には、三種類の敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)について5年生から学習します。
 子どもたちは生活の中で「尊敬語」や「謙譲語」も自然に身につけていくのですが、誤解して覚えてしまうと学校で学習してもなかなか直らないこともあります。
 でも、やっぱり、敬語ってむずかしいですね。(例えば、目上の人に「ご苦労様です」というのは失礼にあたると感じる人と感じない人が半々なのだそうです。やっぱり言葉は生きています。)

<補足>
 文化審議会の国語分科会は、2007年2月2日に「敬語の指針」の答申を提出しました。
 これまで、敬語は、「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3つに分ける考え方が一般的でしたが、この指針では、謙譲語と丁寧語がそれぞれ細かく分けられ、5分類となっているのが大きな特徴です。 くわしくは文化庁のページをご覧ください。
 実は、最近まで私も知りませんでした。<(_ _)>