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本当の戦争とは・・・

 今日は平和集会でした。
 でも、例年と違ったのは、今年は戦争を体験された方から直接お話を伺えたことです。
 お名前は、「田中健三郎」さん。サイパン島で生まれ、12歳の時にアメリカ軍の捕虜となられた方です。
 お話の中で、アメリカ軍から逃げるために食べ物や水もない中をひたすら逃げ続けたこと、死んでいく人たちをたくさん見たこと、ただただ苦しく悲しかったことなどを話されました。
 特に、家族と離ればなれになったり、田中さんのお母さんが、まだ2か月だった妹を日本軍の兵士から『アメリカ軍に見つかるから』という理由で「殺せ」と命じられたこと、お母さんは泣いて命乞いをしたけれど、田中さんの見ていないところで殺されてしまったことなど、本当に胸が苦しくなる大変な体験を話してくださいました。
 もう、戦後七十年にもなります。本当に戦争を体験した人がずいぶん少なくなり、私も含めて戦争体験のない世代が高い割合を占めるようになった現在、今日のお話は大変貴重なものでした。
 田中さんは最後に子どもたちに「先生たちの言われることをよく聞き、しっかり勉強して自分で考えることのできる人になってください。」と声をかけてくださいました。
 「自分で考える」・・・本当に重い言葉です。間違いを間違いだといえる、そんな人になり、世の中の不合理を正していけるように子どもたちを育てたいと私も思いました。
 田中さんは、数年前に大病を患われて、体調はけして万全ではない中「自分の体験を少しでも役に立てられれば」と今日来てくださいました。
 本当にありがとうございました。