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大切にしたい方言

 今はないのですが、昭和~平成のはじめ頃に使っていた4年国語の教科書に「方言と共通語」(斎賀 秀夫)という説明文がありました。
 関西では「捨てる」ことを「ほかす」ということが取り上げてあり、「ほかすって保管することかなあ・・・」と作者が迷う場面などがありました。
 (この教材は、私自身が子どものころ授業を受けており、懐かしい思い出があります。保護者の皆さんの中にも記憶のある方がいらっしゃるのではないでしょうか。)

 さて、下の写真は、外階段から図書室に入る入り口のガラス戸に貼ってあるものです。
 今では、熊本弁としてすっかり有名になった「あとぜき」。これは、開けたら閉めるという意味だけではなく、そこにいる人に迷惑をかけないという思いやりを表していると思います。
 熊本独自の思いやりや礼儀を表す素晴らしい方言ではないでしょうか。


 太田郷小学校には、毎年たくさんの転入生がやってきてくれます。九州内ばかりでなく、関西や関東、東北や北海道からも来てくれます。
 そんな人たちにときどき私は聞くのですが、「ねえねえ、八代の言葉は覚えた(?_?)」 「・・・・」。やっぱりなかなか方言は覚えられませんね。
 方言は地方特有の言葉というばかりでなく、その地方の風土で作り上げられてきたニュアンスが含まれています。
 「今日は暑いねー」→「今日はぬっかなー」、「このおまんじゅう甘すぎて食べにくいよ。」→「こんまんじゅう、どけだっかー!」、「あのひとは、とてもうるさいね」→「あやつぁ(あんやつぁ)、なんさませからしか」
 やっぱり「ぬっかー」、「どけだっか」、「なんさま」、「せからしか」は標準語を超えたニュアンスを含んでいて、標準語では言い換えられませんね。
 私は、八代弁(やっちろべん)が大好きです。もちろん、標準語も大切です。
 児童の皆さん、みなさんも、時と場に応じて八代弁と標準語を使い分けていきましょう。