学校生活

もしもはいつもの中にある~3.11防災と命の授業~

今日は3月11日。東日本大震災から10年が経ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校も半旗にし弔意を示しました。

午前8時15分の始業の時間に、全校児童と職員は1分間の黙祷をささげました。

ここ数日、報道等では特集が組まれるなど、様々な取組が行われています。

その中で、本校の5年生が、NPO法人「カタリバ」という団体が主催した防災と命の授業「もしもは、いつもの中にある」に参加しました。

Zoomを使って、旧大川小学校の保護者で、我が子を亡くされた方からのお話や「カタリバ」の方によって授業を進めていただきました。全国各地から学校関係その他2,729件の参加があり、本校5年生以外の参加者の考えも聴くことができました。

※今回は写真をいつもより大きく掲載しますので、スマホから見られた方には見づらいと思います。すみません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、主催の「カタリバ」の方から、今回の授業の主旨が説明されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講師の先生です。当時大川小学校6年生の娘さんを津波で亡くされています。

講師の先生からは、今の旧大川小の校舎の様子を、被災前の写真と並べて説明されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渡り廊下が壊れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メモをとりながら、真剣に講師の先生のお話を聞いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

津波が去った後のがれきが押し寄せた様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知らせを受けた講師の先生が学校に向かう途中、道路が寸断されていたので、船で渡られたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見つかった時計の多くは、午後3時37分を示しているそうです。この時刻に津波が押し寄せてきたことが予想されます。

大川小学校のあった地域では、地震による津波が想定されていました。

学校の近くには小高い山がありました。

避難する時間もありました。

しかし、当時の児童や先生方は津波に向かって避難し亡くなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ、逃げることができなかったのだろう」という問いに対して、

5年生の考えは・・・

〇いきなりのことでびっくりした

〇パニック(冷静な判断ができない)になっていた

〇避難場所だから安心していた

〇津波がくるか分からなかった

〇学校が一番安全だと思った

〇どうすればいいか分からなかった 

〇怖かったから 

・・・などなどたくさん意見を出しました。

その後、Zoomで参加していた学校や一般の方の考えも聴くことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講師の先生は、様々な意見が出された後、最後に次のように話されました。

「調べれば調べるほど、当時、みんながパニックになっている状況が分かってきた。

 津波を想定していたけど、どのように迫ってくるのか予想していなかった。

 想定していたけど、対策が十分にできていなかった。

 そうならないためには、パニックにならない時に命を考え準備をすること。

 平和の状態では気づけない。

 あの日のことを思う度、今日もいつもも大事だということ。

 大切なものはいつも大切。

 もしもはいつもの中にある。

 いざというときに、避難するというスイッチを入れられるかどうか。

 今日話を聴いたことの中に、自分の大切な人がいると思ってほしい。

 避難訓練の時も、自分や家族のことを考えて避難してほしい・・・

 大川小学校は津波によって多くの子供たちが亡くなった悲しい学校ではない。

 『未来を拓く』学校なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間の授業が終わり、振り返りを行いました。

「自分で自分の命を守るのは難しいかもしれないけれど、一生けん命準備をして命を守っていきたいと思いました。」

「大川小の子供の歓声を消した津波は本当に怖いなあと思いました。最初「もしもは、いつもの中にある」という題名の意味が、平和なときに気づかないなどという意味であることを知り、これからきちんと備えていきたいし、ひなんのスイッチを出していかないといけないと思いました。」

「私は平和なときは気づかないけど、大切なものに気づくのはおそいということを学びました。今では(いろんなことが)言えるけど、実際に起こったときにはどうしようもできないんだなと思いました。これからひなんくんれんをするときは、自分の命のことを考えて真剣に取り組みたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、1年生も「たいせつないのち」の学習(性に関する指導)を行っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動物や植物全てに命があること、人にも命があること、それはかけがえのないものであること。

産まれたばかりの赤ちゃんと同じ重さの人形を使って、担任が話をします。

子供たちも赤ちゃんの人形を抱っこしました。

 

 

 

 

 

 

「重たい・・・、小さい・・・、弱い・・・」

『それが命だよ』と担任が語ります。

自分たちは今まで家の人に守られてきたこと。

今は、友だちや上級生、地域の方に守られていること。

これからは自分の命を守り、さらに友だちや家の人の命を守っていきたいという気持ちを持ってくれたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の5年生が学習したことの板書です。

子供たちのワークシートもメモでいっぱいでした。そして自分の言葉で思ったこと、感じたことをたくさん綴っていました。

基礎的・基本的な力をしっかりつけ、自分の考えや思いをまわりの人に伝えていく力は今も大人になってからも大切で必要な力です。

防災と命を考える日でしたが、子供たちが学習してきた積み重ねの一部を見ることができた日にもなりました。

※本日の様子はケーブルテレビの取材を受けています。3/15の週の「あまくさ日々の話題」総集編で視聴することができます。