学校生活

2学期始業式


“復幸”に   広西キッズパワーを!
 暑い日が続いた25日間の夏休みでしたね。たくさんの活躍に感動を覚えたリオデジャネイロオリンピックも今日で閉会式を迎え、いよいよ4年後の東京オリンピックに向けてスタートを切ることになります。
  さて、国内のニュースを見聞きしていると、全国では交通事故や水の事故など小学生に関する悲しい事故がいくつも起きてしまったようです。しかし、広安西小学校では、重大な病気やけがの報告もなかったので、全員が安全で楽しい夏休みを過ごすことができたと思います。
  1学期の終業式では、夏休みにしかできないようなことを見つけて取組んでほしいこと、簡単なことでも毎日続けることで実力として身につくので取り組もうとお願いをしました。また、一学期に学んだり感じたことを作品に表すことに挑戦してほしいとお願いしました。いつもの年より2週間も短い夏休みでしたが、熊本地震の経験を活かして毎日を過ごし、きっと、これまでにない濃い充実した夏休みになったのだろうと想像しています。
  例えば、熊本地震でしぼみそうになった心を励まそうと、全国からいろいろな活動へのご招待がありました。たくさんの人が参加して、元気を増やして帰ってきました。私は、6年生16名といっしょに、広安西小学校の災害支援にも当たっていただいたフェニックスというボランティア団体からの招待を受けて、新潟県長岡市の花火大会を見てきました。テレビ中継もされていたようですので見た人もいるかも知れません。花火の数やきれいさも初めて見るすばらしい規模でしたが、12年前の中越地震からの“復幸”を願ったみんなの気持ちを束ねるシンボルとして、歌手の平原綾香さんの「ジュピター」の曲にのせて花火が打ち上げられ、その願いに勇気をもらった人も多かったと思います。
  ここで、漢字を紹介します。(5年生で学習)
  「復旧」:堤防や道路など壊れたものを元通りに戻して生活の便利さなどがよみがえるために工事などに取り組むことです。例えば、災害で壊れて電車が通れなくなった線路を、電車が通れるように元通りの形に戻すための作業です。田んぼや道路など益城町でもたくさんの復旧工事が行われています。
  「復興」:元通りの便利さを取り戻すだけでなく、知恵を集めて災害で失った物や心の傷を乗り越え、もう一度元のような元気を取り戻し活気のある益城町を目指して発展していくために取り組むことです。ものだけでなく人のつながりなど目に見えない取組もたくさんあります。
  「復幸」:長岡花火大会の会場で目にした漢字でした。「復旧」や「復興」の取組が一日も早く進むことを願うことはいうまでもありませんが、熊本地震で受けた心の傷や痛みを乗り越えて、どこを目標にしてがんばっていくのか、ということを考えさせる言葉だと思います。
  地震より前に当たり前と思っていたしあわせに改めて気づき、もっとしあわせな社会をつくっていこうという願いを表していると思います。これは、大人の人だけとか工事の専門家の仕事ではありません。例えば、「おはよう」「ありがとう」「大丈夫?」と声にすることは「復幸」に向けた一番の行動です。誰にでもできるしあわせ探し、しあわせづくりの取組です。もちろん広安西小学校のみなさん一人一人にもできることです。ひょっとしたら大人や先生よりも大きな力を発揮できる可能性を持っているみなさんです。子どもの力,「広西キッズパワー」です。そして、一人一人の力が合わさって束になりチーム広西になった時に、たくさんのしあわせを自分で感じたり、周りの人に届けることができることでしょう。
  いよいよ2学期が始まり、間もなく実りの秋を迎えます。9月24日(土)の運動会では、今年の広安西小学校の実り具合を見ていただきます。「復幸」に向けた一日一日を意識して学校生活を送りましょう。
  最後に、紹介です。体育館西側の畑では、ひまわりの花がきれいに咲いています。これは兵庫県佐用小学校から災害復興のシンボルとして受け継がれてきた種を届けていただいたものです。広安西小学校で避難生活をしてこられたみなさんといっしょに育ててきました。避難所は8月18日に閉鎖となり、新たな場所で生活を始めていらっしゃいます。広安西小学校も体育館が使えるようになり、私たちにとっても新たなスタートの2学期となりました。ひまわりを眺めてお互いの元気を伝えあい広げましょう。
  <8月22日2学期始業式 校長挨拶メモより>