校長室だより

それほど頑張らずに、「習慣化」

 私たちはお箸を持つとき、「手を動かして、お箸を持ち上げて、親指と人さし指と中指で持って…」とは、いちいち考えません。これは、幼少期から繰り返し行われた行動が習慣になっているからです。 “お箸を持つこと”のように「やるか、やらないか」を考えることなく、面倒だと感じることもなく、勝手に身体が動いて自動的に行動できる状態になっていることを「習慣化」といいます。
 習慣化の特徴は、「その行動をするのが、当たり前に感じる」「その行動をしない方が気持ち悪いと、違和感を覚えることもある」「意志の力はあまり必要なく、無意識のうちに行っていることが多い」「頑張らずにずっと継続できる。むしろやめようと思っても、やめられない」‥等という点にあります。
 これらの習慣化の特徴を活かして、「やり続けたいこと」を意図的に習慣化すると、自分の行動をコントロールしやすくなります。
(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 前野隆司教授 参照)

◎豊かな食生活につながる「歯の健康」
◎健康な身体を創る「バランスのよい食事」
◎夢の選択を拡げる「確かな学力」
◎他者と心地よく繋がる「社会形成能力」

 さて、姫戸小で取り組んでいる上記(↑)の育成4項目についても、この「習慣化」の特徴を活かして、お箸を持つようにスムーズに、そんなに頑張らせずに「やり続けさせる」ことができないものかと頭をひねっているところです。
 昨年度から取り組んでいる「音韻トレーニング」は、自立支援相談員の辻川先生にご指導をいただき、本校の特別支援コーディネーターである小野先生の快活な号令と周到な準備の下、子ども達に「何故このトレーニングが必要なのか」「これを頑張れば何ができるようになるのか」をしっかり理解させたうえで、全学級で足並みを揃えて行っています(令和4年度学校だより第15号参照)。
 次のプリント、その次のプリントと、自分から求めてトレーニングを進める者も増え、先日は「100枚達成!賞」の賞状を手渡しました。その効果は顕著で、「聞く力」を高め「言葉のまとまりを捉える力」の向上に大変役立っています。
 多くの子ども達にとって朝自習や宿題等で行う「音韻トレーニング」は、それほど頑張らなくても継続できる「習慣化」された取組になりつつあります。
 考えるに‥、「習慣化」のポイントは、次の4点にありそうです。
☆そもそも何故、日常の習慣にするくらい身に付けなければならないかを、子ども達に肚落ちさせる(なるほど、納得! やってみようかな!)
☆やってみての成果が「すぐ表れる」→「誉められる」→「楽しいと思える」→「続けてみよう」と思う
☆それを行う時間や機会を、ちゃんと設定する
☆「自分で進んでやってる感」を持たせる

※子ども、保護者、職員の「肚落ち」が、まず必要。