学校生活

「いのちの音色」を感じながら ~月足さおりさんコンサート~

9月27日(火)

富岡小学校は、今週から人権旬間です。その取組の一つとして5校時に「なかよし集会」が行われました。

この日は、球磨郡あさぎり町出身のピアニスト、月足さおりさんをお招きしたコンサートでした。月足さんは、生まれつき骨盤の一部の「仙骨」がない病気のため、右半身が麻痺されています。通常、ピアノは左手で伴奏、右手でメロディを弾きますが、この両方を1本の手で弾かれるのです。その美しい音色と高い技術力が評価され、国内外で数々の賞を受賞されています。そんな月足さんのコンサート、オープニングは富岡小器楽部とのコラボ演奏でした。当日初めて合わせたと思えないほど、息の合った素晴らしい演奏でした。

そして、いよいよ月足さんのピアノ演奏・・・「ノクターン」「アメイジングクレイス」「夕焼け小焼け~遠き山に日は落ちて」「ねこふんじゃった」・・・左手5本の指から奏でられる音の世界は、両手とはまた違う美しさを感じました。絵本も紹介してくださり(本校図書室に寄贈していただきました)その絵本の世界をイメージしてつくられた音楽も素敵でした。

 

最後に演奏されたのは、「しずく」。

演奏される前に、ご自分が難病のため、はじめは12歳くらいまでしか生きられないと告げられていたのが、周りの方々のサポートで現在まで演奏活動を続けてこられていること、たくさんの方々が自分のために流してくれた涙で今生きていること、その感謝の気持ちを込めてつくった曲が「しずく」であることを語られました。

「しずく」は、「いのちの音色」として私たちの心に響いてきました。1年生の中には感動して泣いていた子もいたとか・・・

 

「自分も体が思うように動かなくてたくさん泣いた、しかし、その悔しさが音に命を吹き込み、今大切にピアノを弾くことにつながっている、みなさんも思うようにならないとき、できなくて悔しいとき、それは後になって予想もしない大きな力、強い力となる、それを信じて頑張ってほしい」・・・と力強いメッセージをいただきました。

月足さんと一緒に演奏した器楽部のメンバーもコンサート終了後、コンクールに向けて月足さんからエールを送っていただき、やるぞ!という思いがより一層高まったようです。

月足さんのコンサートを通して、障がいのあるなしにかかわらず夢をあきらめない心、生きる勇気・希望をもつことの大切さを学ぶことができました。