校長室より

    感謝を込めて

 梅便りも聞こえ、寒さの中にも春の息吹を感じる頃になりましたが、輝かしい歴史を刻んできた、私たちの中富小学校は、3月31日をもって、その歴史に終止符が打たれることになりました。
 本校の歴史を紐解いてみますと、幾度もの合併を繰り返してきたことが分かります。明治19年に中分田・下分田・小柳公立小学校が統合して下分田尋常小学校ができ、明治32年には、中富尋常小学校と川崎尋常小学校が合併して中川尋常小学校ができました。その後、下分田尋常小学校と中川尋常小学校の両校は、昭和19年に合併し、中富国民学校ができました。その後は、中富村立中富小学校、鹿本町立中富小学校、山鹿市立中富小学校と名称を変え、今日に至っています。中富小学校になってから76年間の中で、多い時は500人以上の児童が学んでいたそうです。

 さて、私の今の思いは、今日に至るまで、中富小学校を慈しみ、育み、共に歩いてきてくださった皆様への「感謝」の気持ちで一杯ということです。
 中富小学校の子どもたちを育み、たくさんの激励をいただいてきた、中嶋市長様、堀田教育長様、ご臨席いただいたご来賓の皆様、今日までご指導いただき、支えていただいたことに、心から感謝しております。ありがとうございました。

 保護者の皆様、子ども達のために、いつも心を一つにして、私たちと一緒に行動して下さいました。永年にわたって学校を作っていただきました。保護者の皆様と学校が同じ方向を向いて、共に歩めたことは、私たちにとって、とても心強いことでした。保護者の皆様、ありがとうございました。
 地域の皆様、地域の宝である中富の子ども達の安全を毎日見守っていただきました。子ども達のために、地域の行事を開催していただきました。地域の皆様が当たり前のように下さったご支援とお力添えは、私たちの支えでした。皆様のお陰で子ども達は、中富に誇りを持っています。地域の皆様、ありがとうございました。

 卒業生の皆様、中富小学校と子ども達をいつも温かく見守り、中富小学校を誇りに思っていただいたことが、私たちの毎日の励みになりました。学校にお立ち寄りいただいたことも、私たちの喜びであり、学校の伝統とその重みを感じるひとときでした。中富小学校の素晴らしい伝統を作ってくださり、ありがとうございました。

 歴代の校長先生、諸先生方、中富小学校の輝ける伝統を築き上げていただき、ありがとうございました。先生方の作られた礎と教えのお陰で、私たちは今日まで歩み続けることができました。特に、算数教育の研究に関しては、全面的に応援していただき、「算数の中富」と言われるまでに認められるようになったのは、ひとえに諸先輩方のお力によるものです。先生方の教えである、「中富の心」は、「中富スピリッツ」と名称を変えながらも、今も確かに引き継がれています。ありがとうございました。

 54名の児童の皆さんにお話しします。先生達の最大の幸せは、皆さんと出会えたこと、皆さんと同じ屋根の下で、一緒に過ごせたことです。皆さんは立派に成長しました。皆さん一人一人が、先生達の誇りです。厳しい指導もあったかもしれませんが、粘り強く、頑張って、よくついてきてくれました。立派なお兄さん、お姉さんになりました。新しい学校に進んでも、何も心配することはありません。今の自分に自信を持って、鹿本中学校・鹿本小学校では、みんなをリードするぐらいの勢いで、これからも頑張って下さい。皆さんの大きな挨拶や歌声は、私たちに元気をくれました。そんな皆さんに、今日はお礼を言いたいと思います。中富小学校の皆さん、今まで本当にありがとう。皆さんが新しい場所で、輝きながら羽ばたいている姿を、私たちはこれからも、見守っています。

 最後になりましたが、中富小学校の長き歩みに関わってこられた全ての方々に、深く感謝申し上げると共に、子ども達の未来が一層健やかなものでありますよう、心からお祈り申しあげて挨拶といたします。

       令和2年2月16日

               山鹿市立中富小学校

               第26代校長 霍口 信二